この星の格闘技を追いかける

【ONE FN45】日本大会の敗北から約3カ月――三浦彩佳、復帰戦へ「魅津希ちゃんのパーソナルを受けて」

【写真】三浦、魅津希、そして村田夏南子と雰囲気がよく分かる1枚(笑)(C)AYAKA MIURA

18日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN45で、三浦彩佳がヴィクトリア・ソウザと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年11月にデニス・ザンボアンガの持つONE世界女子アトム級王座に挑戦するチャンスが失われた三浦。改めて今年4月、ONE SAMURAI01で澤田千優との実質的な挑戦者決定戦に臨むも、黒星を喫して悔し涙を流した。そんな三浦の復帰戦が早々に決定するなか、王者ザンボアンガが出産後、育児に専念するためにベルトを返上することが発表されている。何かと展開が読めないONE女子アトム級だが――再起戦を前に、三浦は周辺情報を意に介さず、何かスッキリと晴れた表情で「次の試合に集中している」と語った。


同じ大会でもう一つ女子アトム級の試合があって、ONEとしても挑戦者を査定したいんだろう、というのは感じますね

――次のソウザ戦は当初、ONEストロー級(※56.7キロ以下)と発表されていましたが、三浦選手はSNSに54キロ契約だと投稿されていましたね。

「そうですね、54キロ契約です」

――いずれにせよONEアトム級(※52.1キロ以下)以外で試合をするのは、2023年11月のモン・ボー戦以来となります。ウェイトの違いは練習や調整には何か影響を及ぼしますか。

「いえ、もともと自分がストロー級ですからね。ONEでグラップリングマッチを戦った時も54キロ契約で。堀江(登志幸TIRIBEフィジカルコーチ)さんも『54キロの階級があれば、お前がチャンピオンになっている』と言ってくれるぐらい、私にはちょうど良いウェイトみたいです(笑)」

――アハハハ。では2キロの違いで体重調整や動きに大きな問題はなさそうですね。

「はい。前回の試合からもっと間隔が空くかなと思っていましたけど、キャッチウェイトということなので、体もつくることができるかなと思いました」

――ソウザ戦については、もともと三浦選手サイドから「すぐに試合させてほしい」とリクエストしていたのか。あるいはONEのほうから早々にオファーが届いたのでしょうか。

「今回はONEから、いきなりオファーが来ました。ONE SAMURAI01にはTRIBEから3人(※三浦と若松佑弥、永井奏多)出ていて、私が次の試合オファーは一番早いんだとビックリしましたね。それとチャンピオンが抜けて(新チャンピオンの)相手もいないんだろうな、とは思います。同じ大会でもう一つ女子アトム級の試合(※ジヒン・ラズワン×アナスタシア・ニコラカコス)があって、ONEとしても挑戦者を査定したいんだろう、というのは感じますね」

――「チャンピオンが抜けて」というのは、ONE女子アトム級正規王者のデニス・ザンボアンガが6月末にベルトを返上したことですね。

「ザンボアンガが出産で返上して――私は去年の段階から聞いてはいたんですよ。なかなか自分がタイトルマッチをできずに、歯がゆい状態でいました。でも今回の返上で、また私にもチャンスが巡ってくるんじゃないかと考えています」

『全てに意味があったんだな』と思いながら次の試合に向けて取り組んできました

――そもそも王座決定戦でも良かったと思われる前回の澤田戦ですが、三浦選手は敗れてしまいました。その内容と結果を、今はどのように捉えていますか。

「まず試合当日に全てが整っていなかったです。入場の時にスポンサーさんのキャップを忘れてしまうぐらいバタバタで……。会場に着いてすぐ試合することになって、アップもできず『これはヤバい』と思いながら。セコンドにも『私は絶対テイクダウンに行かない。テイクダウンを狙った時はテンパッていると思って』と伝えていました」

――えっ、開始早々に右フックからダブルレッグに入りましたよね。

「プロデビューしてから、こんなに焦った試合はなかったです(苦笑)。試合内容については、腕十字のタイミングでヒジがロッキングしたんですよ。そういうことがあったにせよ、ここまでやってきたことが1試合でダメになってしまった。それは試合前に整えることができていなかった自分にも責任がある試合だったと思います」

――……。

「今考えると『分かっていたら、こうしていたのに』と考えるところはあります。でも、いろんなことが起こり得るなかで戦わなきゃいけないことも分かっていたわけで。頭の中で悶々としていたものを出し切って、リスタートというか――『全てに意味があったんだな』と思いながら次の試合に向けて取り組んできました。気持ちもリフレッシュして、今に至っていますね」

――なるほど。そう聞いて理解できる部分もあります。開始早々の強引なテイクダウン狙い、そして最後に首投げを潰された時にずっと左腕を澤田選手の首に回していたために殴られ続けたこと……。試合の最初から最後まで『なぜこの形にこだわるのか』という謎が晴れなかったので。

「そうですね、はい。首投げについては、あのまま回せそうな気がしたんですよね。でもかなり焦ってしまっていたし、防がれてしまいました」

――試合後、リングアナウンサーが澤田選手に「次の試合がタイトル挑戦だ」と告げた瞬間は……。

「タイトルマッチをやるのは私だったのになぁ、としか言えなかったです。ただ仮にザンボアンガが試合できる状態でタイトルマッチがあったら――とか振り返るつもりはありません。今は目の前の試合に集中しているので、何も思わないというか、何も思わないようにしているというか。『全てに意味があった』と考えて、試合に集中しています。言いたい人には言わせておけばいいですし」

借りは必ず返します!

――そうした意識の切り替えも重要だと思います。いつまでも過去にこだわっていては、前に進むことはできません。

「逆に吹っ切れましたよね。おかげで練習内容も含めて、いろいろ変わってきているんじゃないかなと思います」

――一番大きく変わったのは、どのような点でしょうか。

「今、UFCファイターの魅津希ちゃんのパーソナルを受けています。週に3回、魅津希ちゃんと村田夏南子ちゃんと組ませてもらっているんですよ」

――おぉっ!!

「今回のソウザ戦が決まった時、夏南子ちゃんに『どう思いますか』って相談したんですよ。夏南子ちゃんは『大丈夫、いけると思います』と言ってくれて。そこから魅津希ちゃんのパーソナルをお願いしました。魅津希ちゃんが分析してくれて、組んでくれたりとか……この1カ月は週3回、パーソナルを受けていましたね。魅津希ちゃんと夏南子ちゃんは同じ階級で、2人と練習する時も私の試合に合わせてくれたり、本当にありがたいです」

――その中で最も自分の実になっている部分を教えてください。

「魅津希ちゃんは本当によく頭を使ってMMAを戦っているんです。その分析を聞きながら『こうやって考えているんだぁ……』というところから始まって。私に合うというか、私ができるであろうことを提案してくれて、自分もそれを反復する。パーソナルをお願いしたけど、それ以上のことをしてもらっていて……とても熱い人ですよね。パーソナルを始めてまだ1カ月ではありますが、凄く大きかったです。この1カ月やってきたことは、間違いなく次の試合で出ると思います」

――次の試合で対戦するソウザの印象は?

「(平田)樹ちゃんと試合して絞め落としている――というぐらいの印象ですね。トータルでMMAができる選手だとは思いますけど、負ける要素は見当たらないかな。それだけ今回、自信を持ってファイトキャンプに取り組んできたので」

――何よりも自分自身がどれだけ変わったか。いかに発揮するか、ですね。

「はい。私は逆境に強いタイプだと思うし、今回はしっかり出し切る。100パーセント出したいですね。まず次の試合に集中していますけど、勝って10月17日の有明アリーナ大会で澤田選手とタイトルマッチできるように――借りは必ず返します! 応援よろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
7月18日(土)
午前10時~ U-NEXT

PR
PR

関連記事

Movie