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【RIZIN LANDMARK15】神田T800周一、長野将大とのグラップラー対決は「ロマンチック×リアリスト」

【写真】広島大会出場に向け、神田は地元ラジオ番組にも出演している(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土)、広島市中区の広島グリーンアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK15に神田T800周一が出場。オープニングファイトで長野将大と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

神田が広島県安芸郡で主宰するジム『KTC MMA』は、広島グリーンアリーナから東に車で約30分という場所にある。そんな地元中の地元で開催されるRIZINに出場——とはいえ、今年3月にLemino修斗で青柳洸志に敗れている神田のオープニングファイト出場は、まさに「地元枠」といえるものだ。当然、神田自身もそのこと認識している。だからこそ、神田にとってはRIZIN広島大会で戦う意味があるのだ。


メチャクチャありがたいし、やる気も出ます。ただ、若干の卒業式感もあるというか

――RIZIN広島大会のオープニングファイト出場が決まった神田選手です。前戦=Lemino修斗の青柳洸志戦前のインタビューでは、「ここ数年は『意味のある試合をしたい』という気持ちが強い」と仰っていました。

「あぁ、そうでしたね」

――「意味のある試合」とは、一つが前戦のように広島でジムを運営している者として、後楽園ホールで試合をすること。もう一つがジム生に地元で試合をしている姿を見せることだ、と。その2点が連続で実現することとなりましたね。

「アハハハ。おかげさまでメチャクチャありがたいし、やる気も出ます。ただ、若干の卒業式感もあるというか」

――卒業式感、とは?

「自分の格闘技キャリアをまとめに行っている、というか(笑)」

――アハハハ、あまりに展開が速すぎて。

「正直そういうことは思わないほうが良いし、『まだまだ、これからっ!』という気持ちはありますよ。でも『こんなに幸せなことがあるのかな』と思うぐらい、まとめの局面の感じているところではあります(苦笑)」

――実は前回のインタビュー時、「RIZIN広島大会があるという噂もあるので、機会があれば……」というニュアンスの話をしていました。その時点では正式発表されておらず、またLemino修斗の試合を控えていることもあり、原稿には書かなかったです。ただ現実的な話として、Lemino修斗で敗れた直後にRIZIN出場の機会があるとは考えていましたか。

「いやぁ、かなり難しいだろうなとは思っていました。自分にとって青柳選手との試合を落としたのは痛かったです。同じようなグラップラータイプで――相手のことを下げるわけじゃないけど、地味なグラップラー対決で負けてしまった。今後のことを考えると、そんな自分の使い道はあまりないだろうと思いましたよね。『地味でも強いヤツがいるよ』という試合を見せたかったのに、そのポジションを取られてしまって」

――……。

「だから地元開催とはいえ、直近で負けた選手を出してもらえるかどうか。それも難しいだろうと思って、気持ち的にも堪えた敗戦でした」

フィジカルが戻っていたら試合展開も違っていただろうなと思って、青柳戦以降は練習の強度を上げてきました

――地味なグラップラー同士といいますか、つまり自身の得意な展開で敗れてしまったということですね。

「そうです。僕の考えからすれば、青柳選手のほうが独特なスタイルというか――レスリングの展開で、首を抱えてコントロールされたじゃないですか。練習でも、ああいう展開になることはないんですよね。頭を抱えられたら、その頭でワキをすくって良いポジションを取れるという展開が多くて。逆にあの形からポジションを奪われるとは思っていなくで、すごくやりづらかったです。ちょっとセオリーっぽくない。でも抱えてからコントロールすることに自信があったのでしょうし、実際に自分もそこから崩されてしまいましたね」

――1Rは得意の神田返しが決まり、トップを奪うことができました。しかし2Rにはテイクダウンを狙った時と同じように、青柳選手がハーフガードから首を抱えて神田返しを防ぐという。

「彼のほうが修正する能力が高く、反対に自分は固執しすぎてしまったということですよね。神田返しは練習で決まっているし、1Rも成功したから2Rも……と。それで結果的に、自分のほうがドツボにハマッてしまったというか」

――自身の得意技を防がれてしまったことのほうが、精神的には堪えるでしょう。Lemino修斗やRIZINがどうではなく、自分は今後ファイターとして勝つことができるのかどうか、と。

「う~ん、どうですかね……。僕は試合をするのが好きだし、青柳戦で負けたことにより商品価値は落ちてしまっただろうけど、それだけで『辞めないといけない』とは考えなかったです」

――では落ちてしまった商品価値を取り戻し、今後も試合をし続けるためには自分が何をするべきだと思いましたか。

「1Rでは何とか自分の形をつくることができたのに、それが2R以降続かなかったのは体力的な要因もあると思ったんですよね。

前十字靭帯損傷からの復帰を急いでしまったために、フィジカルが戻り切っていなかった。ただ自分も年齢的な部分もあって、フィジカルが戻ってくれば全てが戻ってくるかといったら、それは分かりません。でもフィジカル面が不十分であったことは事実で。

技術的には変わっていないです。でもその技術は体力とセットで培ってきたものだから、体力が不十分であれば同じ技術を使っていても競り負けてしまう。もうちょっとフィジカルが戻っていたら試合展開も違っていただろうなと思って、青柳戦以降は練習の強度を上げてきました」

――練習の強度を上げるというのは、具体的には?

「やっぱり強い選手と組んでいくこと。それと階段ダッシュを再開しました。前十字靭帯を損傷したあとは今までどおりの練習ができなくなり、リハビリメニューのようなものが中心になって。そのために低い強度でやっていたトレーニングを、以前の強度に戻したりしていますね。幸い前回の試合は地味な形で負けちゃったので、大きな怪我もなく(苦笑)。悔しくて翌日から練習を再開しました」

勝ち負けよりも自分の全てを出し切りたい。ここで出さなきゃ、いつ出すんだ――

――そして今回、RIZIN出場が決まりました。「直近で負けている選手が出場できるのか」という声もあるかと思います。

「あぁ~、そうですよね。でも自分の中では、この数年間『広島のなかではMMAで上のほうを走ってきた』という気持ちはあります。もちろん今回の試合も地元枠ではありますけど、地元枠には相応しいだろうと思っていました(笑)。負けていて生意気かもしれないけど、『広島でやるなら自分だろう』と」

――結果、神田選手がRIZIN広島大会に出場するのもタイミングの妙といいますか。3月にサバイバートーナメントのリザーブファイトで勝っていたら、6月のLemino修斗TORAOで野瀬翔平選手と準決勝を争っていたかもしれない。すると7月のRIZIN出場はなかったでしょう。

「確かに、野瀬君との再戦があったかもしれないですね。これはLemino修斗のプロモーターさんには申し訳ないですけど、悩んでいました。Lemino修斗に出させてもらえるのは嬉しい。ただ、7月にはRIZIN広島大会があると聞いていて――RIZINさんに声を掛けられたら、出たい。結果的に、自分が負けてしまったんですけど(苦笑)」

――それだけ神田選手の中で、RIZIN広島大会の存在は大きかったということですね。

「本当にそうです。先日ジムの体験に来てくださった中学生の子が『先生、RIZINに出るんですよね』と言ってくれて。RIZINに出るから僕のことを知ってジムに来てくれたのかは分からないですけど、今まで格闘技をやったことのない子が知ってくれている。それでジムの体験に来てくれるのは、本当にありがたいことですね」

――1週間前にはTORAO広島大会もありますし、広島でMMA人気が盛り上がっていくことを願っています。

「はい。実はTORAOの山本(陽一)さんからも、僕がLemino修斗で負けたことを心配して連絡を頂きました。自分は何度もTORAOで試合をさせてもらっていましたし。それで言えば、RIZIN出場で周りが喜んでくれるのは嬉しいけど、悔しさもあるんですよね。僕は今までTORAOやGladiatorで戦ってきた人間で、やっていることも変わらない。なのに、ここまで周囲の反応が変わるのかと思って(苦笑)」

――2024年、RIZIN佐賀大会の出場が決まった時に上田将年選手も同じようなことを言っていました。「相手も悪気があるわけじゃないけど『RIZIN出場おめでとう』と言われたら、10年間パンクラスで戦っていた自分を否定されるようでモヤモヤする」。そのモヤモヤは、自分たちがしっかりとMMAと向き合ってきた証拠なんだ、と。

「あぁ、それは分かります」

――ファイターならば、RIZINに限らずどのプロモーションでも出場することがゴールではない。そこで強い相手に勝つことがゴールの一つであって。神田選手の場合、前回の試合で黒星を喫しています。次は地元の試合だからこそ勝たなければいけない、というプレッシャーは感じていませんか。

「いやぁ、勝ち負けよりも自分の全てを出し切りたい。良い試合をしたい、という気持ちが強いです。ここで出さなきゃ、いつ出すんだ――そう思っています」

今回、弥益がセコンドに来てくれることになりました。しっかり弥益、冨樫健一郎さんと一緒に作戦を練ります

――なるほど。神田選手の言葉を借りれば前回が「地味なグラップラー同士の試合」であったのに対し、次は「地味なグラップラー×動くグラップラーの試合」となりました。

「そうなんですよ(笑)。長野将大選手は所英男さんの弟子で、僕は川尻達也&冨樫健一郎の系統で渋いグラップラーじゃないですか。所さんの動きは派手で、ロマンチック。僕たちはリアリストで、ロマンチック×リアリストっていう流派の戦いです」

――リアリスト・グラップラーの神田選手にとって、ロマンチックタイプは戦いやすいですか。

「今まで極められたのは野瀬君との試合だけで、それ以外は柔術とグラップリングも含めてプロ・アマ通じて取られたことはないんですよね。サブミッション・ディフェンスは得意だし、そういう動きの相手を潰してポジションを奪っていくスタイルでもあって、僕がヌルッとバックを奪っている瞬間に、長野選手の所イムズが噛み合ってくるかもしれないですけど」

――神田選手にとっては、そこで自分らしさを貫くことができるかどうか。

「練習していても今まで信じてきたもの――格闘技のリアルな部分として、キツいところで頑張るというのが僕の持ち味ですから。試合のどの部分を切り取っても、そういうところが出て来ると思います。たとえRIZINグローブを着けていても、それは変わりません」

――神田選手の出場が決まり、川尻達也さんや岩瀬茂俊さん、弥益ドミネーター聡志選手など茨城時代の仲間もSNSで反応しています。

「嬉しいですね。今回、弥益がセコンドに来てくれることになりました。それもまた卒業式感を強めているんですけど」

――いやいや。弥益選手も、格闘技を始めた頃の仲間の最期を見届けようとは思って広島に来るわけではないでしょう(笑)。

「アハハハ! しっかり弥益、冨樫健一郎さんと一緒に作戦を練ります。弥益が一緒にいてくれたら自分も落ち着く部分もありますし。僕はどこであろうと自分のスタイルを貫きますけど、先ほど言ったとおり、出し惜しみするつもりはないです。ラウンドも短いし(※2R制)、いつもより火力マシマシでやりますよ。アタック、アタックで」

■視聴方法(予定)
7月18日(土)
午後12時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN LANDMARK15 対戦カード

<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] ダニー・サバテロ(米国)
[挑戦者] 鹿志村仁之介(日本)

<フェザー級/5分3R>
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)
萩原京平(日本)

<フライ級/5分3R>
ヒロヤ(日本)
山本アーセン(日本)

<フライ級/5分3R>
篠塚辰樹(日本)
イ・ジェフン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
太田忍(日本)
イリスベク・ティレノフ(キルギス)

<ライト級/5分3R>
ジョニー・ケース(米国)
天弥(日本)

<64キロ契約/5分3R>
昇侍(日本)
梅野源治(日本)

<ウェルター級/5分3R>
佐々木信治(日本)
林RICE陽太(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
宮川日向(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
パク・シウ(日本)
須田萌里(韓国)

<キック 54.5キロ契約/3分3R>
芝宏二郎(日本)
遥心(日本)

<女子スーパーアトム級/5分2R>
HIME(日本)
平田彩音(日本)

<バンタム級/5分2R>
神田T800周一(日本)
長野将大(日本)

<ライト級/5分2R>
シヴァエフ(日本)
ベンジャミン(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
田中仁(日本)
健太朗(日本)

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