【UFC】Fight&Life#112より。ATTコーチ、パフンピーニャが語るパントージャ×堀口恭司「戦う意味と価値」
【写真】パントージャのベルトを肩に掛けるパフンパ (C)MARCOS DA MATTA
23日(火)から発売中のFight&Life#112で、アメリカン・トップチームのヘッドコーチ=パフンピーニャことマルコス・ダ・マッタのインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima
6日のUFC323で左ヒジの脱臼によりUFC世界フライ級のベルトを失ったアレッシャンドリ・パントージャのヘッドコーチであり、11月22日に9年振りのUFCでダジル・ウランベコフに圧勝した堀口恭司のコーナーにも就いていたパフンピーニャ。
堀口の勝利後のマイクアピールで、日本のファンの間では同門対決の機運が高まったもののパントージャの王座陥落と堀口の次戦=アミール・アルバジ戦の決定で、夢の同門世界戦の実現は3歩ほど後退したか。それでもATTのヘッドコーチ自身がパントージャの負傷の回復具合にもよるが、この同門対決の実現を希望していることが今回のインタビューで明らかとなった。
その気持ち良すぎる同門対決が可能になる両者の人間関係と、MMAの変化をパフンピーニャが語った部分を同インタビューから抜粋してお届けしたい。
――40歳までハイレベルで戦えるとパフンパの言質があったパントージャと堀口選手ですが、11月23日にダジル・ウランベコフを破り9 年振りのUFCで印象的な勝利を挙げた堀口選手が、大声でパントージャへの挑戦をアピールしました。そして王座陥落前のパントージャも「キョージと戦えるなら、それはギフトだ」と発言しています。カーウソン門下、BTTと同門対決などありえなかったですが、ここも大きく変化した点でしょうか。
「時代は変わったんだ。特にアメリカン・トップチームは他のチームとは違う。アメリカン・トップチーム内でも試合は組まれている。それだけの数のファイター、プロモーターが試合を組まざるを得ないだけの優れたファイターがアメリカン・トップチームに集まっている。個人的には、好ましくないと思っている。
ただし、ベルトが掛かり大金を得て家族を助けることできるのであれば別だ。彼らも『ノー』とは言えないはずだ。ベルトを掛けたパントージャと戦う機会が巡ってきたとき、どうしてキョージが『ノー』と言える? パントージャの人生を変えたように、キョージがUFCのベルトを巻けば彼の人生は変わるんだ。
2人は本当に仲が良い友達同士だ。毎日のようにトレーニングでも助け合ってきた。この2人がベルトを賭けて戦う日が訪れることを、私自身が望んでいる。チーム内対決は好きではない。でもパントージャとキョージの世界戦が実現すれば、これはアメリカン・トップチームにとっても良いことだからね。そんなことができるジムは、世界でアメリカン・トップチームしか存在しない。歴史を創ることになる。
――同門対決が行われる時は片方が恒久的に、または一時的にジムを離れるケースがあります。アメリカン・トップチームの場合は、どうでしょうか。
「ケース・バイ・ケースだよ。アメリカン・トップチームでは多くのケースで、両選手ともチーム内でトレーニングを続けてきた。その間はコーチも練習時間も分けるようにして。
仮にパントージャとキョージが戦うことになったら、私はパントージャに就く。マイク・ブラウンはキョージ・サイドだ。打撃コーチもトレーニングパートナーも振り分ける。
我々はプロフェッショナルだよ。特にコーチ陣は、そうでなければいけない。そして試合が終われば、ハグをする。できれば、ケガなく終わって欲しい。そこにはプロフェッショナリズムが必要になってくる。オールドスクール・メンタリティは入り込む余地がない。チーム内で戦うのは、何かしらの意味と価値があるからだ。UFCデビュー同士のファイターに、同門対決はさせないよ。
チャンピオン×ナンバーワン・コンテンダーだったり、ナンバーワン・コンテンダーの座を争う試合だったりすれば、そこには戦う意味と価値が存在している」
――では王座を失ったパントージャと堀口選手が、ナンバーワン・コンテンダーの座を争うこともあるということでしょうか。
「パントージャとキョージが、タイトル挑戦権を賭けて戦うなんて意味も価値もない。ベルトが掛かっていないと、彼らの価値を落とすことになる。だからUFCもそんな試合は組まないはずだ。何より、まずはパントージャの負傷が、どの程度なのかハッキリ分かってからだね。その結果を受けて、キョージとパントージャの2人がどのような試合を戦っていくのか。それが見えてくるだろう」
――押忍。ところで先ほどパフンパは仮にパントージャ×堀口恭司の世界戦が決まれば2つのグループに分けて、調整を行うと言っていました。実は先週、堀口選手にインタビューをしたところ「試合が決まっても、練習しているんかもしれない」と言っていました。
「オーマイガーッ! ハハハハハハ。キョージは最高のヤツだよ。そして、パントージャもね。彼らはファイトウィークまでは、一緒に練習するよ。柔術や打撃、必要な練習を。そして『じゃあ、来週な』って別れそうだ」
パントージャの左ヒジの状態、日本への想い。そして堀口&パントージャだけでなく、マイク・ブラウンの自身の友情をパフンピーニャが話したインタビュー及び堀口恭司のインタビューが掲載されたFight&Life#112は23日(火)より発売中です。















