【RIZIN51】シェイドゥラエフに挑戦、コレスニック「チャンピオンになったらミクルが防衛戦の相手かな」
【写真】チェスカ・モスクワのユニフォームを着て、ご機嫌にインタビューに応えてくれたコレスニック。ロシア、コーカサス、中央アジア系のファイターで、ここまでフレンドリーでスラスラと言葉が出てくる選手はRIZINではコレスニックだけといっても過言でない(C)MMAPLANET
28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51でビクター・コレスニックが、RIZINフェザー級王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフに挑戦する。
text by Takumi Nakamura
6月の札幌大会で1年2カ月振りのブランクを経て、SASUKEを初回KOで下しRIZINで4連勝を達成したコレスニックが、14勝無敗、全フィニッシュ勝利というパーフェクトレコードを持つチャンピオンに挑む。
PRIDEのタイトル戦線を思い起こさせる日本人のいないタイトル戦こそ、RIZINフェザー級の真実。ある意味、底を見せていないチャンピオンは粗も見せていないことに通じる。対してコレスニックは敗北も経験し、何をするのか分かる中で自身の技量を磨き続けてきた。
絶妙のレンジコントロールとプレッシャー、打撃で削って勝つ。SASUKE戦で見せた戦いこそ、シェイドゥラエフ攻略の鍵――そんな指摘に対し、「100パーセント、その通りだ。いや、そこを分かってもらえて嬉しいよ」と笑顔を見せる。手駒と手の内を知られていても、勝てる。絶対的な自信がコレスニックから感じられた。
ベルトに挑戦できる資格があるのは僕、ヴガール・ケラモフ、ノジモフだけだ
――ビクター、それは今着ているのはどこかロシアのサッカーチームのユニフォームですか。
「そうだよ、僕が応援しているチェスカ・モスクワのユニフォームだ。子供の頃はサッカーと格闘技の両方に夢中になっていた。でも、どちらかを選ばないといけない時が来て格闘技を選択したんだ。それからサッカーはプレイヤーでなく、ファンとして楽しんでいる。だから、今も蹴りたいんだよ(笑)」
――ハハハハ。28日に名古屋でラジャブアリ・シェイドゥラエフの持つRIZINフェザー級王座に挑戦します。今の気持ちを教えてください。
「最高にワクワクしている。ベルトが僕の手元にやってくる日が待ちきれない。このインタビューの直前までイルホム・ノジモフとガッチリ練習してきた。プーケットのタイガームエタイにやってきて、ノジモフとしっかりとムエタイのトレーニングを積んでいる」
――ではタイから日本にやってくるのですね。
「ロシアで最初のキャンプを終え、メディカルもビザの手続きもやってきた。キャンプはいつも通り、プーケットで仕上げて日本に向かうことになっている。もうタイガームエタイでは9年も練習をしてきた。タイと日本の時差はロシアとは違って2時間しかないし、飛行機に乗っている時間も違う。
ロシアからだと日を跨いで日本に行かなければならないけど、プーケットからだと半日もかからない。減量もここで最終段階の手前まで調整し、日本に行ってから少しでも問題をなくせるように心掛けている」
――6月のSASUKE戦は1年2カ月ぶりの実戦でしたが、見事なKO勝ちでした。
「試合ができなかった期間が長くなっても、ファイトに影響はない。それだけの経験を積んできているからね。それに今やロシアよりも、日本の方が僕のファンが多いように感じる。試合前のインタビューで、ファイヤーワークスを日本のファンに見せると話した通りの試合ができた。あの試合こそ、日本のファンに見てほしい僕の戦いなんだ」
――SASUKE選手に勝ったことで、挑戦権が回ってくると思っていましたか。RIZINはグロバールイベントですが、日本で行われている大会でキルギス人のチャンピオンに、ロシア人の自分が挑戦できると。
「RIZINフェザー級のトップどころを見てくれよ。ラジャブアリのベルトに挑戦できる資格があるのは僕、ヴガール・ケラモフ、ノジモフだけだ。日本人ファイターは誰も僕らと戦いたがらない。SASUKEに勝って4連勝になった。もう、僕が挑戦するしかないだろう。その資格は十分にあると思っていたよ」
勝負を決めるのは、一発のパンチだよ
――では王者シェイドゥラエフの印象を教えてくれますか。
「良いファイターだよ。強い。でも、過去に僕のような相手と戦ったことがない。僕にとってもそうだけど、彼にとっても自分のスキルをテストする時がやってきたんだ」
――シェイドゥラエフも以前はタイガームエタイで練習をしていたことがあると思います。彼と一緒にトレーニングをしたことはありますか。
「確かに同じ時期に、同じ場所でキャンプをしたこともあった。でも、彼を意識したことがなかった。だからスパーリングをしたこともないはずだ。同じキルギスのファイターでも、僕はUFCで戦っている選手と一緒に練習をしていたからね。何より、僕の場合はたいてい体の大きなファイターとトレーニングをしている。ラジャブアリは、小さな選手のグループにいたから僕らは練習することはなかった」
――ところで前回の試合では圧を掛け続けたうえで、急がない。そしてリーチを生かしてSASUKE選手の距離にさせずに、やや遠めのレンジで戦う。あの距離とプレッシャーこそシェイドゥラエフ戦に通じる戦い方に感じました。接近戦でなく、自分の距離で圧を掛け続けるという点において。
「100パーセント、その通りだ。いや、そこを分かってもらえて嬉しいよ。ラジャブアリを僕の戦いに引き込むために、そこが本当に重要になってくる。彼の攻撃を恐れることなく、自分の戦いをする。僕の戦いにつき合わせることで、ラジャブアリのやりことを封じ込むんだ。そしてジャッジの判断に勝利の行方を委ねるのではなくて、この手でケリをつける」
――背の低い選手が背の高い選手と戦う時は、困難が伴います。同時に背の高い選手にとって、背の低い選手は戦い辛いこともあるかと思うのですが。
「誰だって思い切りパンチを振るうことはできるからね。そしてラジャブアリの戦い方は、全てのパンチを全力で振るうという感じだ。でも僕は距離のコントロールができる。その辺がどうなるか。試合になれば分かるだろう。
ラジャブアリは最終的にはテイクダウンを狙ってくる。僕はスタンドをキープしたい。どちらが自分の戦いをできるかだ」
――そうなるとビクターのテイクダウン・ディフェンスの是非が、試合の是非に通じてくるかと。
「勝負を決めるのは、一発のパンチだよ。でも、僕は自分のテイクダウン・ディフェンスに自信を持っている。だからこそ、パンチで勝負を決めることができるんだ」
ファイトとしては判定でも良いと思っている。本当なら5分5Rで戦って、ラジャブアリを痛めつけたい。何もできない時間を長くしたい
――寝技になることも想定していますか。
「試合がそういう展開になると、すぐに分かるよ。寝技に関しては、ハードなトレーニングをやってきた。苦しいポジションからスタンドに戻る練習は、テイクダウンされない練習と同様に突き詰めてきた。同時にラジャブアリありきの対処練習でなく、自分が彼に何をするのか。そういう思考で、より準備をしてきた」
――その練習の成果を発揮する場で、ファンに何を見せたいと思っていますか。
「ファンに見せたいのは、フィニッシュだよ。ラジャブアリを仕留める。ただファイトとしては判定でも良いと思っている。本当なら5分5Rで戦って、ラジャブアリを痛めつけたい。何もできない時間を長くしたい。でも今回は3Rだ。日本のファンが与えてくれた自信を武器に、しっかりと戦うよ」
――ところで日本人ファイターは、RIZINフェザー級のベルトを狙う位置にいないという発言がありましたが、知名度のある日本人ファイターと戦ってより日本で名声を得たいという考えはないですか。
「今はラジャブアリのことに集中している。それからのことを考えることはない。絶対にタフなファイトになることは分かっているからね。でも、ミクル・アサクラのクレベル・コイケ戦のパフォーマンスは良かったと思う。
テイクダウン・ディフェンスが向上しているし、打撃もよりシャープになった。僕がチャンピオンになったら、ミクルが防衛戦の相手かな。SASUKEはRIZIN初参戦だったけど、多くのファンがいた。そのファンが僕のことを知った。そういう意味でも、ミクルと戦えば僕の知名度は絶対的になるだろう。
同時にRIZINフェザー級に新しい力が生まれ、より活性化することを願っている。そして、僕がチャンピオンである限り、どんな相手でも戦う。そうやって、この階級を盛り上げたい」
――ビクター、今日は練習後の慌ただしい時間にインタビューを受けていただきありがとうございました。では最後に日本のファンに一言メッセージをお願いします。
「アリガトウ!! 日本のファンから毎日のようにメッセージが送られてくる。しかも、ロシア語でボイス・メッセージを送ってくれるファンもいる。そんな日本のファンの応援に応えられるようベストを尽くす。そして、僕のサポーターにベルトを巻いた姿を披露するよ」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■ RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)