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【ONE173】若松佑弥と三浦彩佳が日本大会で揃って王座戦、「つまらない試合にはならない」(若松)

【写真】TRIBE TOKYO MMAの2人が日本大会でONEのベルトをかけた戦いに臨む(C)TAKUMI NAKAMURA

11月16日(日)に江東区有明の有明アリーナで開催されるONE173。今大会に出場するONE世界フライ級王者の若松佑弥と三浦彩佳が、1日(金)都内にて囲み取材に応じた。
Text by Takumi Nakamura

今年3月のONE172に続いて、ナンバーシリーズとして2大会連続での日本開催となる今大会。6月23日の記者会見ではスーパーボンと野杁正明のキックボクシング世界フェザー級(70.3キロ)王座統一戦と王者オマル・ログログ・ケニと挑戦者アナトリー・マレキンによる世界ヘビー級選手権試合のリマッチという2つの王座戦が発表されていた。

その後、若松がストロー級王者のジョシュア・パシオの挑戦を迎え撃つ一戦、女子アトム級王者デニス・ザンボアンガに三浦が挑む一戦が追加発表された。この日は若松と三浦が囲み取材に応じ、それぞれ試合に向けた意気込みを語った。はじめに代表質問での両者のコメント、そしてMMAPLANETとの質疑応答を紹介したい。


若松佑弥
「今回の試合が決まった時は元々違う選手だと思っていて、まさかストロー級のチャンピオンのパシオ選手になるとは想像していなかったです。本当にびっくりしているのと、パシオ選手と戦えてすごく光栄というか(オファーをもらって)嬉しかったです。記者会見では4位のサンジャル・ザキロフ選手と言われたんですけど、あまり僕的にはしっくりこなかったっていうか。与えられた相手を倒すだけだったのですが(気持ち的に)イマイチという感じがあったんで(パシオに決まって)よかったです。

(フィリピン人ファイターとの対戦も多いが)僕がジェヘ・ユースタキオ選手と戦ったのがフィリピンのマニラで、向こうのホームだったんですよ。ユースタキオ選手はパシオ選手の大先輩だと思うし、僕はダニー・キンガド選手も倒しましたし、フィリピンvs日本みたいな感じで、すごい盛り上がるんじゃないかなと思っています。(どんな試合をしたい?)つまらない試合は絶対にないと思いますし、全力を出したら自ずと激しい試合にもなるし、試合を見てくれれば本当に盛り上げる自信があります。特に倒してやろうとか、そういうことは思わないんで、本当に自分に勝つみたいな。そういう試合をしたいです」

三浦彩佳
「私はずっとやりたかった選手とやっとできることになって、チャトリさんからそう言ってもらえたのがすごく嬉しく思います。しかも日本大会という、日本という自分が生まれた地でタイトルマッチと言ってもらえたことをすごく嬉しく思ってます。日本でタイトルマッチを組んでもらえたということは、私がベルトを取るべきだなと思っています。

私は挑戦者なんで、今は胸を借りるというか。今まで試合する場所はどこでも関係ないと思っていたんですけど、日本で試合するチャンスをいただけたので、これは私が取るタイミングだなと思っています。(どんな試合をしたい?)私の試合はフィニッシュ率がすごく高いので、しっかり極めて勝つ試合をしたいと思います。ただ5分5Rあるので、もみくちゃになっても何がなんでも勝つ、ぐちゃぐちゃになっても勝つことも全部想定して、これから追い込み練習に挑んでいこうかなと思っています」

――それぞれ対戦相手のファイターとしての印象を聞かせてもらえますか。

若松「パシオ選手の印象はストロー級の絶対王者というか、僕がONEに初めて戦の時にチャンピオンになった選手で、そこからずっとチャンピオンで、負けてはいるんですけど防衛を続けていた時期もあったし、強い選手と戦って勝っているんで、下の階級ということはなしにして、本当に侮れないというか、ONEを象徴する王者だと思っています。ジャレット・ブルックス選手をああやって2Rで倒すのは、やっぱりすごいことだと思います。正直、僕は(パシオが)負けると思っていたんですけど、ああやって圧倒的に勝っていたんで、ほんとにさすがだなと」

三浦「ずっと前から見ていた選手で、最初は寝技 中心の選手かなと思ってたんですけど、ここ最近の試合では打撃もすごく上手になっていて、ウェルラウンダーというイメージがありますし、フィジカルもすごく強そうだなと思います。前回の暫定王座戦もすごく蹴りが走っていたり、打撃もしっかり見えていたり、本当にすごくバランスが取れていて、強い選手だと思っています」

――同じTRIBE所属として大会までにどんな準備をしたいですか。

若松「三浦さんとはよく同じ日に試合をしていて、一緒にタイトルマッチをできることがすごい嬉しいですし、昨日もあやかロックを教えていただきました(笑)」

三浦「佑弥くんはTRIBEの中でもレベルがトップの選手なんで、練習で胸を借りています。
あと今回は先に佑弥くんが日本大会でタイトルマッチが決まっていて、前回のタイでの試合の前に『絶対に次勝って、一緒にタイトルマッチをやりましょう』と声をかけてもらったり、佑弥くんがいることでモチベーションが上がったりしたので、今回絶対2人でベルトを取りたいと思ってます」

――3月の日本大会はキック・ムエタイが注目される大会でしたが、今大会でMMAの魅力を伝える試合をしたいですか。

若松「ヘビー級のMMAのタイトルマッチもありますし、ケージでもあるんでMMAの面白さを。ONEの世界的なレベルの高さを見せられるんじゃないかなって思っています」

三浦「今回はケージと聞いてすごくびっくりしたんですけど、前回の日本大会では佑弥くんがMMAの面白さが伝わる試合をして、佑弥くんの試合からまたバン!と盛り上がったと思うんですよ。普段キックを見ている人に対しても、今大会でMMAの面白さで広がってくれたらなっていうのもあります。佑弥くんは打撃ですごく光いてて、私は寝技で極められたらいいないと思うので、色々MMAルールの面白さを知ってもらえたらなと思っています」

――TRIBE TOKYO MMA(TTM)で朝倉海選手や神龍誠選手、YouTubeのコラボ企画で扇久保博正選手など、他団体で活躍しているフライ級の選手たちとも練習していますが、そこでどんな刺激を受けていますか。

若松「みんな本当に強くてやられることもいっぱいあります。TTMで練習している選手で弱いヤツはいないというか、TTMの若手もみんな強いので。ただそれは練習での話で、心の中では試合だったら自分が1番という気持ちはあると思います。もちろん最高な環境で練習をやらせてもらっています」

――そういった選手たちにライバル意識はありますか。

若松「昔は『この人にやられたくない』とか、そういうライバル心はあったんですけど、結局は練習なんで。練習で本気を出したらお互い怪我しちゃうし、なるべくこう柔軟にいいところをとろうというか。僕ももう30とかなんで、そんなに若手みたいにガツガツいくことはなくなりました」

■ONE173決定カード

<ONEキックボクシング世界フェザー級王座統一戦/3分5R>
スーパーボン・シンハ・マウイン(タイ)
野杁正明(日本)

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)
[挑戦者]アナトリー・マレキン(ロシア)

<ONE世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]若松佑弥(日本)
[挑戦者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)

<ONE世界女子アトム級選手権試合/5分5R>
[王者]デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
[挑戦者]三浦彩佳(日本)

<キック・バンタム級/3分3R>
与座優貴(日本)
スーパーレック・キアトモー9(タイ)

<キック・女子アトム級/3分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
KANA(日本)

<サブミッショングラップリング・ミドル級/10分1R>
ジャンカルロ・ボドニ(米国)
ラファエル・ロバトJr(米国)

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