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【Pancrase360】70秒敗北&眼窩底骨折から再起&ウェルター級初勝利へ、内藤由良「もう一度ラスベガスへ」

【写真】コンテンダーシリーズは拡大傾向にあるということだが……そうなれば、日本人ファイターの出場機会も増えるのだろうか(C)MMAPLANET

21日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase360で、内藤由良が髙橋攻誠と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年9月Dana White’s Contender Seriesでの敗戦を経て、ウェルター級での再起を決意した内藤。しかし4月のゴイチ・ヤマウチ戦ではジャブの差し合いで左を効かされ、わずか70秒でのTKO負けという屈辱を味わった。

ウェルター級仕様の自分を見せられぬまま終わったゴイチ戦から8カ月。DWCS再挑戦を目指す内藤にとっては試合結果だけでなく、ウェルター級におけるパフォーマンスも試される一戦が迫ってきた。


ライト級の選手と練習しやすくなりました

――前回のゴイチ・ヤマウチ戦は1RTKO負けという結果でした。ダメージもあったと思いますが年内にもう1試合戦いたいという希望があったのですか。

「そうですね。実は前回の試合で眼窩底骨折してしまって、夏終わりぐらいから練習に復帰したんですよ。そこで年内に1試合やっておきたいと思い、パンクラスさんにお願いしていました。それで対戦相手を色々と当たってもらい、最終的に髙橋選手と試合が決まってホッとしました」

――内藤選手は昨年9月のDWCS参戦後、階級も含めて色んなことを変えてゴイチ戦に臨んだにも関わらず、1R1分10秒という短い試合で終わってしまいました。結果が出なかったことはもちろん、試合のためにやってきたことを出せずじまいに終わったことはどう捉えていますか。

「試合時間が短かろうが長かろうが、結局格闘技はどんなパターンでも終わることがあるものだと思います。強いて言えばもう少し長い時間試合をやりたかった気持ちはありますが、敗者に口なしなので。相手の方が僕よりも強かったという気持ちの方が強かったです」

――例えば階級を落として試合に向けて練習していて、どんな変化がありましたか。

「基本的に練習そのものは今までと変わらずなんですけど、ミドル級からウェルター級になったことで、ライト級の選手たちと練習できるようになったことが自分の中では大きいですね。今は(雑賀)ヤン坊(達也)選手と一緒にスパーリングさせてもらったり、練習相手が増えたことが変化です」

――なるほど。ミドル級はカテゴリー的に重量級に近いので、ミドル級より重い階級の選手と練習することが多そうですね。

「そうなんですよ。それこそGENで練習するとシビサイ(頌真)選手や上田幹雄選手もいて、どうしてもミドル級の僕からするとかなり大きいんです」

――逆にミドル級とライト級の選手はスパーリングしづらいですよね。

「はい。だからウェルター級にしてライト級の選手と練習しやすくなりました。世界にはライト級のスピード感を持っている選手もいると思うので、そういう面でもプラスだと思います。もちろん同階級(ウェルター級)では菊入(正行)選手とスパーリングさせてもらっていて、そこで技術交換もさせてもらっているので、練習の幅は広がった気はしますね」

――今までと同じ練習をするにしても、練習相手のバリエーションが増えることで気づくことも多そうですね。

「多いですね。そういう意味では階級を下げたのですが自分の体の変化というより、練習相手や環境の変化があった1年でしたね」

――今回は髙橋選手と対戦が決まって、対戦相手が決まった時の心境は?

「実は髙橋選手に決まるまで、対戦相手選びが難航したんですよ。何選手か候補が挙がってきて、こちらとしては『その相手でOKです』と返事をしていたなかで、調整がつかなかったり…そのなかで最終的に髙橋選手が試合を受けてくれて、感謝という感じですね」

――髙橋選手は約3年ぶりの試合で、対策を立てづらい部分もあると思います。今回は自分がどんなパフォーマンスを見せるかに集中していますか。

「そうですね。参考になるデータが少ない部分はありますが、逆に言えば海外でこういうこと(対戦相手の情報が少ない)はよくあると思うので。だからこれも一つのシミュレーションと言ったら失礼かもしれませんが、対戦相手の情報が少ない中で、どれだけ自分のパフォーマンスが出せるのかが試される試合だと思っています。これから海外で試合することを考えるなら、こういう状況の試合は増えていくと思いますし、もう一度DWCSに出ることになったら、今回のように相手の情報が少ないまま試合することはあると思います」

もう一度チャンスを掴んで、それをものにできるかどうかは自分次第

――それこそ海外では最新の試合映像が3年前のものしかない相手と対戦することもあるかもしれないですよね。

「はい。そういう部分も含めて、いい相手を用意してもらえたと思います」

――今のお話を聞いていてもウェルター級で“VS世界”にチャレンジすることが今の目標ですか」

「そうですね。同じ大会でウェルター級のタイトルマッチ(佐藤生虎×ゴイチ)が組まれていて、そのタイトルマッチがどうなるかは一旦さておき、自分としてはウェルター級で勝ち星を重ねて、ウェルター級で来年のDWCSに挑戦したいと思います。その中でベルトを取るチャンスがあればもちろん挑戦したいですし、それこそUFCにつながる大会であれば、海外で試合することも考えています。とにかく2026年中にUFCと契約したいという思いが大きいので、そのために戦っていきたいです」

――すべてはUFCと契約をするために、ですね。

「去年のDWCSは2RTKO負けに終わったのですが、あれからもう一度チャンスが欲しいという気持ちが強くなりました。あの時は初めてのことだらけで、色々なことを経験できましたし、あの間違いを繰り返さないことが大事だと思います。もう一度チャンスを掴んで、それをものにできるかどうかは自分次第ですし、チャンスをもらうためにも最低限評価してもらえるような試合と結果を残さなければいけないと思います。これからしっかり実績を積んで、来年はもう一度ラスベガスに挑戦したいです」

■視聴方法(予定)
2025年12月21日(日)
午後1時~ U-NEXT

■Pancrase360 対戦カード

<ウェルター級KOPC/5分5R>
[王者] 佐藤生虎(日本)
[挑戦者] ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)

<フェザー級王座決定戦/5分5R>
栁川唯人(日本)
カリベク・アルジクル ウール(キルギス)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
井村塁(日本)
田嶋椋(日本)

<バンタム級王座決定戦/5分5R>
コシム・サルドロフ(タジキスタン)
佐藤龍汰朗(日本)

<女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
KAREN(日本)
本野美樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
Ryo(日本)

<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
ISAO(日本)

<ライト級/5分3R>
天弥(日本)
クリストフ・キルシュ(ドイツ)

<ウェルター級/5分3R>
内藤由良(日本)
髙橋攻誠(日本)

<バンタム級/5分3R>
松井斗輝(日本)
荒田大輝(日本)

<フライ級/5分3R>
浜本キャット雄大(日本)
岸田宙大(日本)

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
神谷大智(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
クーパー・ロイヤル(豪州)

<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
小澤武輝(日本)

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