【RISE WS 2026 TOKYO】世界T準決勝でYURAと対戦、原口健飛「しっかり心を折って勝ちたい」
【写真】トーナメント準々決勝では約3年9カ月ぶりの日本人対決で笠原弘希に勝利した原口。準決勝でもYURA相手に強さを見せつけるか (C)RISE
6日(土)東京都大田区のEBARA WAVE ARENAおおた(大田区総合体育館)で開催されるRISE WORLD SERIES 2026 TOKYO。GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT準決勝で原口健飛がYURAと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
総勢24選手が参加し、RISEブロックとGLORYブロックに分かれてスタートしたGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT。今大会では準決勝・決勝が1日2試合のワンデートーナメント形式で行われる。
RISEブロックのシード選手として2回戦から登場した原口はペトル・モラリ、笠原弘希を下して準決勝に勝ち進み、BreakingDownでの活躍でも注目を集めるYURAと拳を交える。日本の65キロをけん引し、世界トーナメントの頂点を目指す原口に話を訊いた。
──GLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(-65kg)STANDING TOURNAMENT準々決勝は笠原弘希選手と日本人対決となり、2Rに右フックでダウンを奪っての判定勝利でした。あの試合を振り返っていただけますか。
「あの時は久々の日本人相手で、笠原くんもずっと他団体とやってきて実績もある選手だったんですけど、RISEでやるという部分で負けられへんなという気持ちがありましたね。そのプレッシャーがしんどかったです。実力的に自分と笠原くんは同じぐらいやと思っていたんですけど、世間の声とか立場的に『原口は日本人には負けないでしょう』みたいな感じで。それは自分自身でも分かっているんですけど、そういうものを久しぶりに感じて、プレッシャーになっていましたね」
──周囲の評価的には笠原選手が原口選手に挑む試合という見方でしたが、原口選手自身は違ったわけですね。
「そこまでみんなが思っているほど、笠原くんは弱くないと思っていたし、俺もしっかり笠原くんを評価をしているからこそ、なんで周りはそんな風にしか思ってないんやろうという気持ちにはなりましたね(苦笑)。笠原くんの強さが伝わっていなかったことが僕自身も辛いというか、笠原戦が世間から甘く見られているというか。笠原くんはホンマに強い選手やし、3年前ぐらいからずっと僕とやりたいと言い続けていて、トップにい続けていること自体が凄いじゃないですか」
――3年も経てばトップ選手の顔ぶれが入れ替わっても当然ですからね。
「3年前に僕と戦いたいと言っていた選手は他にもいたと思うんですけど、笠原くんだけが勝ち続けて、実現させたのは笠原くんだけじゃないですか。それは素直に凄いなと思うし、実際に戦ってみてもしっかり強かったんで嬉しかったですね。俺が思っている笠原くんや!と思ったんで、そこが嬉しかったです」
──笠原選手からダウンを奪った右フックは笠原選手の死角から飛んでくるようなパンチでしたが、あれは練習していたパンチだったのですか。
「あれは練習通りですね。ただダウンを取るまでは想像していなかったです。笠原くんは倒れない、打たれ強い。だからこそ死角から当てていこうみたいに考えていて、笠原くんをロープ際に誘い込んで、あのパンチを当てようと思って練習していました。だからパンチを当てるのは狙い通りで、ダウンを取れたのは予想外でした」
――原口選手はロープを背負った状態でのパンチが得意ですよね。
「そうですね。(エイブラハム・)ヴィダレスをKOした試合もロープ際やったし、チャド(・コリンズ)とやった時は決まらなかったけど、最近またロープ際の感覚が戻ってきて、あれはホンマに俺しかできないなっていうのは思いますね」
──順当に準決勝まで勝ち上がってきましたが、ここまでの勝ち上がりをご自身ではどう感じていますか。
「もちろん優勝を見据えてやっているけど、一戦一戦勝てるのが一番強い選手だと思うし、結局一戦一戦勝たないと優勝には辿り着けないから、あまり大きいことを考えすぎないようにしていて、それが上手くいったのかなと思いますね。高いところばっか見てると、どっかでコケるんで」
──逆ブロックからはYURA選手が勝ち上がってきましたが、YURA選手の勝ち上がりは予想していましたか。
「YURAくんがイ・ソンヒョンに勝つ確率はあったと思うけど、ソンヒョンに対して3Rで勝つのは意外でしたね。YURAくんが倒すなら1R、2~3Rまでいったら無理やろうなと思って見ていたから、YURAくんが勝ったことがすごいではなくて、3Rで倒しきったところは素直にすごいと思いましたね」
──そういったところも含めて、ファイターとしての彼の印象や評価はいかがですか。
「若くてすごく勢いがある選手だけど、経験も浅くてファイターとしてはまだまだ未完成だと思います。ソンヒョン以外で強豪とやっているわけじゃないんで。ただほとんど負けていないからこその自信がありますよね。あまり壁にぶち当たってないから、負けている自分を知らない。俺がガーッと来ている時も、絶対に俺が一番強いと思っていたんで、昔の俺みたいな感じですよね。俺の場合はそこにペッチ(ペットパノムルン)が現れてバコーン!とやられたんですけどね」
──YURA選手を見ていて、過去の自分と重なる部分があるのですね。
「確かペッチとやる前の俺は19連勝とかしていて、今のYURAくんよりももっと勝っていたし、だからこそ今のYURAくんの気持ちが理解できる。ああいう時はものすごく自信を持って試合に挑めるので、YURAくんも自信満々で俺を食う気で来ると思いますね。YURAくんはファイターとしてはまだまだ粗いし甘い。でもその甘さが強みになる場合もあるんですよ。キャリアを重ねて負けを経験すると自分の甘い部分を見て『ここは危ない』とか変なことを考えちゃうけど、YURAくんはその経験が少ないから甘いところがあってもいけちゃう。一発勝負になったとき、そういう『いけるっしょ!』という気持ちはすごく大事なんで、僕がそこをどう防ぐかがポイントになってくると思います」
──ましてやソンヒョン戦のように劣勢を跳ね返してKO勝ちする試合を経験すると、より自分に自信を持つことが出来そうです。
「そうですね。しかもYURAくんのいいところは謙虚なところ。彼は自分のパンチに過信もしていないだろうし、素直に『自分はパンチ力があると思ってない』と言っていると思っているから、まだまだ伸びてくると思います。仮にここで俺が勝ったとしても、それを機にまた伸びてくるんやろうなって思っています」
――そのYURA選手と対戦するわけですが、そういう相手と戦うことは楽しみですか。
「ここまでキャリアが違う相手とやるのは初めての感覚というか。俺が(白鳥)大珠を追いかけていた時は、さすがに大珠の方が上でしたけど、俺はその次くらいにはいたと思うんですよ。でも俺とYURAくんを比べたら、ワンマッチだったら絶対組まれないカードで、トーナメントだから実現した試合だと思います。そういう試合だからこそ楽しみやし、それだけ差がある相手とどういう気持ちで対戦するんだろう?というのはまだ分からないですね。俺が初めてペッチとやった時、あれはペッチが異例に強すぎたんですけど、俺は誰とやっても負けないと思って戦ったんです。YURAくんもそういう気持ちで挑んだ方がいいと思いますね。変なことを考えていたら勝てないと思うので。YURAくんは今の勢いで俺を潰すつもりで来ないと。ちょっとでもYURAくんが隙を見せると、全然俺は勝てちゃうんで、YURAくんがどう仕上げてくるか楽しみです」
──今回は準決勝・決勝と1日2試合戦うわけですが、決勝のことは意識していますか。
「俺自身もYURAくんに勝たないと始まらんから。俺はペッチが上がってくると思っているけど100%じゃないし、どういう形でYURAくんに勝つか。その気持ちのまま決勝までいけるかどうかがポイントになってくるんで、しっかりいい勝ち方をしたいという気持ちしかないですね」
──今回、取材する前に色々とテーマを考えていて、YURA選手はどこまで勝ち続けるんだろう?という幻想を持った選手だと思っています。逆に原口選手はしっかりと実績を残して世界に挑み、その結果も含めて現実を見せてきた選手だと思います。そういった2人の対決という図式は意識していますか。
「それはめっちゃ感じますし、だからこそ面白いなと思います。色んなところでくじけてきた俺の今の立ち位置と強さか、YURAくんの幻想か。客観的に見てもワクワクするし、面白いですよね」
──先ほどの原口選手の言葉にもあったように、まさに今回のトーナメントでしか実現しない対戦ですよね。
「そう思います。例えば俺は一戦一戦勝ち続けないとペッチまで辿り着かなかったけど、YURAくんの場合はトーナメントがあったからラッキーじゃないですか、このタイミングでトーナメントがあって、俺と試合が出来て、みたいな。それを羨ましいと思う反面、それがあるのが今の時代やなと思いますね。YURAくんはそういう運も持ってるから、そこも強みではありますよね」
――そういった意味では原口選手は一歩ずつキャリアを積み重ねて結果を出して、世界と戦うという現実を見せてくれているファイターだとも思います。
「俺はホンマに飛び級をしたことがないし、強いヤツを一人ずつ倒してきたからこそ『原口は強い』というところまで来て。それでようやく辿り着いた選手(ペッチ)に何回もボコられる経験もしているし、格闘技の残酷さも分かっています。どの立ち技の団体でもvs世界というテーマを持っていると思うんですけど、今日本人としてみんなが納得する実績を残してvs世界で戦っているのは俺だと思っています。一番最初にペッチと戦って、一番初めに世界の壁にぶつかったからには、俺がしっかり世界と戦わなあかんという気持ちもあるし、他団体を見てもvs世界は厳しいもんじゃないですか。俺がそこを乗り越えたいという気持ちはより一層強くなっていますね」
――そういったチャレンジを続けてきたからこそ、世界と戦うために何が必要かも分かるのではないでしょうか。
「年齢的には28歳になりましたけど、若い頃は今ほど練習していたわけじゃないし、言ったら天才型だったんで、(理想の動きを)見て真似したら出来て、それが試合でも通用していたんですよ。でもペッチに負けて、それだけではダメだということが分かりました。今は色んなパターンを考えて練習したり、走り込みとかおもんないけど必要な練習もやるようになったり、年齢はいってるけど伸びしろは今の方があると思っています。俺はvs世界で負けてはいますけど、負けてからの方が伸びしろを感じているし、それがあるから諦めきれないところはありますね」
――原口選手の話を聞いてますますYURA選手との試合が楽しみになってきました。
「俺はYURAくんも実力があって、運だけでここまで来たわけじゃないと思うし、実力的に言えば俺と対等と言われても仕方がないくらい強いと思います。そういう相手に対して勝ち方はどうあれ、しっかり心を折って勝ちたいですね」
■視聴方法(予定)
6月6日(土)
午後12時20分~ ABEMA


















