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【RIZIN LANDMARK13】Fight&Life#114より。シェイドゥラエフとの出会いを師アリムベックに訊く

【写真】ずっとにこやかだったが、スクショをお願いすると御覧の表情に。そして「自分と同じような年齢のファイターなら、いつでも戦う。シェイドゥラエフと同じ日にRIZINで試合がしたいものだ」とのこと (C)MMAPLANET

23日(木)から発売中のFight&Life#114に、4月12日(日)に久保優太を相手にRIZINフェザー級王座、2度目の防衛に成功したラジャブアリ・シェイドゥラエフのレポートが掲載されている。
Text by Manabu Takashima

同記事ではRIZINの絶対王者となったシェイドゥラエフの強さを探るために、所属するイルハス・クラブのヘッドコーチであるナシポフ・アリムベック氏にリモート取材を行った。

福岡大会は他の所属選手の指導のため本国に残っていたアリムベック・コーチだが、試合の2日前に行われたメディアデーの際中に、シェイドゥラエフがZOOMで氏を結んでくれ、インタビューが実現。ここでアリムベック・コーチが語ったキルギスという国自体の格闘技の強さの源と、シェイドゥラエフとの出会いについて切り抜いてお届けしたい。


――コーチ、宜しくお願いします。シェイドゥラエフという猛者を生んだキルギスですが、コーチもコンバットサンボの世界チャンピオンだったと。ソ連時代のスポーツ事情の影響もあり、キルギスは格闘技が盛んなのでしょうか。

「社会主義時代の名残りというよりも、土着格闘技が存在していることが大きいと思う。日本の柔道、ギリシャのグレコローマン・レスリングのようにキルギスには、アリシュ(道着&シューズ着用。道着の上から大きなベルトを巻き。そこを巻き込むように掴んで、左差しで胸を合わせた状態から始める競技。現在は足技禁止のクラシック・スタイルと足技有りのフリースタイルという風に競技化されている)がある。それにクロシュ(道着は着ず、マットや土俵でなく地面の上で行う。ベルトを巻き、両者が掴んで差した状態から始めるレスリング)もだ。これらの民族格闘技が存在し、広く親しまれている。ソ連時代の影響があるとずれば、サンボの存在かな」

――なるほど、です。

「キルギスの人間は、もともと騎馬民族なので格闘技、コンバットスポーツが盛んということもあると思う。実際、子供も大人も格闘技に適した体つきをしている。それがキルギスの国民性といえるだろう」

――キルギスの柔術を引っ張ってきたムルタザリエフ兄弟を取材した時に「男は強くないといけない。それがキルギスの風潮なんだ。子供の頃から喧嘩は日常茶飯事だし、大人も止めることもない。それが男の生き方だから。一対一の喧嘩なら誰も止めない」と話していました。

「ハハハハハ。その通りだ。私自身、路上の喧嘩が格闘技を始めるきっかけになった。地方に住んでいた私は、喧嘩に明け暮れていた。今回ラジャブアリと一緒に日本にいるコーチのバキトベック・マンベトフは親戚で、彼が喧嘩ばかりしている私には格闘技の才能があると言って、コンバットサンボのクラブに連れて行ったんだ。もう22年前の話だよ」

――まさにキルギス男子ここにあり、という感じですね。

「ハハハハ。コンバットサンボでは2009年に全キルギス王者に輝くと、中央アジア、アジアの王者となり、一時期格闘技から離れていた時期もあったが、カムバックして2022年に世界の頂点に立った」

――そんなアリムベック・コーチとは2021年から一緒に練習をしていると、ラジャブアリが言っていましたが、最初に彼がジムに来た時のことを覚えていますか。

「ラジャブアリは2021年と言っていたけど、初めてクラブにやってきたのは2020年だったよ。減量中で、頭がクリアになっていないんだろう(笑)。ラジャブアリは事前に何の連絡もなく、いきなり1人でクラブにやって来た。私としては、特に気を配ることもなく、普通に一般会員として練習をしたいのだろうと思った」

――それほど目立ってもいなかったということですか。

「というよりも、とにかく1週間ほど、そのまま練習に参加させて、どういう人間なのかを静観していたんだ。すると、とにかくラジャブアリは礼儀正しかった。練習時間に遅刻することは一切なかった。いつも時間通りにトレーニングを始めていたよ。私が伝えたことを全て守って、練習が終わるまで手を抜くということが全くなかった。そういう面が気に入ったので、レスリングで手を合わせてみた」

――初めて実際にラジャブアリに触れたわけですね。

「そうだ。スパーリングをして、体が強く、ポテンシャルの高さがすぐに分かった。なら私の指導でそのポテンシャルをフルに発揮できるよう、育てないといけないと思った」

――ポテンシャルの高さを見抜いたアリムベック・コーチですが、ラジャブアリがここまで強くなると予想できていましたか。

「ポテンシャルは高かった。ただ、まだ体が小さかった。だから私が『ラジャブアリは強くなる』と言っても周囲の人間は、信じなかったよ。でも『ラジャブアリは将来、世界を驚かせるようになる』と、私は言い切っていた。ラジャブアリのポテンシャルは、こんなものじゃない。これからも、もっともっと活躍できるに違いない」

※この後、キルギスの名門イルハス・クラブに所属する他のファイターと比較して、シェイドゥラエフが抜きん出ている点。その強さの形成している内的要因と外的要因。さらに今後について師ナシポフ•アリムベックの言葉が続くレポートが掲載されたFight&Life#114は23日(木)より発売中です。

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