【DEEP130】関原翔と対戦、力也。柔道→レスリング→MMAへ「格闘代理戦争の最終選考に残った時――」
【写真】人生の分岐点で重要な出会いがあるのは、本人が一途な格闘技への想いを持っていたからだろう(C)TAKUMI NAKAMURA
20日(金・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP130で、力也が関原翔と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
DEEPフライ級戦線において直近5試合で4勝1敗、勝った試合はすべてフィニッシュと好調を維持しているのがFIGHT FARMの力也。小・中学校では柔道で実績を残し、高校からレスリングに転向すると日体大時代にグレコローマンスタイル60キロ級でインカレ2連覇を成し遂げた。
その力也がMMAの世界に飛び込んだきっかけはABEMAで放送された「格闘代理戦争」だという。まさに紆余曲折、様々な偶然が重なりFIGHT FARM所属となり、DEEPのベルトを射程圏内に捉えた力也のMMAPLANET初インタビューをお届けしよう。
最近は何となくではなく根拠のある自信になった
――試合直前のインタビューありがとうございます。今の仕上がりや体調はいかがですか(※取材は16日に行われた)。
「もう本格的な練習は上がっていて、完璧に仕上がっていますね。問題ないです」
――力也選手は直近5戦の戦績が4勝1敗、勝った試合はすべてKO・一本勝ちと好調です。ご自身でもパフォーマンスの良さは感じていますか。
「すごく良くなってきたと思います。ずっと自分の課題が練習通りにできないことだったんですよ。試合になると会場に応援に来てくれた人たちの歓声で気合いが入りすぎちゃって、練習でやってきたことが全部飛んじゃうみたいな。でもここ最近は冷静に戦えるようになり、コンディション作りも上手になってきて、いい形に持っていけるようになってきたなって感じです。もちろん100パーセントではないですけど、徐々に自分の力を出せるようになってきて、それが戦績や試合にも表れてきた感じです」
――何か新しい練習を取り入れたり、変えたりしたわけではなく、自分の力を徐々に発揮できるようになってきたのですね。
「はい。昔は試合当日になると練習とは全く違うことをやっちゃっていて、自分に腹が立つことも多かったんですけど、それがなくなってきました。あと自分は試合になると緊張しないタイプだったんで、周りの声援に良くも悪くも乗せられちゃっていたんですよ。でも最近はいい意味でも緊張するようになって、その緊張感のおかげで練習してきたことを出せるようになってきたと思います」
――対戦相手の関原選手は2021年2月に対戦して一度敗れている相手ですが、どのような印象を持っていますか。
「気持ちが強くて“頑張る”タイプだと思いますね。相手をキツイ展開に引き込んでというか、そういう試合をやらせて、僅差で上回って競り勝つみたいな感じの相手ですよね。でも自分も練習ではそういうキツい展開も苦手じゃないので、練習通りやれば問題ないと思います」
――では次の試合も自信を持って戦うことが出来そうですか。
「そうですね。今までは根拠のない自信というか、『何となくいけるっしょ!』みたいな感じで戦っていて。それで勝つこともあったんですけど、最近は何となくではなく根拠のある自信になったというか。例えばたまに出稽古に行って、同じ階級の選手や一階級上の選手たちとやって、そこで言われることだったり、練習のパフォーマンスで自分に自信を持てるようになってきて。同じ階級の選手だったら全然負ける気がしないですね」
対象年齢をオーバーしていたけどダメ元で、格闘代理戦争の選手募集に書類を送ったんです
――力也選手はMMAPLANET初登場ですが、もともと格闘技を始めたのは何歳の時だったのですか。
「小学4年生の時に柔道を始めました。うちは8人兄弟なんですけど、兄貴が中学で柔道部に入って、その影響で始めた感じですね。柔道は中3まで続けて、高校から大学まではレスリングをやっていました」
――何がきっかけで柔道からレスリングに転向したのでしょうか。
「もともと小さい頃から格闘技が好きで、アーネスト・ホーストとかピーター・アーツの試合を見ていたんですよ。それで中学を卒業したら、上京してMMAをやろうと思っていたんですが、当時は体が小さくて中3で50キロないぐらいだったんで、周りからも『格闘技でやっていける訳がない』と言われて。自分は高校に行くつもりもなかったんですけど、中学時代に自分が柔道で勝っていた選手がレスリングもやっていて、その選手がレスリングの試合で地元の新聞に載ったんですね。それで周りが『レスリングでいけるんじゃない?』となって。母親がレスリング教室に連れて行ってくれて、練習に参加したんですよ。
自分としてはそこまで興味はなかったんですけど、その教室の先生から『君は真面目にレスリングをやったら全国で3本の指に入る選手になると思うから、高校に進学してレスリングをやった方がいい』と言われて、それだったらちょっとやってみるかと思ってレスリング部がある高校に進学して……って感じですね」
――実際に柔道よりもレスリングの方が良い成績を残すことが出来たのですか。
「そうですね。柔道でも県チャンピオンにはなったんですけど、レスリングは高校でインターハイ5位、国体で2位になって、推薦で日体大に進学しました」
――大学進学後はMMAをやりたいという気持ちはどのぐらいあったのですか。
「将来的にはMMAをやりたいと思っていたんですけど、大学レスリングはとんでもないレベルの世界でMMAのことを考えている暇はないな、と。それだったら今はレスリングに集中してオリンピックを目指して頑張ろうと思いました」
――ちなみにレスリング時代の同期やつながりがある選手でMMAに転向した選手はいますか。
「(太田)忍が大学の1年後輩で、毎日一緒に練習していましたね」
――最終的にレスリングでの最高成績はどのくらいだったのですか。
「大学2年と3年でインカレを2連覇しました」
――それでも最終的にオリンピックには手が届かず、と。
「そうですね。先ほど話したように大学に入った時、想像以上にレベルが高くてやばい世界だったんで、自分の中で大学4年間のうちにインカレで優勝することを目標にしていたんですよ。それで2年連続で優勝して、燃え尽きてしまったところもありますね」
――それでMMAの道に行こうと気持ちが切り替わったのですか。
「いや、高校から大学までずっとレスリング漬けだったので身も心も疲れちゃって、普通の生活に憧れるようになったんですよ。それで一度地元の長野に帰ってゆっくり働こうと思い、地元の工場に就職しました。その工場には2年くらい勤めていたんですけど、当時ABEMAでやっていた『格闘代理戦争』でKIDさんがチームの選手を募集するというニュースを見て、自分は対象年齢をオーバーしていたけどダメ元で書類を送ったんですよ。そうしたらまさかの書類選考を通過して2次審査に呼ばれて。ただ2年間ほぼ何もやってなかったら、2次審査でやったテストが全然ダメダメで、さすがに落ちたと思ったら最終選考にも残って。
おそらくレスリングの実績が評価されて、ちゃんと期間があったら動きが戻るだろうと思われて、最終選考まで残してくれたんだと思います。で、その時に改めて『俺はMMAをやりたいんだな』と思って、会社の社長に『格闘技をやりたんで、明日で会社を辞めていいですか?』と伝えて。いきなりだったけど、社長もすごく理解がある方で僕の決断を応援してくれて、その2日後には荷物をまとめて上京しました」
――まさに人生の岐路ですね。
「『格闘代理戦争』そのものは最終選考で落ちたんですけど、朴(光哲)さんから『素質があるんだから、今回はダメだったけどうちで格闘技を続けなよ』と言ってもらって、そのままKRAZY BEEの近くに家を借りてバイトを掛け持ちしながらKRAZY BEEに通い始めました。それで1年くらいかけて体を戻して、アマチュアの試合に出るようになって、2019年にパンクラスでプロデビューという流れです」
今回の試合に勝って、チャンピオンに挑戦して、DEEPのベルトを取ることしか考えてないです
――それからDEEPに参戦するようになり。現在はFIGHT FARMに所属していますが、これはどういう経緯で?
「KRAZY BEEから選手が何人か抜けた時に、自分もKRAZY BEEを離れることになって、最初はフリーという形で色んなジムに出稽古に行っていました。でも、めちゃくちゃ移動時間が掛かって不便だったんですよね。しかもアパートを更新するタイミングも来たので、千葉に住んでいる妹の家に少し住ませてもらっていたんです。いずれは都内に戻ろうと思っていたんですけど、千葉にいる間も練習したかったので、ジムを探していたら近くにFIGHT FARMがあって。
ちょうど出稽古先で齋藤翼選手と面識があったので『出稽古に行かせてください』と連絡して練習に行かせてもらうようになり、そうしたらFIGHT FARMの練習がめちゃくちゃよかったんですよね。『これだったら、わざわざ都内でジムを探して住まなくていいじゃん』と思い、そのまま千葉に住んでFIGHT FARM所属になりました」
――格闘代理戦争の話もそうですし、色々な偶然が重なって今の力也選手があるわけですね。そういった中で今の格闘家としての目標は?
「今、一番近い目標としてはDEEPでベルトを取ることですね。僕は年齢も年齢ですし、MMAは長くダラダラできるものではないじゃないですか。もしDEEPでチャンピオンになって、まだ滾るものや燃えるものがあったら、できる限りは上を目指してやっていきたいですが、今は今回の試合に勝って、チャンピオンに挑戦して、DEEPのベルトを取ることしか考えてないです」
――今回関原選手に勝てばタイトル挑戦の可能性も出てくると思いますが、そこは意識していますか。
「もちろんです。ここでいい勝ち方をしてベルトに挑戦したいです。きっとチャンピオンもこの試合の勝った方とやりたいと思っていると思うんで」
――最後に改めて関原戦への意気込みを聞かせてもらえますか。
「いつも以上に熱い試合をして、会場を盛り上げて、全力で倒しに行きます」
■DEEP130 視聴方法(予定)
3月20日(金・祝)
午後5時30分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■対戦カード
<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 倉本大悟(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者] 嶋田伊吹(日本)
[挑戦者] ストラッサー起一(日本)
<DEEPメガトン級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
<フライ級/5分3R>
関原翔(日本)
力也(日本)
<フェザー級/5分3R>
五明宏人(日本)
椿飛鳥(日本)
<フェザー級/5分2R>
木下カラテ(日本)
直樹(日本)
<バンタム級/5分2R>
魚井フルスイング(日本)
寺崎昇龍(日本)
<バンタム級/5分2R>
日比野”エビ中”純也 (日本)
山本有人(日本)
<ライト級/5分2R>
ケンシロウ(日本)
中谷優我(日本)
<フェザー級/5分2R>
鈴木大晟(日本)
奥村歩生(日本)
<アマチュア フライ級/3分2R>
秋元優志(日本)
谷口仁歩(日本)
<アマチュア バンタム級/3分2R>
高尾凌生(日本)
河島ノブヒデ(日本)
















