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【RIZIN51】計量終了 「キックボクサーのMMA」ではない梅野×芦澤、大和哲也のMMA初挑戦

【写真】日本キックボクシング界を代表するファイター、大和哲也が最後に選んだ道はMMAだった(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(土)、翌28日に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51のセレモニアル計量が、同中区のヒルトン名古屋で行われた。
Text by Shojiro Kameike

出場全選手が計量をクリア。神龍誠とフライ級GP準決勝を争う元谷友貴のみリカバリーのため、セレモニアル計量を欠席している。

現在RIZINではキックボクサーのMMA転向が増えているなか、今大会では名古屋在住のキックボクサー大和哲也が第1試合で、奥山貴大を相手に初MMAに挑む。梅野源治×芦澤竜誠も含めて、「キックボクサーのMMA」ではなく「MMAストライカー」としての試合が期待される。


ひと昔前、立ち技格闘技の選手がMMAに挑む際は、組まれないように距離を取ることが多かった。しかし距離を取るため、あるいは手を出した時に組まれることを警戒しすぎて、逆に得意の打撃を出すことができないまま試合を終えることも――。しかし梅野と芦澤はRIZINでMMAに挑戦するうえで、そんな「キックボクサーのMMA」とは違う試合ぶりを見せている。

芦澤は遠い距離を保ちながら、しっかりと左ジャブを突いて相手を懐に入れさせない。組んでくればテンカオで削る。対する梅野は逆に、自ら距離を詰めて手数を出すことで、対戦相手に組むチャンスを与えない。さらに組まれてダブルレッグで足を抱えられても、右オーバーフックで体勢を入れ替えることができる。これこそMMAストライカーにとって、一つの理想的な試合運びと言えるかもしれない。

本来、キックボクサーは首相撲という技術が持っている。特に梅野は過去、ムエタイで首相撲を鍛えるために、オリンピッククラスのグレコローマンレスラーと練習していた。そうしたベースが備わったうえでMMAに転向すれば、少なくとも組まれることに対して、極端な苦手意識を持つこともあるまい。そんなMMAストライカーとしての実力を、梅野と芦澤は成長させているだけに今回の対戦も楽しみだ。

そして計量前日に行われた試合前インタビューで、梅野が「MMAへの挑戦を応援したい。試合が終わったら一緒に練習もしたい」と語り、芦澤も「あの人はメチャクチャ強い。一撃があるから、寝技にビビらず行ったら先に当てるんじゃないか」と評価するのが大和哲也だ。

大和哲也は2010年、旧体制下のK-1 63キロ日本トーナメントに出場し、決勝で久保優太をKOして優勝。2014年には一度敗れているサゲッダーオ・ペットパヤタイを相手に、左ヒジで鼻骨骨折に追い込みWBCムエタイ世界スーパーライト級王座を獲得した。同日には梅野源治もWBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者となっており、両者はまさに盟友といえる。試合翌日、格闘技専門誌の企画で組まれた対談では、お互いリスペクトの気持ちを口にしていた。

翌年3月には北米ムエタイの雄ケビン・ロスを同じくヒジ打ちで下して、LionFightとの2冠王に。その後はK-1に活動の場を移してベルトを巻くなど、まさに日本のキックボクシングを代表する選手だ。

RIZIN初参戦は2016年4月の第1回大会で、キックボクシングルールで山口裕人にTKO勝ちを収めている。その大和がまさかのMMA転向で再びRIZINに参戦するとは、正直驚かされた。ここまでキックボクシングの実績を持つ大和が、なぜ今MMAに挑戦するのか――その理由を大和は「今年でプロデビュー20周年。ラストキャリアで、自分の中でまだ何か燃え尽きていないものがあった。地元名古屋でRIZINが行われるタイミングでお願いし、(MMAに)挑戦したいと思った」と語る。

現在、大和は元谷友貴をはじめ強豪ファイターが参加する「寒天練」でMMAの練習を行っているという。とはいえ、やはり大和哲也といえば、かつて自身で「ヒジ哲」と呼んでいたほどのヒジ打ち。立ち技系格闘技シュートボクシングからMMAを戦う奥山貴大を相手に、そのヒジ打ちが見られるかも注目だ。

■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN51 計量結果
※試合前のインタビューを掲載している選手は、名前をクリックすると記事にリンクします

<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ:71.0キロ
[挑戦者]堀江圭功:70.95キロ

<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ:65.9キロ
[挑戦者]ビクター・コレスニック:65.85キロ

<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正:56.8キロ
アリベク・ガジャマトフ:57.0キロ

<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴:57.0キロ
神龍誠:57.0キロ

<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク:119.65キロ
アレクサンダー・ソルダトキン:111.5キロ

<バンタム級/5分3R>
佐藤将光:60.9キロ
ダニー・サバテロ:60.9キロ

<バンタム級/5分3R>
梅野源治:61.0キロ
芦澤竜誠:60.9キロ

<フェザー級/5分3R>
高木凌:65.95キロ
三宅輝砂:65.95キロ

<ライト級/5分3R>
矢地祐介:71.0キロ
芳賀ビラル海:70.9キロ

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭:65.95キロ
ファン・イェーロウ:65.35キロ

<フライ級/5分3R>
冨澤大智:56.9キロ
平本丈:56.9キロ

<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介:98.0キロ
チャートゥ・バンビロール:99.45キロ

<フェザー級/5分3R>
大和哲也:65.90キロ
奥山貴大:65.75キロ

<ライト級/5分2R>
太田将吾:70.75キロ
Street♡★Bob洸助:70.85キロ

<バンタム級/5分2R>
山木麻弥:60.95キロ
石坂空志:60.95キロ

<フライ級/5分2R>
佐藤執斗:56.25キロ
小林大介:56.75キロ

<フェザー級/5分2R>
YUHEI:65.85キロ
脇田仁:65.55キロ

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