【DEEP130】2025年ベストバウト選出の大原樹理。倉本大悟との初防衛戦は「俺と殴り合えるなら来いや」
【写真】取材当日は追い込みの最終日とあって、いつもよりお疲れ気味の様子。暫定王座から正規王座から昇格したと正式には聞いていないという大原は「楽しみにしています」(C)SHOJIRO KAMEIKE
20日(金・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP130で、ライト級王者の大原樹理が倉本大悟を相手にベルトの防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike
Black Combatでの戦い、そしてRIZIN韓国大会を経て、昨年11月に国内復帰戦に臨んだ大原。神田コウヤをKOして、DEEP暫定ライト級のベルトを巻いた。神田戦は佐伯繁DEEP代表が2025年のDEEPベストバウトに選出するほどの大激闘となったが、その戦いの裏には大原の強さとも思われるエピソードが――。今回は神田戦以上の打ち合いになるかもしれない相手、倉本に対しては「殴り合いなら自分のほうが絶対に強い」と言い切った。
試合中、ふと顔の横に小さい自分が現れるんです
――試合4日前のインタビューとなりますが(※取材は3月16日)、今日もジムで練習なのですか。
「いつも試合4日前まで動いていて、今日が追い込みの最終日です!」
――ということは、コンディションも疲労のピークで……。
「はい、絶不調です(笑)」
――アハハハ。前回の試合が昨年11月で、4カ月の試合間隔というのは大原選手にとっては長かったのではないでしょうか。
「11月に試合をしたあと、12月に出られなかったので――ちょっと間が空いたかな、という感じですね。でもDEEPにとっては2026年初のナンバーシリーズのメインだから光栄です」
――12月、というのはRIZIN大晦日大会のことですか。
「声は掛からないだろう、とは思っていましたけど……」
――11月に神田選手とあれだけの大激闘を展開した直後に、大晦日に試合というのはコンディションも厳しいのでは?
「いや、そんなにダメージはなかったですから。アハハハ」
――相変わらず丈夫ですね(笑)。ダメージはともあれ、大激闘であったことは間違いありません。佐伯繁代表はDEEPの2025年ベストバウトにも選んでいました。
「ベストバウトに選んでいただけたのは、本当に嬉しかったですね。『まだ12月大会も残っているのになぁ』と思いつつ」
――戦う本人としては試合前、あれだけの大激闘になることは予想していましたか。
「どうでしょうね……。試合前のインタビューでも言ったとおり、スタイルとしては水と油だと思っていました。神田選手は打撃で攻めて来るけど、良くない流れになるとテイクダウンを選ぶ。だから『良くも悪くも激しい試合内容になるんだろうな』とは考えていましたね。ただ、自分のほうは試合中に少しアクシデントがあって、蹴りが打ちづらくなっていましたけど」
――えっ!? アクシデントとは、足を痛めたのですか。
「痛めました(苦笑)。最初の右ミドルですね。相手が出て来る時、変な風に当たっちゃってヒザがグギッと。だから、ちょこちょこ足が使いづらい画面はありました。だから尚更、『殴り合うしかないな』と思って。試合後に中継の映像を視たら、解説の相本(宗輝)選手も『こんなにリーチあるのに距離が近い』というふうに言っていましたね。それは足を怪我していたからなんですよ。特に蹴りを打った時が痛かったので、神田選手のほうからガンガン来てくれたことは、ありがたかったです」
――ただ、2Rは開始早々、神田選手がテイクダウンに来ました。
「あれは僕の足どうこうじゃなく、完全に神田選手の巧さです。マウントを奪われてからのヒジは怖かったですね」
――しかしマウントを取られた状態からフットロックの形に入り、相手が足を抜いたところでスタンドに戻りました。ああいった展開は、大原選手の試合では珍しいように思います。
「あの時は『行けそうなら取ろう』というぐらいの感じでしたね。昔から狙うことはあったんですよ。でも小さい自分に『お前がそんなの取れるわけないだろ』と言われて、すぐに止めていました」
――小さい自分とは?
「試合中、ふと顔の横に小さい自分が現れるんです。その小さい自分がいつも、すごく客観的で、冷めたことを言ってくる。前回の試合でも『練習ではやっているかもしれないけど、本番で取れるほど技術はないだろ』と冷静に言ってきて(笑)。自分も言われて『そうだね』と思って、足を極めに行くのではなく、スイープして立ち上がりました」
――つまり試合中に、熱くなっている自分と冷静な自分がいる、と。
「あぁ、そうです。イメージはそんな感じです」
――多くの漫画で天使と悪魔が両方、自分に囁きかけてくるシーンはありますよね。冷静に指摘してくるほうが天使だとすれば、悪魔のほうは……。
「いますよ(笑)。たとえばバックを取ってRNCを狙う場面があるじゃないですか。練習習では取れていないパターンでも『ここで取れたら試合が終わる。早く帰れる。全力を振り絞って取りに行けよ』と言われ、やってみたら取れずに終わるっていうこともありました。
悪魔の自分が『取りに行けよ!』と言って、冷静な自分が『ダメだよ。練習でも取れたことないんだから』と言ってくる。本当にそんな感じです」
――ただ、どちらの意見を聞くにしても、どれだけ自分が試合中に冷静に判断できるかという状態にあるわけですね。フィニッシュは蹴り離してから、連打でストップを呼び込む時も冷静に。
「あの時はもう小さい自分はいなかったけど、自分の中では『2Rは完全に取られたから、ここで行っておかないと取り返せない』と思って行きました。それで行ってみたら、相手も効いているのが分かったので。でも早くストップしてもらうために、自分ももっと明確に分かりやすく詰めていかないといけないですね」
距離が詰まろうがどうしようが、殴り返すだけ
――大原選手にとっては、2023年9月のイ・ソンハ戦以来、2年2カ月振りの後楽園ホールでの試合でした。
「後楽園ホールは戦いやすいですよね。11月に試合をして思ったのは――すごく楽です」
――楽、ですか。
「ちょっとメシ食いたいなと思ったら、周りに飲食店もたくさんあるし。練習着を忘れても、すぐに取りに行けるじゃないですか。韓国でピエロ(イ・ソンハ)と再戦した時、練習着とか全部入れたバッグを日本に忘れちゃったんですよ(笑)」
――えぇっ!?
「もう一つスーツケースがあって、それだけ持って韓国に行っちゃいました。幸いジムの人が韓国へ応援に来てくれることになっていて。その人は翌日、韓国に入るので連絡して『ごめん、家にバッグを取りに行って、韓国に持ってきてもらえないか』と……(苦笑)」
――韓国まで応援団が来てくれて、本当に良かったですね(笑)。
「それが後楽園ホールだと、周りに格闘技ショップもあるじゃないですか。ひとっ走り行けば揃いますから。まずは忘れないようにしないといけないですけど(笑)。
それはともかく、練習自体は韓国で試合する時も日本でも変わらないです。練習期間は同じだし、いつも泣きたくなるぐらい追い込まれるので、コンディションも変わりません。韓国でも前回の試合もそう。今回もいつもどおりのことをやってきて、いつもと同じように良い意味で追い込む」
――防衛戦の相手、倉本選手は神田戦と同じ興行で大木良太選手にKO勝ちしています。その時点で次の相手になるという予感はありましたか。
「誰が来るんだろうという思いと、倉本選手以外にいないよねという思いの両方ですね。油断はできない相手ですよ。それもいつもどおりですけど。でも殴り合いなら自分のほうが絶対に強い。俺と殴り合えるなら来いや、と思っています」
――試合を視るかぎり、スピードは神田選手のほうが上かもしれません。しかし拳が固いのか、とにかく「効くパンチだな」という印象はあります。
「確かに。空手を10年ぐらいやっているそうなので、それはあるかもしれないですね」
――空手ベースのためなのか、リズムもボクシングやキックボクシングのものではない。そういう相手は捌きやすいですか。捌きにくいでしょうか。
「見ている感じだと、捌きやすそうに見えるんです。でも如何せん、僕はディフェンスが巧いわけではないので」
――自分でそれを言っては……。
「アハハハ。だからこそ対峙してみないと分からないし、最も警戒するところではあります。警戒しながら組み立てていきたいです」
――もう一つ、距離の詰め方も一気に飛び込んでくるわけではないのに、気づけば相手がケージに詰められていることが多いです。
「そこに何かがあるんでしょうね。何かが。ただ、僕も距離が詰まろうがどうしようが、殴り返すだけなので(笑)。やられたらやり返す。神田戦も、あそこまで打撃で来ると思っていなくて、ヒジぶん回してくるし、当たったら痛いし。イラッとしたので『上等だよ』って」
――相手にしてみれば殴ってKOしたいが、殴ると大原選手に火を点けてしまうことになる。それはチャンスであり、リスクですね。
「そのリスクを取る覚悟があるなら来いや! って感じですね。
自分としては、いつもどおり当てて、当てて――時間を使ってKOできれば良いと考えています。自分のペースで戦い、時間をかけてTKO勝ち。前回は久しぶりにKOしたので、今回もしっかりフィニッシュして、『大原はチャンピオンになるだけのファイターなんだ』と思われるような試合をしたいです」
■DEEP130 視聴方法(予定)
3月20日(金・祝)
午後5時35分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■対戦カード
<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 倉本大悟(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者] 嶋田伊吹(日本)
[挑戦者] ストラッサー起一(日本)
<DEEPメガトン級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
<フライ級/5分3R>
関原翔(日本)
力也(日本)
<フェザー級/5分3R>
五明宏人(日本)
椿飛鳥(日本)
<フェザー級/5分2R>
木下カラテ(日本)
直樹(日本)
<バンタム級/5分2R>
魚井フルスイング(日本)
寺崎昇龍(日本)
<バンタム級/5分2R>
日比野”エビ中”純也 (日本)
山本有人(日本)
<ライト級/5分2R>
ケンシロウ(日本)
中谷優我(日本)
<フェザー級/5分2R>
鈴木大晟(日本)
奥村歩生(日本)
<アマチュア フライ級/3分2R>
秋元優志(日本)
谷口仁歩(日本)
<アマチュア バンタム級/3分2R>
高尾凌生(日本)
河島ノブヒデ(日本)















