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【ONE SAMURAI01】澤田千優と対戦、三浦彩佳「TRIBEの一員として試合で勝つ。それだけを目標に」

【写真】インタビュー中、涙ぐむ場面もあったが――決意を固めたようにも感じられた(C)SHOJIRO KAMEIKE

4月29日(水・祝)、江東区有明の有明アリーナで開催されるONE SAMURAI01で、三浦彩佳澤田千優と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年11月、三浦はONE日本大会で念願のタイトルマッチを迎えるはずだった。しかし試合の3カ月前にONEはタイトルマッチがなくなったことを発表する。理由は王者のデニス・ザンボアンガが「メディカル上の理由により出場を辞退した」ためだという。

2022年1月にストロー級王者シィォン・ヂィンナンに敗れて以来の王座挑戦——その機会を失った三浦が次に迎えたのは、澤田との日本人対決だ。毎試合「勝って言いたいことを言う」と発言している三浦。今回はいつにも増して、SNSなどでも自身の試合に関する投稿は少ない。そんな三浦に澤田戦、そしてタイトルマッチに関して訊いた。彼女の答えにはONEのベルト、そしてTRIBE TOKYO MMAの仲間たちへの想いが溢れていた。


――試合を約1週間後に控えてのインタビューとなります。今回も試合に勝って言いたいことは、たくさんありますか。

「そうですね。……、……」

――過去の試合と比べると、SNSで「言いたいことがある」ということにも触れていないように思います。

「……、……次はタイトルマッチだと思って練習していました。でもタイトルマッチではなくて」

――昨年11月の日本大会で、ザンボアンガの持つ女子アトム級王座に挑戦予定でしたが、ザンボアンガが「メディカル上の理由」で欠場に。そういった経緯もあったため、三浦選手の次の試合がタイトルマッチになると思っていた人も多いはずです。

「流れとしては、そう思いますよね」

――改めてザンボアンガに挑戦するタイトルマッチが組まれるか。ザンボアンガが試合できない状態にあるなら、暫定王者決定戦になるか。現在、女子アトム級のランキングはありませんが、昨年の段階で三浦選手も澤田選手も上位にいたので、暫定王者決定戦に出場する権利はあったかと思います。

「……」

――ストロー級は王者のシィォン・ヂィンナンがUFCと契約し、ONEは女子ストロー級を閉鎖すると発表しました。この流れは女子アトム級のファイターたちにも心理的な影響を与えるはずです。

「そもそも私はストロー級の選手としてONEと契約し、アトム級の試合は(平田)樹ちゃんとの試合だけだからと言われていたんです。それからずっと話が来るのはアトム級の試合で。だから『帰る場所がなくなった』というわけではないけど……」

――特に三浦選手にとっては切実な問題でしょう。

「ストロー級の閉鎖を知ったのが、ファイトキャンプのド真ん中ぐらいで。……どうなんですかね。ちょっと今回は、いろんなことがあって精神的にキツかったです。……、……、……タイトルマッチじゃないし、いつかヂィンナンと再戦したいと思っていたけど、それも難しいし。この気持ちをどこにぶつけて良いのか分からなくて」

――……。

「私ももう若くないし、ザンボアンガもいつ復帰できるのか分からない。かといって、ここで試合をしないという選択をしたら、二度とチャンスは巡ってこないかもしれない。だから、やるしかない。目の前のもの全てに感謝しながら、やるしかないと思いました」

――とはいえ今回の試合は日本大会で組まれた日本人対決の一つ、ではないと思っています。

「はい。挑戦者決定戦とか銘打たれているわけではないけど、今のONEの女子アトム級でこの2人が試合をする――そういうことなんだと考えています。だからといって、この試合が通過点というわけでもない。あとは自分が試合で証明するものだと思っていて」

――なるほど。ONE女子アトム級の中で、澤田選手とはいつか対戦すると思っていましたか。

「澤田さんがジヒン・ラズワンと対戦した時は、私はストロー級で戦うつもりでした。だからその頃は澤田さんと試合することとは考えていなかったし、当時はそんなにガッツリと試合を見ていたわけではなかったですね」

――では対戦相手となった澤田選手の印象を教えてください。

「私より何倍も運動神経は良いでしょうし、レスリングのキャリアとか修斗でもベルトを巻いているとか実績も私より上で。ただ階級の面も含めて、体格的には小さいというイメージでした」

――ユニファイドのアトム級から上げてきた澤田選手と、ONEストロー級から落としている三浦選手の対戦なので、必然的に体格差は発生するかと思います。その澤田選手を相手に、いつもの形に持っていけるでしょうか。

「う~ん、いろんな形になる場面があるかなと思っています。どうですかね? いろんな場面は想定していますけど、実際に対峙してみないと分からないことも多くて。ただ、どんな状況になっても良いように準備しています」

――身長の高いほうが有利だとは限らないですからね。特に澤田選手のように出入りの動きが多く、打撃からテイクダウンに繋げるタイプと対戦した場合は……。開始早々に極めることも多い三浦選手ですが、次の試合は削り合いになることも覚悟しなくてはいけないかと思います。

「まぁ……うん、女子のほうが気持ちも強かったりしますからね」

――今回は気持ちの勝負になるでしょうか。澤田選手も気持ちの強い選手だと思いますが、三浦選手も負けてはいないかと。

「どうでしょう? 私はすぐに泣いちゃいますから(苦笑)」

――懸ける気持ちが強いからこそ、すぐ泣いてしまうのではないですか。

「アハハハ。それだったら良いですけど」

――澤田戦に向けて、しっかりと対策は固まっていますか。

「はい。私って『対策も何もないだろう』とか言われますけど、しっかりやってきていますから。何より、まずは試合でしっかり勝つことが大事だと思うので」

――最後に……言いたいことも多々あるはずです。そんななかで今回、三浦選手のモチベーションを引き上げてくれたものは何だったのでしょうか。

「……、……、……TRIBEのメンバーが私を励ましてくれたんです。若松佑弥君はなかなか試合が組まれなくて、辛い時期があったじゃないですか。その経験も含めて佑弥君がずっと私を励ましてくれました。

後藤丈治、石井逸人、狩野優……彼らも試合があったのに、ずっと励ましてくれて。丈治君はRIZINのタイトルマッチを控えている一番大事な時期で。そんな彼が人生を懸けて試合に挑む姿を見ていたら、私も全てに感謝しながら次の試合で勝って、また次に繋げようと思ったんです。TRIBEの一員として、試合で勝つ。それだけを目標にしています。

もうそんなに長く現役を続けられるとは思っていません。だから世界と冠しているベルトを巻いて、形にしたいです。ここまで来て――パッと離れて、どこかにパッと行くようなことができれば、良いのかもしれないけど」

――しかし三浦選手はそうせず、あくまでONEのベルトを目指してきました。

「私、TRIBE所属のファイターの中で最年長で。最年長と表明してから、もう2~3年経ちますけどね(苦笑)。とにかく今はONEのベルトが欲しい。自分がやってきたことを形にしたいです」

■放送予定
4月29 日(水・祝)
午後1時15分~U-NEXT

■ONE SAMURAI01対戦カード

<ONEキック暫定世界フライ級王座決定戦/3分5R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
武尊(日本)

<ONE世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] 若松佑弥(日本)
[挑戦者]アバスベク・ホルミルザエフ(ウズベキスタン)

<ONEムエタイ・アトム級王座決定戦/5分3R>
[王者]吉成名高(日本)
[挑戦者]ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)

<ONEキック世界バンタム選手権試合/5分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー(英国)
[挑戦者] 与座優貴(日本)

<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
海人(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
澤田千優(日本)

<キック・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
久井大夢(タイ)

<キック・フェザー級/3分3R>
和島大海(日本)
リカルド・ブラボ(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
リトゥ・フォーガット(インド)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
伊藤盛一郎(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
黒澤亮平(日本)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
吉成士門(日本)
ジョハン・ガザリ(米国)

<キック・アトム級/3分3R>
黒田斗真(日本)
田丸辰(日本)

<キック・フライ級/3分3R>
陽勇(日本)
内藤大樹(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
永井奏多(日本)
神部篤坊(日本)

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