【Lemino Shooto07】シンバートル戦へ、シモン・スズキ「沖縄大会の控室で『フライ級だけどやる?』と」
【写真】シビれるエピソードの連続だった初インタビュー。さらに相手がシンバートルとなれば、期待せずにはいられない一戦だ (C)MMAPLANET
13日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるLemino Shooto07でシモン・スズキがシンバートル・バットエルデネと戦う。
Text by Manabu Takashima
シモン・スズキは2023年、修斗でプロデビューも1敗1分け。しかし3戦目からは現在に続く6連勝をマークしている。そんななか、モンゴルの強豪シンバートルと激突することとなったシモンに初インタビューを敢行すると、意外すぎる真実やエピソードの連続だった……。シンバートルも初のフライ級戦ということで減量に不安もあったが無事、前日計量をクリアーーいざ、注目の決戦へ!
父親がイラン人で、大沢さんがテヘラン出身にしちゃおうって(笑)
――MMAPLANET初インタビューとなるシモン・スズキ選手です。公式発表で出身はテヘランとなっていますが……つまりはイランで生まれたという理解で良いでしょうか。
「ええと、今から一回、自己紹介させてもらいます。日本生まれの鈴木梓文です。リングネームはシモン・スズキ、出身地は茨城です」
――えっ、テヘラン出身というのは?
「父親がイラン人で、大沢(ケンジ和術慧舟會HEARTS代表)さんがテヘラン出身にしちゃおうって(笑)」
――軽めの経歴詐称ですね(笑)。
「えっ……そんなことになっちゃいますか。スミマセン。知らなかったです」
――アハハハ。実際にイランで生活したことは?
「小さい時に父親と一緒にイランに行って、11歳ぐらいまでいました。日本語は、イランに住んでいた間に全く忘れてしまっていました。日本に残った母はペルシャ語が話せないので、日本から電話があった時は両方が話せる父が通訳をしてくれていました。でもイランは良いところでしたよ。本当に皆が食事を分け与えるような優しい人ばかりで。治安は東京よりは悪いけど、めちゃくちゃ悪いわけじゃないし」
――そんなイランから戻ってきたのは?
「なんか向うでは徴兵制があったみたいで、父親が『軍隊に行くなら、日本に戻って勉強した方が良い』と言ってきて。僕はイランにいたかったのですが、『お前は分かっていないんだ』と説得されて、日本に戻ってきました」
――シモン選手はムスリムなのですか。
「いえ。最初はムスリムでしたけど、父親が色々あった人生のなかで『この世に神はいない』という風に考えるようになって、イスラム教徒ではなくなったんですよ。僕も同じように、無宗教になりました。ただ、人前ではそんな風ではいましたけど」
――では豚肉も食べないような。
「ハイ。豚肉は日本で初めて食べました。あの味を全く知らなかったので、『なんだ、この美味い肉は?』って(笑)。イランにいるときは豚が食べ物という感覚すらなかったのに、豚骨とかマジでやばいです(笑)」
――先ほど日本語を忘れたと言っていましたが、帰国後は言葉で苦労をしませんでしたか。
「日本に戻ってきても母と会話ができなくて。意思疎通ができないから、言い合いになって。その時に自分の気持ちを伝えたいから、日本語を話せるようになりたいと伝えました。だから母と一緒にいたのは最初の3日間ぐらいで。母の友達が両方の言葉を話せたので、3カ月ぐらいそこにお世話になって。母は週一で会いに来てくれたのですが、母が泣いていて……僕はペルシャ語を捨てようと決心しました。で、平仮名と片仮名を覚えてから学校に通うようになり、母の家に戻りました」
――今ではペルシャ語の方は?
「全く話せないです(笑)」
僕の寝技のセンスの良さは、矢野卓見さん譲りです
――ハハハハ。イランから日本という面だけでも、特にお父さんに関してはかなり突っ込みたいのですが………。試合前ですし、格闘技の話題とさせていただきます。ではMMAを始めた理由を教えていただけますか。
「小学校の時に、虐めを食らって。強くなりたいと思って柔道を始め、中学でも続けて。でも高一の時に辞めて、地下格に出会いました。ヒロ三河さんの三河幕府にいました」
――シモン選手はヤンチャだったわけですね。
「まぁ、そうですね(笑)。真面目ではなかったです。学校もろくに行っていないし、バイクや遊びに走って、喧嘩もしていたので。なんか子供の頃から、『なんだ、その眼つき』とか難癖をつけられて、体の大きなヤツとも喧嘩をしていましたね」
――地下格から、格闘技の道場で練習しようと思ったのは?
「地下格時代は職人をやっていて、あんまり練習も真面目にやっていなかったです。試合の1カ月前とか3週間前からガチスパーをするみたいな感じで。それでなんとなく勝って、負けても悔しくない。でも、職人の方で親方になれるなって思った時に、先が見えて面白くなくなっちゃって。人生も楽しくなかった。そんな時に地下格闘技にぶっつけ本番で出て、負けて。クソみたいな判定負けだったので、メチャクチャ言われ、それで本気になりました。で、1カ月ほど金を貯めて、東京に出ました。21歳の時ですね」
――一念発起してHEARTSへ?
「いえ、矢野卓見さんのところです」
――烏合会ですか!!
「ハイっ!! 知っているんですか?」
――知っているのも何も。未だにウチの家では家内が矢野さんに頂いた烏合会のTシャツを着ています。しかし、意外な道場に行っていたのですね。
「セキュリティをやっていた時に、樋口武大さんに紹介してもらって矢野さんのところで練習をするようになりました。3年ぐらいいて、アマパンに出ていました。僕の寝技のセンスの良さは、矢野さん譲りです。足関とか教えてもらって」
――HEARTSに移ったのは?
「クラブでセキュリティをしていた時に、風間(敏臣)君と再会して。中学の時に風間君のところには出稽古で通っていたことがあったんです。僕自身は大沢さんの事も知らなかったんですけど、体験に行ってハマってしまった形です。で大沢さんからアマで2つ取らないとプロにさせないと言われて、もっと火がつきました」
――修斗でプロデビューをしたのは、何か理由があったのでしょうか。
「そこはあまり考えていなかったです。アマパンを取って、FKTは3位で。それで修斗の全日本を取ったら、最初に修斗からオファーがあったので修斗でデビューしました。取り敢えず戦えれば良いので」
――では、特に目標も持たずに?
「目標はUFCでした。ディアス兄弟とコナー・マクレガーが格好良かったので、それは今も変わりません。UFCなら稼げる。日本じゃないと思って。UFCのチャンピオンになったら尊敬されるし、『すげぇ』って思われることが刺さりました。あの時、UFCのチャンピオンになろうという夢を持って。今も持ち続けています。ただルートとかは考えていなくて、倒していったら行けるだろうぐらいの感覚で……勘違いしていました。
だからLemino修斗ができた時に、国際戦も組んでいるし海外に行きやすいぞと思いましたね」
沖縄大会でシンバートルと同じ控室で。目が合うと、どっちも反らさないような感じになって
――そのLemino修斗では昨年10月の沖縄大会、3月の後楽園ホール大会で勝利。今回、シンバートルと初の国際戦を戦います。4月にKNOCK OUTの常葉大会後に郡山駅でシンバートルがフライ級に落とそうです――という話をした時に、シモン選手が「よしっ!!」と拳を握ったことが凄く印象に残っていました。
「去年の10月、沖縄大会でシンバートルと同じ控室で。目が合うと、どっちも反らさないような感じになって。天弥君に『コイツ、なんなんだよ』とピリピリして言っていたんですよね。でも通訳の人から、『何キロ?』って尋ねられて……。シンバートルは僕の階級が気になっていたみたいで。『フライ級だけどやる?』なんて、言葉も交わしました。(笑)。あの時は階級も違うのに、なぜかシンバートルとやりそうだっていうがあったんです」
――直感が的中したと。
「3月に勝った時に、岡田(遼)さんから『次は外国人選手と』と言ってもらって。あの時は、僕としてはホーキ・コンセイソンが相手だと思っていたんです。シンバートルがフライ級に落とすなんて、予想もしていなかったので」
――実際にオファーが来た時は?
「もう『うぉー』ってなって、大沢さんにすぐにやるって伝えました。大沢さんも『シモンは気持ちが強いから、メンタルを創ればやれるよ』と言ってくれました」
――過去最強の相手かと思います。
「ハイ。だから緊張するし、嬉しいです。強い外国人と戦って、世界を知りたい。UFCに行くための土台にするためにも、この試合を受けました。やっぱりRoad to UFCは考えているので」
――そんななか、冨沢大智選手の「修斗、パンクラス、DEEPのチャンピオンと戦いたい」発言からに大沢さんが食いつき、シモン選手も一枚噛んだ形になっていました。
「まあ、あの程度の選手に勝って3団体のチャンピオンとやりたいなんて、調子こいているなって。それはチャンピオン達に失礼です。誰でも良いから、チャンピオンを連れてこいっていうのは。本格的なDEEPの選手にも勝っていないヤツが……って。でも、喧嘩を売っても乗ってこなかったですね」
――チャンピオンでもなく、知名度もない相手には食指を伸ばすことはないかと。
「そうですね。俺は絡み方も分からないですし。もう、全然どうでも良いです。気にもならない。俺は本気でやっているヤツとやっていきたいので。本気だったら、その知名度で修斗の会場にファンを連れてきて、修斗で勝ってみてくださいよって感じです。お前なんか、知名度だけでRIZINにいて。それでチャンピオンと戦いたいなんて、俺からするとアイツの生き方はクソで。でも俺はUFCに行きたいし、何より……シンバートルとの試合が決まっているのに。超強い相手に集中しないといけなかったですからね」
――その通りかと思います。そのシンバートル戦で、今後のMMAファイター人生が変わってくるかと思います。どのような勝ち筋が見えていますか。
「打撃で削って、疲れさす。そして、しっかりとフィニッシュします。これまで積み上げてきたモノを全部ぶつけます。ずっと前に出て、打撃を出す。そのプレッシャーにシンバートルはラウンド数を重ねると、ついてこられなくなります。疲れたシンバートルをKO。もちろん、展開によっては一本勝ちもできるように準備しています。しっかりと勝ちに行きます」
■視聴方法(予定)
7月13日(月)
午後6時~ Lemino07
■Lemino Shooto07計量結果
<フェザー級/5分3R>
宇野薫:65.8キロ
児山佳宏:65.8キロ
<バンタム級/5分3R>
高岡宏気:61.15キロ
マーウィン・キランテ:57.8キロ
<バンタム級/5分3R>
藤田ムネノリ:61.75キロ → 61.65キロ
ジョン・オルニド:60.3キロ
<バンタム級/5分3R>
シモン・スズキ:57.05キロ
シンバートル・バットエルデネ:57.05キロ
<バンタム級/5分2R>
下間英史:61.15キロ
山本敦章:61.10キロ
<フライ級/5分2R>
饒平名知靖:56.2キロ
村泉空:56.6キロ
<フライ級/5分2R>
玉城悠:56.7キロ
三浦颯太:56.35キロ
<フェザー級/5分2R>
松村海青:56.7キロ
井上理久:65.55キロ
<ライト級/5分2R>
モリシマン:70.25キロ
手島響:70.35キロ
<トライアウト・フェザー級/3分2R>
松田拳哉:65.6キロ
佐藤大知:65.55キロ




















