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【RIZIN LANDMARK15】鹿志村の挑戦を受ける王者、ダニー・サバテロ「切り抜きの試合なんて見たくない」

【写真】リモート取材でもベルトは欠かさない。唯一無二の誠実なトラッシュトーカー(C)MMAPLANET

18日(土)、広島市中区の広島グリーンアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK15で、RIZINバンタム級王王者ダニー・サバテロが鹿志村仁之介の挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

サバテロは昨年、RIZINに参戦しバンタム級王座を獲得。ここまでRIZINでは全勝を収めながら、フィニッシュの少なさに批判が寄せられることも少なくない。そんな批判や意見に対し、サバテロが全て明確に答えてくれた。試合だけでなくトラッシュトークでも他を寄せ付けない王者が挑戦者、鹿志村との技術合戦がより楽しみになるMMA論を展開してくれた。


批判を俺は全面的に受け入れるよ。俺は今以上になることを期待されているんだ

――10日後に鹿志村選手の挑戦を受け、RIZINバンタム級2度目の王座防衛戦に臨みます。今の気持ちを教えてください。

「最高の気分だ。日本に戻って、この美しいRIZINのベルトの防衛戦を戦うほどエキサイティングなことはない。挑戦者は柔術の専門家で、今回の試合はクラシックなレスラー×柔術家という風に捉えられている。まだ皆、分かっていないようだ。俺は全局面で戦うことができるMMAファイターだ。この試合は最高のMMAファイターと最悪のMMAファイターのマッチアップに過ぎない。それでも日本で戦えるから、最高なんだ」

――ところで4月に後藤丈治選手に勝利した試合についてですが、フィニッシュしようとしなかったかと相当の叱責を榊原CEOから受けました。ハードコアMMAファンでもある私は、あそこまで言われる必要はないのかと感じました。手を抜いたわけでなく、100パーセント必死に戦った結果だったので。

「RIZINのベルトを守るには、どれだけハイレベルな試合になるか、多くの人が分かっていると思う。そして、俺は15分間、えげつなくゴトーを支配した。そのハードさや、それができる能力の高さを皆は分かっている。でも、そんなファンもフィニッシュを欲している。それ以上に最高の結末はないからだ。

だからボス・サカキバラが言っていることは正しい。俺のビジョンも、次のレベルが見えている。MMAを見る目が高いファンに甘えてはいけない。だから、あの要求があった。このスポーツで長年関わっている人物に、そういう風に期待されることは光栄でもある。だから、あの批判を俺は全面的に受け入れるよ。ほとんどのファイターは、あそこまで期待されていない。俺は今以上になることを期待されているんだ。

実際、ジョージ・ゴトーは非常に優れたファイターで、彼をフィニッシュするのは簡単ではなかった。試合中、その機会があれば仕留めようとは思っていたんだ。でも、ゴトーはしっかりとした技術の持ち主だった。最高レベルの試合で、フィニッシュができれば素晴らしいことだ。ただし、俺はいつも通りに相手をドミネイトした。そして、ゴトーは自分の身を守るという意味では、ミスをしなかった。だからこそ、これからはもっとフィニッシュを狙う。それこそが、ファンが求めていることだから」

――これはダニー個人のことでなく、MMA全般についてなのですが……。ルールに優位なポジションになる選手がフィニッシュを狙わなければ、ペナルティで減点されると明記されていれば、それで良いと思います。ただエクスペクテーションはルールではないです。期待にそうために、フィニッシュにいかないと非難されるのはスポーツとして酷だと。

「その通りだ。リアリティTVショーのような感覚で、見ている側はひたすらKOを求めている。でもRIZINのようなハイレベルのMMAイベントになると、フィニッシュ決着にならなくてもハイレベルの攻防でエキサイティングなファイトにはなる。まぁ、もしルールでフィニッシュが絶対だと規定されるなら、ラウンド数を増やすべきだ。そうすれば、フィニッシュは増える。そのために必要な攻撃を仕掛け続ければ良い。

ただし実際はそうじゃない。だから、ファイターは現状のラウンド数でフィニッシュするためにウェルランディット・ファイターになった。同時に相手を完全に支配し、何もできない状況に追い込むことができる俺の戦いに誇りを持っている。俺だってファンの期待に応えるためにエンターテイメントなファイトがしたい。どの局面でもフィニッシュできるファイターになるために努力し続けている。

だからこそ、皆も分かっているはずだ。俺はこれまでの試合で、対戦相手を寄せ付けなかった。奴らより、ずっと優れていると証明してきたことを。ジョージ・ゴトーは、俺をぶち倒す可能性を持っているファイターだ。でも、それを不可能にするために俺はドミネイトし続けた。だから、君が納得できないことへのクリアな返答としては、俺は常にレベルアップするようトライし続けている。そして、絶対にフィニッシュを狙うということだよ」

どこか特定の局面だけを見たいわけじゃない。試合の全てが見たい。一つ一つにファイターの人生、物語が見られるんだ

――押忍。レスラー時代、絶対にピンフォールで勝つという気持ちで戦っていましたか。

「ノー。そんなこと無理だ。いつもピンなんて狙っていたら、過剰な動きが必要になる。つまり必要ない動きをして、リスクが高くなるだけだ。そんな風に負けに繋がることは考える必要もない。冷静かつスマートに、正確に戦うこと。そして、様々な駆け引きのなかで罠を仕掛ける。ミスをした方が負けるんだ。レスラーは勝つためにマットに上がる。ピンするためなんて、絶対に思わない。ハイレベルなコンペティションで勝つには、スマートであることが一番重要になってくる。

そしてスマートに戦わないといけないというのは、フィニッシュが求められるMMAにも通じている」

――例えばグリーンボーイがフィニッシュばかりを要求され、そのプロセスを無視するようなことがあればMMAファイターとして、どこかで壁に当たるかと思います。そのようなMMAが蔓延すると、MMAはスラッピーになってしまいそうで。

「100パーセント、その通りだ。プロセスを無視すれば、MMAは雑になる。最終局面しか理解していなくて、フィニッシュだけを仕掛けるようになると――それは、まぁ見ている方は楽しめるけど、誰もができる程度のMMAになってしまう。技術力の差が素人とアマチュア・ファイター、プロフェショナル・ファイターの違いになる。

YouTubeでフィニッシュばかり見て大興奮していると、なぜそれが可能なのかは分からなくなりがちだ。いつもベストファイターのフィニッシュばかり見ているから、いかにスマートに戦い、最高の防御力を持っているかを知らないんだ。でもRIZINのようなレベルの高いMMAは、いつもフィニッシュできるわけではない。雑で、レベルが下がればそうなるだろうけどね」

――極端なことを言えば、何も知らない方が短絡的にフィニッシュを狙えるけど、MMAを深く知り、多くの選択肢を持つと逆に慎重になるかと。

「そうだね。あくまでもフィニッシュだけを狙っている場合、きっとそのファイターはフィニッシュされる可能性も高くなる。やはりフィニッシュに近づくにも、リスク管理は欠かせない。

短い時間で、フィニッシュ決着になればファンは沸く。でも、フィニッシュが連続で起きるなんて、質が高いショーでは滅多に起きない。それに短期決着が続くと、ファンだって攻防が見たくなるだろう。俺は少なくともそうだ。ハイレベルな試合が見たい。立ち技でも、寝技でも頭を使ったスマートな戦いが見たくなる。MMAの全ての局面で、質の高い攻防が見たい。それは俺が最上のMMAファイターだからだ。

どこか特定の局面だけを見たいわけじゃない。切り抜きの試合なんて見たくない。試合の全てが見たい。一つ一つにファイターの人生、物語が見られるんだ。

俺のファイティング・スタイルから、俺という人間が分かるはずだ。正確な技術を武器に、常に前に出て戦い続ける。その姿勢とマイ・トラッシュトークで、俺の人間性がファンに伝わる。ファンはそんな俺の言動から、少しずつMMAへの理解度が深まっていると思う」

――今、RIZINの会見配信などに寄せられるファンの声は、ダニーに否定的な声は少なくなっているかと思います。全員が戦い方を肯定しているわけではなくても。

「ATTの若いファイターは、そういうファンの声に耳を傾けなかったり、気にしなかったりする。でも、俺はファンの声をチェックしている。日本のファンのコメントは、米国とは違う。米国のファンは批判や悪口しか書き込まない。でも日本のファンは普段から技術について、コメントしている。ファンがそれだけ知識があることは、凄く嬉しい。日本のファンだって打撃が好きだ。でも、寝技についても理解がある。そして、MMAが分かっている。

誰だってボクシングの存在を知っているだろう。キックボクシングを知っているはずだ。打撃だけが見たいなら、そっちを見れば良い。レスリングや寝技だけが見たいなら、レスリングと柔術だけを見ていれば良い。

でも日本のRIZINファンは、これがトータルファイトだと分かっている。だからファンは俺の試合が気に入っている。ハイテクニックかつエンターテイニングなファイトを全ての局面で見せることができるからだ」

――今回の挑戦者である鹿志村選手ですが、ダニーが勝負を急ぐと隙を与えることになり、その隙をつくことができるファイターかと思います。

「まず俺がやるべきことは、広島で俺の手が挙げられることだ。カシムラとの試合に向けて、過去一番と言えるほどハードな練習をしてきた。だから絶対に勝つ。そしてフィニッシュして、勝つ。アイツは優れた柔術家だ。ヤツが狙うことは、その一手だ。俺はアイツの動きを封じ、あの生意気な口を塞いでやる。

アイツの柔術は俺には通じない。そして広島のファンの皆、サカキバラにフィニッシュシーンを披露することが楽しみでならない。ただし、一番重要なことは勝つこと。このベルトを誰にも渡さないことだ。

俺は、ミスはしない。何か一つ自分を誇れるなら、それは皆が言うようなスタミナじゃない。頭の良さだ。俺は大きなミスは絶対にしない。そして、理詰めで追い込む。俺が自分のペースで戦えば、フィニッシュを焦る必要はない。フィニッシュは、向うからやってくるからだ」

カシムラの一本勝ちに負けない最高のフィニッシュを見せる。アイツの意志、骨、顔面を破壊して俺が勝つ

――鹿志村選手のグラップリングは、日本ではベストの1人だと断言できます。それはMMAにおいても。そんな特化型のMMAファイターとの試合に向けて、何か特別なトレーニングはやってきましたか。

「もちろんだ。足関節対策も含め、ずっと圧力をかけ続けることを心がけて調整してきた。柔術ガイの動きを封じ込める。アイツは素晴らしいサブミッション、絞めを持っている。ただし、MMAとグラップリングは違う。打撃があると、グラップラーは疲れやすく、大雑把な仕掛けになる。

いつも引き込んで、柔術を仕掛ける。喜んで対応してやるよ。それにATTにはRIZINのベストグラップラーであるクレベル・コイケが来ている。クレベルも含め、多くの優れた柔術家がATTには所属している。俺はカシムラの柔術を恐れないし、立ち切って逆にチョークを極めることだって可能だ。

まぁ、MMAにおいてはクソみたいな柔術を仕掛けてきたとき、アイツの頭は俺のヒザで打ち抜かれることになる。カシムラは多くの仕掛けを持っているし、サブミッション・アタックが一発狙いでなく、継続性を持っている。ただし、レスラーを相手にそのスペースを創ることはできない。関節にしても、スイープにしても。ヤツの仕掛けはパンチで断ち切る。

カシムラの狙いは初回だろう。サブミッション・ファイターのフィニッシュは、圧倒的に初回が多い。そうでないと極まらない。インターバルを経ると、汗とワセリンが混ざり、肌がドライでなくなる。そうなる前に、極めようとするはずだ。でも、その動きに俺は打撃で対応する。ヤツの一本勝ちに負けない最高のフィニッシュを見せる」

――ファイトは何が起こるか分からないですが、ダニーがトップを取った後のポスチャーに注目したいです。

「イエス。ポスチャーアップとストレートスパインで対処するから、アイツはギロチンもアームバーも、レッグロックも仕掛けることはできない。頭も下げないし、手もマットにつけない。頭をコントロールしたいからアンダーフックと、リストコントロールしてくるだろう。でも、背骨を真っすぐ伸ばして、重心を低く安定させると、サブミッションは極まらない。アイツが何を仕掛けてきても、対応できる。そして仕掛けて来た時が、俺のチャンスになる。

俺のポスチャリングがあれば抱きつくことも、タイトな組み手も許さない。ハンド・トゥ・ハンド・バトルを仕掛けてくるなら、背中を真っすぐ伸ばしてエルボーを振り下ろしてやる」

――加えてスプロール。ポスチャーとスプロールを見るだけで、ハイIQバトルが堪能できるかと。でも、そこからハイライトリール・フィニッシュをダニーは狙っているわけですね。

「カシムラの柔術の強さは、ファンもRIZINも誰もが認めている。そしてRIZINバンタム級ではベスト柔術家だろう。でも、俺はグラップリング、レスリング、キャッチレスリングでベストだ。俺たちの衝突は、凄く興味深いモノになるだろう。奴は矢継ぎ早にサブミッションを仕掛けてくる。でも、俺はプレッシャーを掛け続ける。アイツの意志、骨、顔面を破壊して俺が勝つ。

加えて俺のスタンドは、アイツの数倍上をいっている。ファンは寝技になればベストとベストのせめぎ合いを楽しんでほしい。スタンドでは、俺のベストフィニッシュを楽しめるはずだ」

――ではいつものように、最後はファンに一言お願いできますか。

「ずっと言ってきたように、日本のファンは世界最高のファンだ。それは皆に伝えてきた。アメリカ人ファンにも言ってきた。俺を応援してくれる皆の愛情に感謝している。俺を嫌っているファンは、消え失せろ。俺もお前らなんか愛さない。それがサバテロ・マフィアだ。広島で、カシムラをフィニッシュして、その刻印を押してやる。皆の前で、最高の試合をすることが待ちきれない」

■視聴方法(予定)
7月18日(土)
午後12時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN LANDMARK15 対戦カード

<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] ダニー・サバテロ(米国)
[挑戦者] 鹿志村仁之介(日本)

<フェザー級/5分3R>
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)
萩原京平(日本)

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
イリスベク・ティレノフ(キルギス)

<フライ級/5分3R>
ヒロヤ(日本)
山本アーセン(日本)

<ライト級/5分3R>
ジョニー・ケース(米国)
天弥(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
パク・シウ(日本)
須田萌里(韓国)

<64キロ契約/5分3R>
昇侍(日本)
梅野源治(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
宮川日向(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐々木信治(日本)
林RICE陽太(日本)

<フライ級/5分3R>
火の鳥(日本)
イ・ジェフン(韓国)

<キック 54.5キロ契約/3分3R>
芝宏二郎(日本)
遥心(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
HIME(日本)
平田彩音(日本)

<バンタム級/5分2R>
神田T800周一(日本)
長野将大(日本)

<ライト級/5分2R>
シヴァエフ(日本)
ベンジャミン(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
田中仁(日本)
健太朗(日本)

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