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【RIZIN LANDMARK15】女子Sアトム級“見えないトーナメント”へ、パク・シウ「もう一度チャンピオンに」

【写真】いつもと変わらず通訳なしでインタビュー。それだけ日本で戦うことへの想いも強い(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土)、広島市中区の広島グリーンアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK15で、パク・シウが須田萌里と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

RIZIN女子スーパーアトム級が大きく動いた。6月15日(日)、伊澤星花が返上した同級王座を巡る「見えないトーナメント」の4試合と日時が次のように発表されている。

■7/18 RIZIN LANDMARK15
パク・シウ(韓国)
須田萌里(日本)

大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)

■8/11 RIZIN54
ケイト・ロータス(日本)
NOEL(日本)

■9/10 超RIZIN05
RENA(日本)
ナターシャ・クジュティナ(ロシア)

これらはトーナメント戦ではなく上記4試合の中から選ばれた2選手が、大晦日のバンテリンドーム 名古屋大会で女子スーパーアトム級王座決定戦に臨むという。

この「見えないトーナメント」に、パク・シウの参戦が決定した。パク・シウにとっては2022年大晦日、女子スーパーアトム級GP決勝(※伊澤に判定負け)以来、3年7カ月振りのRIZIN参戦となる。DEEP JEWELSのベルトを失ってからの再起戦となった彩綺戦ではTKO勝ちを収めた直後、「自分は34歳で、あと1~2年で引退します。それまでどんどん試合をします」と語っていたパク・シウ。その発言の真意と、RIZINのベルトに懸ける想いを語ってくれた。


日本で感動を与えたい。そのために、やっぱりRIZINのチャンピオンになりたい

――2022年の大晦日以来、3年7カ月ぶりのRIZIN出場が決定しました。

「時間が経つのはメッチャ早いですね。そのぶん私も年を取って(苦笑)」

――人が年齢を重ねていくのは仕方ありません。ただ年齢に関して言うと、昨年11月の彩綺戦で勝利したあと「自分は34歳で、あと1~2年で引退します」と発言し、少し驚きました。

「アハハハ、そうですか。自分は韓国で24歳の時にMMAを始めました。最初は選手を続けるのも30歳までだと思っていたんです」

――えっ、そうだったのですか。

「私はそこまで深くは考えていなかったけど、韓国では30~35歳になると仕事のこととか、安定した生活について考えるようになります。でもMMAだけでは、安定した生活を送るのは難しいじゃないですか」

――はい。同じように日本でも、その年齢になると一度、将来のことは考えますよね。

「ただ、最初の頃は韓国でなかなか試合できず、日本の団体に出始めて。そこから1年に3~4試合ぐらい戦うことができたおかげで、私もレベルアップして、29歳ぐらいの時に『私も本当のMMAファイターになったかな。これからがファイターとして本当のスタートだ』と感じたんですよ」

――さすがにそこから1年で引退というわけにはいかなかった、と。韓国の女子アスリートは、30~35歳の間に引退することが多いのですか。

「たぶん他のスポーツでも、私の年齢になると引退するんじゃないかと思いますね」

――ではパク・シウ選手の中で、引退までのキャリアの歩み方については、どのように考えていましたか。引退までに実現したいこと、など……。

「もともとはUFCに出ることが目標でしたけど、年齢のこともあって難しくなりました。12年ぐらい格闘技をやってきて、そのキャリアをどう終えるかと考えた時に――私は韓国人ですが、韓国で試合をしたのは1回か2回ぐらいで。あとはずっと日本で戦ってきたから、日本に対して感謝の気持ちが大きいです。だから日本でもう一度チャンピオンになり、何回か防衛して引退するのが一番良いのかなと考えていました。それが自分にとっても幸せなことだし、日本で感動を与えたい。そのために、やっぱりRIZINのチャンピオンになりたいと思って」

5月に米国へ行って、6週間ぐらい練習していました。もう本当に勢いで

――RIZINのベルトについては、伊澤星花選手がスーパーアトム級のベルトを返上しました。そして今大会から新王者を決めるためのサバイバルマッチが展開されます。

「本当に久しぶりのRIZINだし、ワクワクしています」

――そんななか今年に入り、米国フロリダ州マイアミのMMAマスターズで練習していたのですか。

「はい、5月に行って6週間ぐらい練習していました。何年も前から米国に行って練習したいという気持ちがあったんです。でも費用がメチャクチャ高くて、その気持ちは心の中だけに置いていました(苦笑)」

――確かに渡航費と滞在費だけで何十万円と掛かりますね。

「それが――知り合いの知り合いから『住むところ(ジムの寮)が付いているジムもあるから、いつでも言って』と教えてもらったんです。もちろんそれでもお金はメチャクチャ掛かるけど、行くなら今がそのタイミングなのかなと思いました。その知り合いの知り合いというのが昔、MMAマスターズに所属していた選手で」

――そういった経緯でMMAマスターズに。ちなみにパク・シウ選手は英語を……。

「全然喋れないです(笑)」

――よく単身、米国に行く決意を固めましたね。

「アハハハ。今のタイミングで行かないと、これからも米国には行くことはないんじゃないかと思いました。だからもう本当に、いきなり勢いで6週間も」

――日本には「思い立ったが吉日」という言葉があります。何か思い立ったら、その日に行動したほうが良いという意味です。

「あぁ~、なるほど。まさにその感じでしたね」

――MMAマスターズでは、どのような練習を?

「まず自分がなぜ米国に行きたかったか、MMAは米国が――韓国でいうとテコンドー、日本だと柔道や空手のような。ちょっと日本語でどう言うのかが分からないですけど……」

――MMAの本場は米国である、ということですね。国技か、それに近いもので。

「あぁ、そうですね。MMAもそうですし、レスリングやグラップリングも本当にレベルが高くて。じゃあどこまでレベルが違うのか、と」

――米国のジムだと女子でも、一般会員さんからして強いという話は聞きます。

「そうかもしれないです。アジア人とは骨格もパワーも違いました。あと練習内容も――日本がそうか分からないけど――韓国だとレスリング、グラップリング、ボクシング、キックボクシングを別々に練習して、それをMMAにするような感じがあります。でも米国ではMMAが一つのスポーツになっていると思うんですよね」

――そうなるとカルチャーショックでもありますね。寝泊りは寮で可能だとして、食事の面はいかがでしたか。

「食事も含めて、米国に行ったこと自体が初めてだったので、言葉もそうですけど生活はキツかったです。1週間に1回か2回、涙が出ていました(苦笑)。でもファイター人生は残り少ないし、もっと強くなりたい。自分が納得できる実力が欲しい。そう思って米国で練習していて、6週間と短い期間でしたけど、練習内容だけじゃなく練習前のマインドとかも韓国とは違うものを感じることができましたね。

私が行った時、ジムには女子が3人いました。2人がプロ、1人はプライベート(一般会員)で。プロの1人はガブリエラ・フェルナンジス(※元LFA暫定フライ級王者、2023年からUFCで戦っている)で、彼女は怪我していて練習できなかったけど、他の2人と練習すると今まで感じたことのないスピードとパワーがありました」

――米国で6週間、練習していて最も自分にとってプラスになったことは何でしょうか。

「う~ん……、……ずっと皆が『パク・シウはフィジカルが強い』と言っているじゃないですか。でも自分としては、そんなに強くないと思うんですよ。普通か、普通より少し上ぐらいという感覚で。もしフィジカルが強いのであれば、それは今まで格闘技の練習よりフィジカルやスタミナのトレーニングのほうが多かったからかな、とは思います。

走ったり、重いものでトレーニングしたり――それはMMAのためのトレーニングではなく、別々のものですよね。米国に行くと、そこまで走っていないのにスタミナのある選手が多い。それはやっぱり5分3R動くためのトレーニングを考えている。そのためにハードな練習をしています。私も今まで一人でスタミナのトレーニングをしていたけど、どうすればMMAに繋がるトレーニングができるかと勉強になりました」

対策は特にないです。今までやってきたことと、自分が持っている部分を見せたい

――その米国での練習を終えて、韓国に帰国する時は大変だったそうですね。

「本当に大変でした(笑)。マイアミに行く時も往きまず釜山から仁川国際空港まで、バスで5時間ぐらい掛かります。飛行機は仁川からニューヨーク経由でマイアミに行ったけど、仁川からの飛行機が2時間半ぐらい遅れたんですよ。

でも韓国に帰る時のほうがもっと大変で。もともとはマイアミからサンフランシスコで乗り継ぎ、仁川に帰る予定でした。でも飛行機の時間がグチャグチャになっていて、マイアミ→シカゴ→サンフランシスコ→仁川と乗り換えていくことになって。それも英語が分からないから、翻訳アプリを使いながら説明を受けていました。
ただシカゴからサンフランシスコに行く便も遅れていて、午前2時ぐらいにサンフランシスコに着いたら、仁川往きの飛行きがもう出発していたんですよね(苦笑)。

――えぇっ!?

「深夜で周りに人もいないし、空港内もよく分からない。1時間半ぐらい歩いていて、近くにいた人にアプリを使って英語で質問したら、次の仁川往きはまた夜になると。飛行機が遅延したから、ホテルは航空会社が用意してくれました。でもそのメールが届いても、英語だから難しい。そこからホテルまでタクシーで行ったら、25分ぐらい掛かったんです」

――……。

「ホテルに着いたのが午前6時で、チェックアウトが午前11時。飛行機が出発するのは夜だけど、全く知らない場所だから空港に戻って何時間も待っていました(笑)。それで仁川に着いてからまたバスで釜山まで――結局、釜山に戻るまで3日も掛かりました。アハハハ」

――とにかく無事に帰ってくることができて良かったです(苦笑)。次の試合で対戦する須田選手の印象を教えてください。

「グラップリングが強い選手、特に極めが強い選手ですよね。浜崎選手に勝った時も、『すごく極めが強い選手だな』と思いました」

――その極めが強い須田選手に対して、何か対策はやってきましたか。

「対策は特にないです。今までやってきたことと、自分が持っている部分を見せたいですね。お互いに良い試合ができたら良いな、と思っています」

――以前からパク・シウ選手は「RNCで勝ちたい」と言っていますよね。須田選手が相手でも気持ちは同じですか。

「アハハハ。誰が相手でも――タイミング次第ですよね。実際の試合だと何があるかは、やってみないと分からないことも多いですし」

――今大会には韓国からイ・イェジ選手も出場します。同じ階級のベルトを争っていくファイターとして、意識はしていますか。これまで交流などは?

「イ・イェジ選手だけでなく韓国の女子選手とは練習したことがないんです。私はプサンにいますし、29歳から日本で試合をしているので。これまで誰であっても、特に何か意識したことはなくて――試合が決まった時に初めて『あぁ、この選手が次の相手か』と意識して試合も視るようになります」

――なるほど。最後に、次の試合とRIZINへのベルト獲得への意気込みをお願いします。

「2022年にRIZINで試合をしてから、戻ってくるまで時間が掛かりました。昔より強い部分も増えてきました。それは技術的な部分だけでなく、メンタルもそうです。何より自分が満足できる試合をしたい。今回、須田選手に勝って自分が大晦日のタイトルマッチに進みたいです。チャンピオンになります!」

■視聴方法(予定)
7月18日(土)
午後12時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN LANDMARK15 対戦カード

<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] ダニー・サバテロ(米国)
[挑戦者] 鹿志村仁之介(日本)

<フェザー級/5分3R>
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)
萩原京平(日本)

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
イリスベク・ティレノフ(キルギス)

<フライ級/5分3R>
ヒロヤ(日本)
山本アーセン(日本)

<ライト級/5分3R>
ジョニー・ケース(米国)
天弥(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
パク・シウ(日本)
須田萌里(韓国)

<64キロ契約/5分3R>
昇侍(日本)
梅野源治(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
宮川日向(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐々木信治(日本)
林RICE陽太(日本)

<フライ級/5分3R>
火の鳥(日本)
イ・ジェフン(韓国)

<キック 54.5キロ契約/3分3R>
芝宏二郎(日本)
遥心(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
HIME(日本)
平田彩音(日本)

<バンタム級/5分2R>
神田T800周一(日本)
長野将大(日本)

<ライト級/5分2R>
シヴァエフ(日本)
ベンジャミン(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
田中仁(日本)
健太朗(日本)

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