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【ROMAN04】15年振りの死合=バーリトゥードでシュレック戦、小路晃「今の格闘技に警笛を鳴らしたい」

【写真】小路晃らしい、言葉が数多く聞かれました (C)MMAPLANET

15日(日)東京都新宿区GENスポーツパレスにて開催されるROMAN04にて、小路晃が時間無制限バーリトゥード=R.O.M.A. RULESで関根シュレック秀樹と対戦する。
Text Takumi Nakamura

今回でナンバーシリーズとして4大会目を迎えたROMANで、“ミスターPRIDE”こと小路が2011年4月の三崎和雄戦以来の復帰を果たす。

三崎戦後は地元・富山でラーメン店を開店し、ラーメン店経営の傍ら、少年柔道の指導員を務め、統一地方選挙や衆議院議員選挙に立候補するなど、選挙活動を続けていた小路。昨年12月にはプロレスのリングにも立ち、今大会ではシュレックこと関根秀樹と頭突き・金的も認められたバーリトゥード・ルールで対戦する。

なぜ小路が再び戦いの舞台に戻る決意をし、この時代にバーリトゥードの試合に臨むのか。対戦カード発表会見後の小路に話を訊いた。


10人に聞いたら、8人はやめておけ、と(苦笑)

――小路選手がROMANに参戦するということで我々も含めて驚いた人も多かったと思います。小路選手は2011年4月に三崎和雄さんと引退試合を行っていますが、その後はどのような活動をされていたのですか。

「あの試合のあとは地元の富山に戻って、ラーメン屋(つけめん えびすこ)をオープンして、経営者としてラーメン店を展開しつつ、東京ラーメンショーや色んなイベントにも参加して、ちょこちょこ東京にも足を運んでいました。それと並行して、自分が小学生時代に通っていた柔道のスポーツ少年団で少年柔道の指導員を務め、自分でも高校や県の柔道連盟の練習会に参加し、僕の同期生が和術慧舟會の富山支部をやっているので、そこでも後進の指導や練習は続けていました」

――では引退試合を終えてからも格闘技の練習そのものは継続されていたのですね。

「はい。1Rだったら負けないぞみたいな感じでやっていました(笑)。そのなかで2024年に日本マスターズ柔道大会に出場したら準優勝することが出来て、だんだんと柔道の稽古に熱が入ってきたんです。それで最近調子がいいなと思いながら稽古を続けていたら、プロレスの試合に出たことをきっかけにROMANさんからシュレック戦のお話をいただきました。

最初はオファーを受けるかどうかめちゃめちゃ迷っていて、10人に聞いたら、8人はやめておけ、と(苦笑)。特にシュレック選手はジャーマンスープレックスが得意技なので『あんなの食らったら、ただじゃ済まないぞ』と言われました。でも僕は性格的に、そういうことを言われれば言われるほどやりたくなるんですよ。シュレック選手と戦うチャンスはこれが最初で最後でしょうし、シュレック選手となら(戦いたい)という思いも段々強くなってきました。

本当にオファーを受けるかどうか迷いに迷いましたが、最終的には人間いつ死んでもおかしくないし、僕も政治に挑戦して世の中の動きを見ていて(G7の中で)日本は若者や子供の自殺率が1位で、大人になることに夢を持てないと言われる時代になってしまったと思うんですね。それを変えるためには我々大人が輝かないといけないし、大人が自分たちの生き様や背中を見せないといけない。その想いが最終的に自分の背中を押したというか、ここで躊躇するのではなく、1歩踏み出そうという思いになりました」

――ラーメン店は現場をスタッフに任せて、小路選手は経営に回っている形なのですか。

「そうですね。今は経営を中心にやっていて、3店舗を運営しています。あとは、色んな倫理法人会の会長を務めたり、経営者の勉強会も行ったり、色々な活動を頑張っております」

――政治活動も以前から小路選手が興味を持っていたものなのですか。

「これも色んな経営者の学びで伊勢神宮や鹿児島の知覧に行ったりする中で、日本には僕らよりもっともっと下の世代の若者たちが命を懸けて我が国を守ってきた歴史があるじゃないですか。それを知ることで、自分もただラーメンだけを作っている場合ではないんじゃないかと。この世の中で英霊に対して申し訳ないという気持ちになり、政治に挑戦し(富山)県議選や衆院選に出ました」

――そして昨年末にはプロレスの試合にも出場されました。どういったきっかけで試合することになったのですか。

「プロレスに関しては、ガンバレプロレスに出ている大家健選手が同じ富山県が地元で、彼の戦っている姿が輝いて見えたんですよね。あとは後輩の宇野(薫)くんは年齢が一つしか変わらないのに今でも修斗でプロとして試合をやっていて、サッカーで言えば三浦カズ(知良)、格闘技で言えば宇野薫だな、と。髙田延彦さんも柔術の大会に出られていて、俺もこのままラーメン屋だけをやっている場合じゃない、自分も負けていられないなと思いました」

――小路選手のお話を聞いていると、自分がやりたいと思ったことはすべてやるというスタンスのようですね。

「自分の中でイメージできることは実現できるものですし、今何かを目指している人たちも強く念じれば絶対に夢は叶うと思うので、ぜひチャレンジして欲しいですね」

――そのなかでも格闘技という部分では少年柔道の指導であったり、子供たちに格闘技を教えたりすることを大切にしているのですか。

「そうですね。子供たちに『こんなおっさんになってもやれるんだよ』や『まだまだ夢を諦めるなよ』という姿を見せたいし、こんなおっさんでも夢を諦めずに未来を夢見て、明るい日本を作る礎になろうという想いです。特に相手のシュレック選手は自分より30キロも重い選手ですから、しっかりと覚悟を持って戦います」

――マスターズ柔道の試合に出場したのも、自分がチャレンジする姿を子供に見せたかったからですか。

「子供たちを指導していると『先生は本当に強いの?戦えるの?』と言われることがあるんですよ。それで『じゃあ柔道の試合に出たるわ!』と思って、本格的にトレーニングを始めた部分もありますね」

こんな試合形式は骨法との他流試合以来です

――本当に色々なタイミングと出来事が重なって今回のROMAN参戦につながったようですね。

「はい。色々な格闘家やプロレスラーの方々が引退したあとに復活されていて、僕は絶対に(復帰は)ないと思っていたんですよ。それがまさかまさか自分が復帰することになるとは夢にも思っていなかったです」

――そんな小路選手が復帰を決意する決め手になったのがシュレック選手という相手だった、と。

「もし相手がどこの誰か分からないような選手や無名の強豪外国人選手だったら、正直試合をやる意味を見出せなかったと思います。でもそこでシュレック選手の名前が出てきて、僕も格闘技を見ていてシュレック選手は好きな選手の1人だし、その選手と戦うことはすごく意味のあることだと思って(復帰を)決めました。自分の人生の作品として、試合として残していきたい、残せる一戦になるんではないかと思っています」

――また今の時代にROMANのような過激なバーリトゥード・ルールで試合をすることも想像していなかったですよね。

「まさかこういうルールの試合が復活して、やっていいのか?という声もあると思いますが、僕も試合当日はMMAグローブをせずに素手でやりますし、こんな試合形式は骨法との他流試合以来ですから、頭突きありというルールで試合するとどうなるのか楽しみですね」

――小路選手としてもルールで認められる攻撃はフル活用して戦いたいと思っていますか。

「はい。許される攻撃は最大限活用して戦うつもりです。頭突きや金的を狙われてもいいように、例えば金的をもらわないことも技術の1つですし、そういう細かなディフェンスも見せたいです」

――小路選手は今のMMAの試合もチェックされているのですか。

「ちょこちょことですが、見させてもらっています。ただ、今は格闘技と言えば、一般層に何が主流になっているのか。そこは自分としては思うところがありますね」

――子供を指導している小路選手は試合以外の乱闘や暴力性がクローズアップされるイベントが注目されていることは率直にどう感じていますか。

「う~ん……それは辛いですよね。RIZINは知らないけどそういうものは知っているという子供たちがいますし、それが格闘技の主流と思われるのは……。あれは1分間のルールというか、別物ですよね。我々と同時代に戦ったエンセン(井上)が出ていて、それを面白いなと思って娯楽として見させてもらっています」

――色んな格闘技コンテンツの形があるなかで、小路選手が見せたいものは今回のROMANのような戦いですか。

「そうですね。技術を競い合う、熟練したもの同士による最高の戦いとしてバーリトゥードというものがあると。バーリトゥードは本当にトレーニングや稽古をしていない方がやると危ないですから。ROMANでバーリトゥードの試合をすることで、今の格闘技に警笛を鳴らしたいという想いもあります。僕自身もシュレック選手とバーリトゥードで戦ったらどうなるんだろう?と思うし、本当に予測がつかないですね」

――確かに予測不能ですね…。でも本来、バーリトゥードやMMAは何が起こるか分からない戦いが原点でもありますよね。

「そう思いますね。だからこそ僕も試合が楽しみです」

――試合に向かう気持ちとしてはPRIDE時代に怪物のような海外の猛者たちに立ち向かっていた時と同じですか。

「まさにあの時のような気持ちです。シュレック選手は令和の怪物ですから。イゴール・ボブチャンチンやマーク・コールマンに挑んだ時の気持ちが蘇ってきていますね」

――その言葉を聞いてさらに試合が楽しみになりました。今日はありがとうございました。

■視聴方法(予定)
3月15日(日)
午後2時45分~U-NEXT

■ROMAN04対戦カード

<R.O.M.A. RULES無差別級/時間無制限>
関根秀樹(日本)
小路晃(日本)

<R.O.M.A. RULESウェルター級/時間無制限>
石川英司(日本)
ヨースキストー(ブラジル)

<ROMAN COMBATフェザー級/15分1R>
エリック・メネギン(ブラジル)
竹本啓哉(日本)

<ROMAN COMBATフェザー級/15分1R>
橋本圭右(日本)
渡部修斗(日本)

<ROMAN柔術ウェルター級/7分1R>
渡慶次幸平(日本)
岡本裕士(日本)

<ROMAN柔術無座別級/7分1R>
パウロ・フェレイラ(ブラジル)
白木大輔(日本)

<ROMAN柔術フェザー級/7分1R>
須藤拓真(日本)
鍵山士門(日本)

<ROMAN COMBAT83キロ契約/15分1R>
藤田大(日本)
パウロ・スリアン(ブラジル)

<ROMAN COMBAT無差別級/10分1R>
マルロン・ゴドイ(ブラジル)
石川健太郎(日本)

<ROMAN COMBAT無差別級/10分1R>
関澤寿和(日本)
西村刀(日本)

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