【Pancrase360】ウェルター級KOP佐藤生虎に挑戦、ゴイチ・ヤマウチ「普段は考えないけど、この試合は」
【写真】落ち着き払っているゴイチ。大ベテランのような雰囲気だが、まだ32歳だ(C)MMAPLANET
21日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase360。同大会のゴイチ・ヤマウチがウェルター級KOP佐藤生虎に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura
キャリア5勝1敗のチャンピオンに対し、ゴイチにとって今回の王座挑戦は38戦目になる。11年間の北米メジャーを経てパンクラスで戦うことを「ステップ・フォワード」と称したゴイチにとって、パンクラス王座奪取は大きな一歩、大きな前進になるという。
ケン・シャムロック、フランク・シャムロック、バス・ルッテンが戦っていた場所
――2週間後に佐藤生虎選手の持つウェルター級KOP王座に挑みます(※取材は8日に行われた)。今の気持ちを教えてください。
「最高だよ。4月の試合前と同様に過去イチのキャンプになっているし、テクニック的にも精神的にも新たな境地を切り開いたように感じている。体調も良いし、凄くヘルシーだ。このヘルシーという部分が一番大切だと思っている」
――温暖なクリチバから、寒い日本へ。その調整はどのように考えていますか。
「そこは余り深く考えていないよ。そういうことは、もう何度も経験してきた。極寒の地だろうが、灼熱の太陽の下も気にしない(笑)。気候の違いや時差は、僕にとって普通のことだからね」
――前回の試合前に北米メジャーから離れて、パンクラスで戦うことに対して「ステップ・フォワード」と話していました。心に突き刺さる言葉でしたが、内藤由良戦の勝利で前に進むことができましたか。
「イエス。パンクラスで戦うことを決め、それを自分のキャリアの一部とした。違う環境でも、同じ状況のファイターが多くいる。これまでも『世界に、僕が何者か証明する』という気持ちを持って戦ってきたけど、30歳を過ぎてパンクラスで戦うことも、その一環だ。この機会を与えてくれたパンクラスに感謝している。
ナイトーはタフな相手だったけど、本当に良い準備をして試合の臨むことができた。今回の試合は、さらに良い感じだ。だから、本当に試合が楽でならない」
――ではパンクラスのファイトウィークの過ごし方に、戸惑いはなかったでしょうか。
「パンクラスの選手への対応は素晴らしいよ。僕に日本の血が流れているからかもしれないけど、日本のファイトウィークは凄く過ごしやすい。僕らは日本のプロモーションを上から目線で見るようなことは絶対にない。いつだって選手のために、可能な限りの環境を整えてくれるから。
創世記のUFCでチャンピオンになったケン・シャムロック、フランク・シャムロック、バス・ルッテンが戦っていた場所だよ。パンクラスで戦うことは、最高だよ」
――8カ月、試合間隔が空いたことはどのように捉えていますか。
「プロとして、1年に2試合というのは良い試合数だよ。最大で3試合かな。それ以上戦うと、体に与える影響が大きくてヘルシーでいられなくなる。UFCでも年に4度目の防衛戦に挑み、ベルトを失ったチャンピオンがいる。試合数が多すぎて、彼が負けたとは言わないよ。でも、ヘルシーだったのかとは疑う。
そういう試合数も、キャリアの序盤では構わない。対戦相手のレベルが、そこまで高くないからね。でも、高いレベルになるとそうはいかない。1試合でどれだけ体重を落とし、どれだけリカバリーするのか。どれだけ負荷かかかるトレーニングが必要になるのか。1試合では少なすぎるけど、2試合……そう3試合が限度だ。だから、8カ月のレイオフには何も不満はないよ」
――ゴイチにとってパンクラスのベルトを巻くことは、どのような意味があるのでしょうか。
「大きな一歩だよ。パンクラスのチャンピオンになることは、夢が一つ実現することになる。もちろん、僕にとって最大の夢はUFCチャンピオンになることだ。でも、パンクラス王者になることは、凄く達成感のあること。2週間後にパンクラス・ウェルター級チャンピオンになれる。最高にハッピーだよ。大きな一歩、大きな前進になる」
――では佐藤選手の印象を教えてください。キャリア5勝1敗のチャンピオンにとっても、ゴイチとの王座防衛戦は大きなチャレンジになるかと思います。
「この試合に関して言えることは、他の試合とも同じように自分のベストを尽くすこと。彼がチャンピオンなのは、それなりの理由があるからだ。でも、なぜ僕が彼より優れているのか。そこを証明したい。ベストのサトーが僕と戦うことを想定して、もの凄くシリアスに彼のことを考えてきた」
――佐藤選手と戦ううえで、一番のアドバンテージはどこだと考えていますか。
「メンタル面もフィジカルも僕が優位に立っているだろう。でも、おおざっぱな言い方かもしれないけど、一番の違いは経験かな。この差は大きい。普段はそんなことは考えないけど、この試合は経験値が違うといえる」
――では、どのような試合をファンに見せたいですか。
「ドミネイトして、フィニッシュする。僕がベストであること。パンクラスでベスト、日本でベストというだけでなく、世界のベストの1人が、ここにいることを示したい」
――パンクラスの王者になってからは、どのようなキャリアを思い描いているのでしょうか。
「まず、この試合に集中している。ただ、来年は大きなプランがある。2025年は僕にとって、仕切り直しの1年になった。2026年は、ビッグイヤーになる。大きくジャンプするために、この1年を準備期間に当ててきたんだ」
――では最後に日本のファンに一言お願いします。
「もう日本のファンの皆は、僕がどれだけ日本を愛しているか知っていると思う。本当に皆の親切さ、尊敬心、そして優しさに感謝している。皆のことを愛しているよ」
■視聴方法(予定)
2025年12月21日(日)
午後1時~ U-NEXT
■Pancrase360 対戦カード
<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 佐藤生虎(日本)
[挑戦者] ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
<フェザー級王座決定戦/5分5R>
栁川唯人(日本)
カリベク・アルジクル ウール(キルギス)
<バンタム級王座決定戦/5分5R>
井村塁(日本)
田嶋椋(日本)
<ミドル級王座決定戦/5分5R>
コシム・サルドロフ(タジキスタン)
佐藤龍汰朗(日本)
<女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
KAREN(日本)
本野美樹(日本)
<フェザー級/5分3R>
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
Ryo(日本)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ISAO(日本)
<ライト級/5分3R>
天弥(日本)
クリストフ・キルシュ(ドイツ)
<ウェルター級/5分3R>
内藤由良(日本)
髙橋攻誠(日本)
<バンタム級/5分3R>
松井斗輝(日本)
荒田大輝(日本)
<フライ級/5分3R>
浜本キャット雄大(日本)
岸田宙大(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
神谷大智(日本)
<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
クーパー・ロイヤル(豪州)
<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
小澤武輝(日本)
















