【Pancrase360】カリベクと王座決定戦、栁川唯人「あの投げは防ぎ方がある。僕は食らわないです」
【写真】プロデビューから9戦目の王座挑戦&初の国際戦となる栁川(C)TAKUMI NAKAMURA
21日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase360では、フェザー級王座決定戦で栁川唯人がカリベク・アルジクル ウールと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
11月のニューピア大会で平田直樹をバックからの変形レッグロックで下し、年内の王座挑戦をアピールしたカリベク。この試合直後に自身のXで「俺とタイトルマッチをやろう」と反応したのが栁川だった。
大会後に三宅輝砂が王座を返上し、栁川とカリベクによる新王者を決める一戦が実現。パンクラスで圧倒的な強さを見せ続けるカリベクに立ち向かうことになる栁川だが「確かにカリベクは強いですけど『俺ならこうするな』というものが見えている」と打倒カリベクに自信をのぞかせた。
等身大のカリベクを見て、過大評価しないようにしています
――空位となったフェザー級KOPを決める一戦でカリベク・アルジクル ウールと対戦する栁川選手です。注目のカリベク戦となりますが、試合が発表された時の周囲の反応はいかがでしたか。
「カリベクが平田(直樹)選手に勝ったあとに自分のSNSでもカリベクとタイトルマッチをやりたいと投稿したら、カードが発表されて周りからは『正式にカリベクとやるのか!』みたいな感じでしたね。大会側からはタイトルマッチで組んでいただけたんですけど、僕的にはタイトルよりもカリベク戦が決まったなって感じです」
――栁川選手としては、それだけカリベクと戦うことに燃えているわけですね。
「もちろんベルトも欲しいですけど、正直カリベクに勝ってついてくるものだと思っています。そのくらいカリベクと戦って勝つことに意味を感じていますね」
――SNSでの投稿もそうですが、平田戦でのカリベクを見て戦いたいという想いが強くなっていたと。
「なっていましたね。カリベクは井村(塁)選手、ISAO選手、平田選手というすごく強い人たちに勝っているし、どうせやるなら一番強いヤツとやりたいので」
――今回は三宅輝砂選手のベルト返上により王座決定戦として組まれましたが、ノンタイトルでもカリベクと戦いたいと思っていましたか。
「はい。どんな形であれカリベクとはやりたいと思っていました」
――カリベクのように強さを認知されている強豪外国人選手と戦うことはモチベーションになっていますか。
「なりますね。申し訳ないけど三宅選手とやるよりモチベーションは上がりました」
――記者会見での栁川選手のコメントを聞いていると、カリベクのことは必要以上に大きく見るわけではなく、あくまで一人の対戦相手として見ている印象でした。それを踏まえてカリベクにはどんな印象を持っているか教えてください。
「今言われた通り、等身大のカリベクを見て、過大評価しないようにしています。いつもそうですけど、僕は過大評価がめちゃめちゃ嫌いで。カリベクのことも客観視して、自分ならこうする、ああするというところを研究できています。確かにカリベクは強いですけど『俺ならこうするな』というものが見えていますね」
――平田戦のカリベクはそれまでの打撃だけではなく、テイクダウンや寝技の強さを見せました。ただ、カリベクが平田選手に極めた変形のレッグロックは栁川選手が普段の練習でも使っているそうですね。
「はい。僕もよくジムで使う技だし、鶴屋怜くんが猿飛流さんと対戦した時に使っていて。その時は極まらなかったけど『あっ、怜くんも使っているんだ!』と思った記憶があります。ただ日本であれをやっているのは怜くんぐらいしか知らないので、もしかしたらサブミッションに関して日本は少し遅れているのかなと思いました」
――なるほど。
「だからカリベクがあれで一本勝ちした時、周りは驚いている人の方が圧倒的に多かったので、海外の方が技術的には進んでいるんだろうなと。そこは日本と海外の差だと考えています。逆に自分の技術は割と先を行っている、カリベク相手でも技術勝負もできると思っています」
カリベクに勝ってチャンピオンになって、最終的にはUFCに行きたいです
――カリベクの投げについては会見で「対応の仕方がある」とコメントしていました。
「全然、大丈夫ですよ。ぶっちゃけカリベクの投げは防ぎ方があって、ものすごくシンプルに●●●を●●●すれば投げられないんです。でも平田選手が●●●しちゃったから投げられたんです(※ここで栁川が実演しながら解説する)」
――分かりやすい説明ありがとうございます。ただ試合前なのでここは伏せておきます。
「ありがとうございます。平田選手が最初にカリベクに投げられたのはしょうがないにしても、2回目以降は正直『なんで対処しないんだろう?』とは思っていました。おそらく平田選手は●●●する方に意識が行きすぎちゃっていたんだと思います」
――平田選手がカリベクの投げに対処することよりも自分のやりたいことに比重を置いていたというのが栁川選手の見立てであると。
「自分にはそう見えましたね。柔道出身の平田選手があれだけ投げられたのはカリベクの巧さもあるし、平田選手のミスもあったんだろうなと。だから僕はあの投げは食らわないです」
――カリベクの攻略法や勝つパターンは明確に出来上がっていようですね。
「はい。もう数パターンはフィニッシュするイメージを作っているので、あとは試合でそれを出すだけです。なんか『栁川、大丈夫か?』みたいな感じもありますけど、虚勢を張るわけではなく『いやいやいや。カリベク別に、だよ?』と思っています」
――カリベク戦に向けて準備していく中で新たな発見もありますか。
「そうですね。自分は自分の練習を客観視して『ここが自分にとっては弱点だから』というのも計算しながらやっているので、カリベク戦に向けて準備していく中でも強くなれていると思います。最近はSONIC(SQUAD JIUJITSU & MMA)にも行かせてもらっていて、RIZIN王者の井上直樹選手とも練習しているんですよ。井上選手からは色々とアドバイスもらっているので、アリベク戦でも出せたらいいかなと思います」
――カリベクに勝ってパンクラスのベルトを巻くことが出来れば、これからの格闘技人生も大きく変わると思います。栁川選手としてもこの試合がターニングポイントになるでしょう。
「それは自分でも感じていますね。ここでカリベクに勝ってチャンピオンになって、最終的にはUFCに行きたいです。UFCで戦っている日本人選手を見てうらやましいと思うし、今フェザー級でUFCと契約している日本人選手はいないじゃないですか。今年のRoad to UFCで中村京一郎くんが決勝まで勝ち進んでいますが、他にもフェザー級でUFCにいける日本人がいるところを見せたいです」
――UFCを目指す方法はいくつかあると思いますが、栁川選手としてはパンクラスでベルトを巻いたり、強豪外国人選手に勝つことでUFCを目指したいという想いもありますか。
「僕はデビュー戦と2戦目がNEXUSで、それからパンクラスに出ることになったんですけど、パンクラスに決めた理由がユニファイドルールでUFCを目指せる団体だからなんですよ。だからカリベクに勝つことで周りに『栁川やべえな』や『栁川はUFCにも行ける』と思わせて、将来的にはUFCに殴り込みに行きたいです」
■視聴方法(予定)
2025年12月21日(日)
午後1時~ U-NEXT
■Pancrase360 対戦カード
<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 佐藤生虎(日本)
[挑戦者] ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
<フェザー級王座決定戦/5分5R>
栁川唯人(日本)
カリベク・アルジクル ウール(キルギス共和国出身)
<バンタム級王座決定戦/5分5R>
井村塁(日本)
田嶋椋(日本)
<バンタム級王座決定戦/5分5R>
コシム・サルドロフ(タジキスタン)
佐藤龍汰朗(日本)
<女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
KAREN(日本)
本野美樹(日本)
<フェザー級/5分3R>
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
Ryo(日本)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ISAO(日本)
<ライト級/5分3R>
天弥(日本)
クリストフ・キルシュ(ドイツ)
<ウェルター級/5分3R>
内藤由良(日本)
髙橋攻誠(日本)
<バンタム級/5分3R>
松井斗輝(日本)
荒田大輝(日本)
<フライ級/5分3R>
浜本キャット雄大(日本)
岸田宙大(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
神谷大智(日本)
<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
クーパー・ロイヤル(豪州)
<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
小澤武輝(日本)

















