【UFC328】ベアナックルからUFCに復帰。ジェレミー・スティーブンス「防御力&攻撃力、共に上がった」
【写真】6日のリモートインタビュー中は、拳を披露して元気いっぱいに話していたスティーブンスだったが、計量で5ポンドオーバー。キャッチ戦でキング・グリーンと戦うこととなった(C)Zuffa/UFC
9日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで開催されるUFC328で、ジェレミー・スティーブンスが昨年3月以来、1年2カ月振りのMMAをキング・グリーン相手に戦う。
Text by Manabu Takashima
2005年にデビュー、キャリア20年を超えたベテラン・ストライカーは、2007年から2021年までUFCで戦い、リリース後はPFLの2022年シーズンに参戦した。
2023年からはボクシングマッチ、ベアナックル・ファイトでプロファイターキャリアを続けていたスティーブンスは、去年の3月に4年振りにUFCと再契約を果たした。
BKFCは知名度の高いMMAファイターが、キャリア最後の稼ぎ場所に選ぶ印象が強く、UFCに戻ってくるのはサッカーでいえば中東リーグや米国のMLSから欧州に戻るようなもの。
スティーブンス自身、UFCに戻れるとは思っていなかったという。そんなスティーブンスにUFCでの再出発にベアナックル・ファイトの経験は生きるのか尋ねた。
MMAへの想いはずっと残っていた
――今週末、キング・グリーンと1年2カ月ぶりにMMAを戦います。それ以前にも2022年11月にPFLを離れ、ボクシングマッチ、ベアナックル・ボクシングを戦ってきたジェレミーですが、素手ファイトからUFCが再契約というのは余り見られないレアケースです。
「今ここにいられること、UFCで再び戦うことができて凄く嬉しい。UFCとの関係はもう終わっていたと思っていたからね。UFCから離れた後も、MMAへの想いはずっと残っていた。特にUFCは俺が子供のころから見続けてきた舞台で、そこで試合をすることが夢だったから。
ただ俺には家族がいる。妻や子供の生活を守るために、戦い続ける必要があった。そのなかでまたUFCで戦えることになったのはアメージングだったよ。そんなことが起こるなんて、全く思ってもいなかった。ただ去年の試合は、8週間の準備期間があっても3年振りのMMAを戦うには十分じゃなかった。私生活でも色々とあって……。
言い訳になってしまうけど、トレーニング・パートナーもいなかった。MMAを戦うには、もっとMMAのペースで戦う練習が必要だと分かっていたんだ。MMAとベアナックルはフィーリングもバイブスも違う。1Rが5分の戦いは、特別だよ。でも、とにかくUFCで戦えるんだ。オクタゴンに上がって、自分のやるべきことをやるだけだった。気持ちは十分だったけど……。
ただ負けたけど、ダナも『良い動きだった。またチャンスを与えるから』と言ってくれたんだ。それから1試合、BKFCで戦い、こうやってUFCで再び試合ができる。
土曜日の試合は対戦相手もストライカーだ。ファンが見たい試合ができるだろう。ここまでの練習を信じているし、自分のデキに自信を持っている。また世界中のUFCファンに試合を視てもらえることを光栄に思っているし、感謝している」
――ベアナックルとMMAでは、バイブスが違うというのはどういう部分だったのでしょうか。
「MMAもベアナックルも、ずば抜けて危険なファイトであることは間違いない。ただMMAの方がペースが早く、人間性のすべてが出るような戦いになる。
ベアナックルはラウンド時間が短く、凄くクイックだ。ブロウルであり、ボクシングだ――技術的には。同時にMMAのようにペースを考えたり、殴って、殴られるという攻防があるわけじゃない。一発でカットする。それで終わることがあるから、その一発を貰わないように戦う。
UFCとベアナックルを比べるファンがいるけど、そもそも全く違うモノだから比べようがない。俺自身はやるべきことが多く、全局面で戦う必要があるMMAに心はあった」
――位置取りや距離でなく、パンチの打ち方、当て方だけに焦点を当てるとMMAグローブ、ボクシング・グローブ、バンテージを巻いた素手では殴り方は変わるのでしょうか。
「腕の伸ばし方なんかは、何も違いはないだろう。ボクシング・グローブだと、拳頭部分のどこが当たっても構わない。だからフラットに殴ることができる。でもベアナックルは中指を中心に薬指と人差し指の3つの拳頭部分だけを当てる。そうでないと、ケガをするからね。MMAグローブも基本的に、ベアナックルと同じ部分を当てる。加えてハマーフィストのようにバックフィストを使えるので、そこは頭に入れないとね。
打ち方は変わらないけど、グローブの大きさが違うからボクシング・グローブと同じガードだと、すり抜ける。MMAとベアナックルは、そこが可能になることも忘れてはならない」
――ベアナックル・ファイトの経験は、MMAに生きてくると考えていますか。
「前の試合の相手の顔を見ただろ? テイクダウンはされたけど、スタンドでダメージを与えたのは絶対的に俺の方だった。ボクシングの経験をしたことで、MMAの打撃とボクシングの違いが理解できた。どうやって防御するのか。技術的には違う。ボクシングは、殴って離れるのではなく。殴り合う。それがベアナックルになると、さっきも言ったように一発の被弾でカットして試合が終わる可能性がある。そのために必要な防御力、その防御があって殴ることができる攻撃力、ともに上がった。
前回の試合と違い、MMAで戦い切るトレーニングをしてきたから、もっとベアナックルの経験が生きる試合ができるはずだ。ベアナックルで培ったボクシング力を試合で見せるよ」
この試合はどちらかが、頭からキャンバスに突っ込んで終わる
――ジェレミーがデビューした時と比較して、MMAの打撃距離は随分と近くなったと思います。そしてテイクダウンにポイントが与えられなくなった。この変化で、戦い方も変わってこないでしょうか。
「俺はもともとインファイトで戦う人間だったから、大きく変わったことはない。別にボーナスが欲しくて、こういう戦い方をしているわけじゃないからね。俺はファイターだから、昔からKO勝ちしたくて戦ってきた。スピニングバックフィスト、ヘッドキック、フライングニー、左フック、右アッパーでKOしてきた。最も血生臭い、ハイライトリールKOをステロイドを使ってない人間のなかで、一番多く見せてきたはずだ(笑)。
MMAが変わったのは、エキサイティングな試合を増やすためだ。俺は何も変わらない。時代が変わっても、俺の戦いは変わらないんだよ。
まぁ俺が変わらなくても、最低基準が変わったから相手の動きは変わったかもしれない。いずれにしても、アジャストは必要だ。MMAで勝てるのはストロングな人間でなく、スマートな人間だからね。
キング・グリーンはテイクダウンを狙い続けるようなファイターじゃない。だから俺も我慢強く、アグレッシブに戦う必要がある。
ヤツの拳が飛んで来たら、血が出る覚悟はできている。この試合はどちらかが、頭からキャンバスに突っ込んで終わる試合になるだろう」
――そのグリーンの印象は?
「何もない。俺は自分がやるべきことに集中している。そのためにも、今はリラックスしている。ファイトになると、ママたちが泣き叫ぶような戦いをするだけだ(笑)。日本のファンも、俺が夢を追い続ける姿を追い続けて欲しい」
■視聴方法(予定)
5月10日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時30分~U-NEXT
■UFC328計量結果
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]カムザット・チマエフ: 185ポンド(83.91キロ)
[挑戦者]ショーン・ストリックランド: 185ポンド(83.91キロ)
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・ヴァン: 125ポンド(56.7キロ)
[挑戦者]平良達郎: 125ポンド(56.7キロ)
<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ: 257ポンド(116.57キロ)
ワルド・コルテスアコスタ: 264 ポンド(119.74キロ)
<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
マイケル・ジョンソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレディ: 170ポンド(77.11キロ)
ジョアキン・バックリー: 170ポンド(77.11キロ)
<ライト級/5分3R>
キング・グリーン: 155ポンド(70.31キロ)
ジャレミー・スティーブンス: 160ポンド(72.57キロ)
<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ: 185ポンド(83.91キロ)
オジー・ディアス: 186ポンド(84.37キロ)
<ウェルター級/5分3R>
ヨエル・アルバレス: 170ポンド(77.11キロ)
ヤーソラフ・アモソフ: 170ポンド(77.11キロ)
<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン: 156ポンド(70.76キロ)
マテウス・レンベツキ: 156ポンド(70.76キロ)
<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー: 155ポンド(70.31キロ)
ジャレッド・ゴードン: 156ポンド(70.76キロ)
<ミドル級/5分3R>
ローマン・コピロフ: 185ポンド(83.91キロ)
マルコ・トゥーリオ: 186ポンド(84.37キロ)
<フェザー級/5分3R>
パット・サバティーニ: 145ポンド(65.77キロ)
ウィリアム・ゴミス: 145ポンド(65.77キロ)
<ミドル級/5分3R>
ベイサングル・ススルカエフ: 186ポンド(84.37キロ)
ジジョルデン・サントス: 186ポンド(84.37キロ)
<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター: 126ポンド(57.15キロ)
ホセ・オチョア: 125ポンド(56.7キロ)




















