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【ONE173】与座がスーパーレックを撃破、秋元はウェイにリベンジ。どうなる? キック・バンタム級王座戦線

【写真】王者ジョナサン・ハガティーが負傷欠場するなか、日本の与座と秋元が勝利。今後のキック・バンタム級の王座戦線の動向が気になる(C)ONE

16日(日)有明アリーナで開催される「ONE173」。今大会ではバンタム級キックボクシングでスーパーレック・キアトモー9×与座優貴とウェイ・ルイ×秋元皓貴の2試合が組まれ、与座と秋元が勝利。フェザー級では勝ち星をあげられなかった日本勢だが、バンタム級では日本人選手が揃って勝利する形となった。
Text by Takumi Nakamura


<キック・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
Def.3-0
ウェイ・ルイ(中国)

今大会の第一試合に登場した秋元皓貴は中国のウェイ・ルイと対戦。両者は2024年5月に対戦経験があり、この時はウェイが判定勝利しているが、試合後に判定について「秋元が勝っていたのではないか」と意見が飛び交う一戦だった。今回の再戦も距離を取りながら戦うウェイとプレッシャーをかけて前に出る秋元という図式となり、結果は判定に委ねられることに。前回同様にどちらに転んでもおかしくない接戦だったが、今回は秋元に軍配が上がり、秋元がリベンジを果たした。

<キック・バンタム級/3分3R>
与座優貴(日本)
Def.3-0
スーパーレック・キアトモー9(タイ)

そしてムエタイ×空手の蹴撃対決にも注目が集まったスーパーレック・キアトモー9と与座優貴の一戦は、戦前の予想と期待通りのハイレベルな蹴りの攻防が繰り広げられる。空手仕込みの多彩な蹴りで攻めたい与座に対し、スーパーレックは的確なカットと抜群のタイミングで放つ前蹴りで応戦。一進一退の攻防が続くなか、与座がスーパーレックのミドルに対するカウンターのローを当て、何度かスーパーレックを転倒させる場面も作る。そのまま試合終了となり、与座がスーパーレックから殊勲の勝利を収めた。

大会前のプレビュー記事でバンタム級の激戦区ぶりについて触れたが、与座と秋元の勝利で上位戦線はさらに混戦模様。今回の勝利で与座はONE無敗だったエルブルース・オスマノフ、元王者でランキング3位のペッタノン・ペットファーガス、元ムエタイ王者でランキング5位のスーパーレックを下して3連勝を果たした。一方、ランキングで言えば秋元が1位のウェイ・ルイに勝利しており、この結果がランキングにどう反映されるかが気になるところだ。

さらにこの日はバンタム級ムエタイ王者のナビル・アナンがフェザー級キックボクシングで和島大海に判定勝利。これまでムエタイルールで戦ってきたアナンだが、キックルールへのチャレンジも明言しており、タイトル戦線に絡んでくることは間違いないはずだ。

現王者ジョナサン・ハガティーの肩の怪我が長引けば(※当初今大会でアナンとハガティーのムエタイ王座戦が組まれていたがハガティーが負傷欠場)、復帰までの間に暫定王座戦が組まれることが濃厚。そのなかで2026年4月29日に有明アリーナ大会も発表されており、そこで暫定王座戦が組まれる可能性もある。

仮に暫定王座戦が組まれるとして、ランキングに沿う形でトップコンテンダーになるのは秋元、直近の試合で王者クラスに連勝しているのは与座、ムエタイ王者の肩書きとインパクト&サプライズという意味ではアナンと候補選手は多く、どの切り口でマッチメイクするかで対戦カードの顔合わせは変わってくる。

主要選手の結果によって様々な流れがある激動のバンタム級、2026年4月の日本大会に向けてどんな展開が生まれるかに注目したい。

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