【RIZIN LANDMARK14】GP査定試合で貴賢神と対戦、酒井リョウ「自分の背中を強く押してくれる人が必要」
【写真】パンチに鋭いキレが戻ってきたことは間違いない酒井。GP出場なるか(C)SHOJIRO KAMEIKE
6日(土)、宮城県仙台市のゼビオアリーナ仙台で開催されるRIZIN LANDMARK14で、酒井リョウが貴賢神と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
2024年3月、当時DEEPメガトン級暫定王者であった酒井は、正規王者ロッキー・マルチネスとの統一戦に敗れて引退を示唆した。同年、長谷川賢を負傷判定で下すも、その後は2連敗——しかし今年3月、前Grachanヘビー級の荒東”怪獣キラー”英貴にKO勝ちを収める。そんな復活劇の裏には、酒井を支え続ける人物の存在があった。
そして迎える今回の貴賢神との一戦は、8月から開幕する「RIZIN JAPAN GPヘビー級トーナメント」出場を掛けた査定試合だ。かつて練習仲間だったという貴賢神を相手に、完全決着を狙う。
大成は僕に勝ったあと、奥さんに挨拶したら『あなたが勝って良かった』と言われたらしくて
――RIZIN JAPAN GPヘビー級トーナメントの査定試合として、貴賢神選手と対戦することとなりました。以前に言っていた「引退しようかな」という流れは完全になくなったのですか。
「アハハハ! ロッキーに負けた時ですよね。まずあの時になぜ引退しようかと思ったのかは、それは『もう戦う相手がいないな』と考えたからなんですよ。それが一番の理由ですね。そこにハセケンさんとの試合があり、エドポロキング、怪獣キラーと――戦う相手がいたから試合できた、ということで」
――長谷川戦の前に言っていたのは「RIZINヘビー級で試合をしたいとも考えた。でもロッキー戦で負けて、もうRIZINに出るチャンスはなくなっただろう」ということでした。そんななか長谷川戦のあとRIZINからオファーが来た時は……。
「あぁ、あれは僕のほうからアクションを起こしたんですよ。2024年の大晦日に貴賢神がエドポロに負けて――あの頃は貴賢神も練習仲間で」
――そうだったのですか。
「そうなんです。ハセケン戦の前ぐらいまで、アライアンスとかで結構練習していました。その貴賢神が負けたのは悔しかったし、SNSでエドポロに噛みついたら試合が決定したという経緯がありました」
――エドポロ戦、続く大成戦もKO負けを喫しています。ダメージもありますし、酒井選手がMMAを続けていくのも難しいのでは……と思ったのは事実です。
「確かに……エドポロ戦の負けと、大成戦の負けは自分の中でも全然違っていて。エドポロ戦は、やりきった感じがあったんですよ。だから気持ちもスッキリしていました。その気持ちのまま大成戦が決まると、なかなかモチベーションが上がらなかったです。1Rは緊張して体も堅いまま、相手に取られた。だから2Rと3Rを取って逆転するぞ――と思っていたら、3RにKOされちゃいましたね」
――……。
「あの試合は、相手のほうが殺しに来ていました。殺気も相手が上で、そんな状態で自分が負けてしまったから、あの日は珍しく布団の中で泣いてしまいましたよ(苦笑)」
――大成選手からすれば、勝てばベルトを巻くことができる。酒井選手を倒すことで、その価値は高まる。確かに大成選手のモチベーションは高かったでしょう。
「それで逆に自分の中で火がついちゃって。本来、2026年はDEEPのベルトを獲ることが目標だったんです。以前に持っていたのは暫定王座だったから、次は正規のベルトが欲しい。そう思っていたところに、今回のRIZINのお話が来て……せっかくのチャンスなので、受けさせてもらいました」
――大成戦と比べて復帰戦となった荒東戦は、酒井選手の動きが全く違いましたように思います。特に右カーフからパンチの交錯の中で右を合わせる動きにキレがありました。
「ありがとうございます。ハンドスピードは良かったですね。スタンドだけじゃなくパウンドもそうだし、最後の鉄槌とかも。
自分は意外とドン底に強いんですよね(笑)。怪獣キラー戦も負けたら戦績で負け越しになるし。最近嬉しいのは、いろんな先輩選手から褒められたりするのが嬉しくて。大成戦と怪獣キラー戦で何が違うか、自分ではよく分かっていないけど、精神的に追い詰められていた部分はありますよね。それが一番大きいかもしれないです」
――その荒東戦は「負けたら即引退スペシャル」だったと、SNSで明かしています。
「アハハハ。実は――ウチの奥さんが、水野戦(※2023年9月、水野竜也にTKO勝ち)以来、久々に応援してくれたんですよね。だから『今回は勝てるな』という感じがありました(笑)。大成は僕に勝ったあと、奥さんに挨拶したら『あなたが勝って良かった』と言われたらしくて」
次はヘビー級らしく、パンチで派手なKO勝ちします
――えっ……。
「僕は気持ちが入っていない、いつもと違うことが見ていて分かったんでしょうね」
――その状態で勝てば調子に乗ってしまうかもしれないと考えて出た発言であれば、素晴らしい奥様だと思います。酒井選手のことを誰よりも理解しているし、気遣っているわけで。
「いやぁ、ハハハハハ」
――照れながらも嬉しそうですね。今回はヘビー級トーナメントの査定試合となります。その点はモチベーションになりますか。
「それが……正直言っていいですか。全然ならないんですよね」
――えぇっ!?
「これまでも結構試合をしてきたから、もう年2試合ぐらいで良いと思っていたんですよ。たとえば上の選手で年1回ぐらいしか試合をしていない人もいるじゃないですか。以前は『何だよソレ』とか思っていて。でも自分がそういう年齢に達してきたら、気持ちが分かるようになりました(笑)」
――……ヘビー級トーナメント自体というより、スケジュールが厳しいということですか。
「試合はメチャクチャ、モチベーションは上がっていますね。ただ、6月に査定試合があって8月にトーナメント1回戦、11月に決勝があって、大晦日にタイトル戦となったら厳しいです(苦笑)。ヘビー級だから、よりダメージも溜まると思いますから。まだ1日2試合とかじゃないので良いですけど」
――なるほど。
「だから今は、次の試合のことしか考えていないです。最近は『酒井が勝つところを見たい』と言ってくれる人もいるし、そういう声に対して応えたいですよね。今まで対戦したことのないスダリオ剛とも戦ってみたいし、『もう一度エドポロと』と言ってくれる人もいますし」
――酒井選手としては一緒に練習している当時、貴賢神選手と対戦することはイメージしていなかったのでしょうか。
「う~ん、対戦することになっても特に気にしないという感じですよね。ずっと大成とも練習していましたし。たまに練習する上田幹雄に訊くと、空手は仲が良い相手でも練習相手でも戦わなきゃいけないと言っていて」
――世界大会の前に全日本合宿で、ライバルたちと一緒に練習しますからね。それは柔道でもレスリングでも、アマチュア競技のトーナメントであれば当然で。
「そうそう。だから上田からは『トーナメント決勝で戦いましょうね』と言われました」
――貴賢神選手は練習している頃と今では印象も変わってきていますか。
「スダリオと貴賢神がMMAを始めた頃、二人ともスパーリングしたことがあって。その時は貴賢神のほうがセンスはあるんじゃないかと感じました。当時からパンチは巧かったし、しっかりステップ踏んで、相撲ならではの四つが強かったです。ただ、体力がなかったんですよね。あとは気持ちの問題だったかな。やっぱりファイターは自分の背中を強く押してくれる人が必要ですから。
そういう意味では、自分にとっては奥さんがそういう存在かもしれないです。さらに子供が生まれてからのほうが強いですね。ベルトも獲ることができたし――父親として子供にカッコ良いところを見せたいですし。
何よりRIZINで勝ったことがないので、勝ちたいですよね。次はヘビー級らしく、パンチで派手なKO勝ちします」
■視聴方法(予定)
6月6日(土)
午後1時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK14対戦カード
<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 扇久保博正(日本)
[挑戦者] 神龍誠(日本)
<59キロ契約/5分3R>
元谷友貴(日本)
トニー・ララミー(カナダ)
<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
貴賢神(日本)
<ライト級/5分3R>
ブラックパンサー・ベイノア(米国)
芳賀ビラル海(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
ISAO(日本)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
加藤瑠偉(日本)
<フェザー級/5分3R>
直樹(日本)
黒井海成(日本)
<バンタム級/5分3R>
赤田功輝(日本)
井上聖矢(日本)
<フライ級/5分2R>
颯斗(日本)
湯浅帝蓮(日本)
<キック 67.5キロ契約/3分3R>
齋藤紘也(日本)
TAaaaCHAN(日本)
<キック 56.5キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
内田晶(日本)
<キック 62キロ契約/3分3R>
岩城悠介(日本)
中泉翔(日本)



















