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【RIZIN LANDMARK14】扇久保博正に挑戦、神龍誠「扇久保への感情は試合中は切り離さないといけない」

【写真】大会前に東北楽天ゴールデンイーグルスの始球式にも参加した神龍誠。公開練習では楽天イーグルスのユニフォーム着用で登場した(C)TAKUMI NAKAMURA

6日(土)、仙台市太白区のゼビオアリーナ仙台で開催されるRIZIN LANDMARK14で、神龍誠が扇久保博正の持つRIZINフライ級王座に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

4月のRIZIN福岡大会でエンカジムーロ・ズールーに一本勝ちし、扇久保への挑戦権を勝ち取った神龍。実はズールー戦の前にRIZIN榊原信行CEOに「僕が一本取ったら挑戦者にしてください。もし一本取れなかったら、タイトルマッチはなしにしてください」と直談判し、誰もが納得する形で扇久保に挑戦状を叩きつけたかったという。

神龍にとっては待ち臨んだ、そして自らの力で掴み取った扇久保との再戦。今回もリング上や公開練習で一触即発の場面があり、神龍は「(扇久保のことは)嫌いは嫌いです。それは一切変わらない」とはっきり言いつつ「ただ熱くなりすぎず、試合は試合という風に考えている」と勝利への執念を静かに燃やしている。


ガチスパーのおかげでビビらなくなった

――前回のエンカジムーロ・ズールー戦は見事な一本勝ちでしたね。まずはズールー戦から振り返っていただけますか。

「動きは良かったんじゃないですかね。打撃に関しても、僕のスピードについて来られていないなと思ったし、今回は自分から組みに行かないようにしていたんです。打撃でしっかり勝負して、その中でのテイクダウンという考えで、ズールーの蹴りをキャッチしてテイクダウンした形だったので、考えていたことを遂行できたと思います」

――いきなり組まずに打撃で勝負するというのは練習の段階から想定していたことですか。

「やっぱり僕の強みは組みだし、そこはズールーにも警戒されているじゃないですか。ズールーはめちゃくちゃ組みの対策をやっていると思ったんで、相手が想定している通りにいきなり組みついても、上手くいかない可能性の方が高いと思っていました。だから打撃でも勝負しつつ、そこでテイクダウンの隙ができたら取るみたいな。そうやって全部で勝負しようと思っていました」

――なるほど。ズールーが神龍選手のテイクダウンを待っているところに入っても、それは得策ではないという考えだったのですね。

「はい。やっぱり相手が上手くなればなるほど、対策はしっかりやってくると思うし、そこに無理やり自分のやりたいことを押し付けても、それは違うなと思って戦いました」

――実際にスタンドの打撃に関してもズールー相手に神龍選手の打撃がテンポよく出ていたと思います。

「全部僕のペースだったと思いますね」

――テイクダウンしてからの流れは、自分の得意なパターンですか。

「そうですね。テイクダウンしてからも、全部思った通りにいきましたし、アームロック(キムラ)は練習で取ることもある技で。あとズールーは手が長いじゃないですか。アームロックは腕が短くて筋肉質な選手よりも、腕が細長い選手の方が極めやすいんですよ。腕が引っかかりやすいというか。だから試合直前にグラウンドの打ち込みをやっている時も、アームロックを取れるんじゃないかなと思っていて、アームロックを極めるイメージは出来ていました」

――こうしてお話を聞いていても、神龍選手がイメージしている通りの試合展開だったようですね。

「そうですね。本当に一番いいパターンで勝った試合だったと思います」

――その辺りもATTで練習した成果が活きていましたか。

「試合前にインタビューしてもらった時に、米国でガチスパーをやるようになったという話をしたじゃないですか。ガチスパーのおかげでビビらなくなったというか、打撃に慣れたというか。今までは『打撃をもらったらどうしよう…』と考えてしまうことがあったんですけど、相手の打撃がちゃんと見えていれば、仮にもらっても簡単に倒れることはないと分かったし、接近戦になってもしっかり勝負できる。自分の打撃のスキルにも自信がついて、そういう面では変わってきたと思いますね」

――また練習メニューの中にガチスパーの日があると、そこに向けてコンディションも作るので、そういった意味でも試合を想定した調整が出来ますよね。

「火曜と木曜がスパーの日なんですけど、ちょうど水曜が調整する日なんですよ。午前中はちゃんと動くけど、午後は疲労が溜まっていたらオフにして木曜日に備えるみたいな。本当にスパーというよりも試合に近い感覚で準備していて、いい意味で試合がスパーリングみたいな感覚になりましたね」

――そういった調整を続けていると、なおさら練習で積んできた動きを試合で出せるようになると思います。

「そうですね。ATTに行くまでは試合で緊張することがあったんですけど、ATTから帰ってきたあとのヒロヤ戦は全然緊張しなかったんです。その時はヒロヤ選手と過去にスパーリングをしたことがあるから、緊張しないのかなと思っていたんですけど、ズールー戦も同じ感覚だったんです。だからATTでのスパーリングのおかげじゃないですけど、本気のガチ慣れをしてきたんだなと思います」

――そしてRIZIN仙台大会で扇久保博正選手の持つタイトルに挑戦することが決まりました。神龍選手としてはズールーに一本勝ちしたら挑戦すると決めていましたか。

「そうですね。自分でもそう決めていたし、RIZINの事務所に行った時、榊原さんには『僕が一本取ったら挑戦者にしてください。もし一本取れなかったら、タイトルマッチはなしにしてください』と直接伝えていたんです。タイトルマッチをやるにしても自分も周りも納得する形でやりたかったし、試合前に自分にプレッシャーをかけようと思って。そしたら榊原さんが僕の心意気を買ってくれて、『それだったら6月にタイトルマッチを組む』と言ってもらっていました」

――試合後に扇久保選手がケージに上がり、マイクでやり合う一幕もありました。試合後のマイクのことは考えていたのですか。

「いや、別に何も考えていなかったですね。扇久保が解説をやることは聞いていて、一本勝ちしたらマイクあり、変な勝ち方したらマイクなしと言われていました。それで一本勝ちしたからマイクをもらって…ですね」

――ケージでのやりとりも含めて、タイトル戦が正式に決まった時の心境はいかがでしたか。

「心境……自分の力で引き寄せたという気持ちはあります。前回の対戦もほとんど差がない試合(2024年7月、神龍が判定負け)で、僕は全く納得いっていなかったし、そこで仲直りする感じもなかったので、今回の再戦に向けて全てのことに意味があったのかなと思いますね」

――確かに前回の対戦後、あそこで完全決着がついたという感じではなかったと思います。

「言ったら白黒はっきりしないような試合だったじゃないですか。僕は絶対もう1回やると思っていたので、それが2年の時を経て叶う感じですね」

――あの試合以降、RIZINフライ級GPが開催されて扇久保選手が優勝。神龍選手は準決勝敗退に終わったものの、ワンマッチで勝利を重ねて王座挑戦に辿り着いた。まさにすべてが今回のタイトル挑戦につながっているように感じます。

「本当にそうだと思います。僕がフライ級GPで負けていなかったら、ATTには行っていないかもしれないし、全ての負けにも意味があったと思います。負けを経験したことで僕の選択や決断が変わって、満を持してじゃないですけど、すべてにおいて準備万端だと思います」

今は扇久保博正がそういう頭がおかしい人間だということが分かっている

――今現在、扇久保選手に対する感情は?

「嫌いは嫌いですね。それは一切変わらないです。ただ熱くなりすぎず、試合は試合という風に考えていますね。前回の対戦の反省点でいうと、僕が熱くなりすぎて『どうしても勝たなくちゃいけない』、『ポイントアウトしてでも勝たなくちゃいけないみたい』になって、自分で自分の良さを消していたと思うんですよ。だから扇久保への感情は、試合中は切り離さないといけないし、しっかりフィニッシュを狙う、僕が殺しを持って戦わないといけないなと思いますね」

――前回は悪い意味で感情が入り過ぎていたのですね。

「はい。あの時はずっとイライラしていたんですよ。僕も色々と言ってきましたけど、父親のことを言われるとは思っていなかったので、めちゃくちゃカチンときたんですよ。それで絶対負けられないみたいな、変なスイッチが入っちゃって。でも今は扇久保博正がそういう頭がおかしい人間だということが分かっているから、何を言われても別に驚かないし、冷静に戦えると思います」

――対戦相手として扇久保選手への印象も変わらないですか。

「1回戦ってみて分かったこともあるし、直近の試合でどう動いているかとか、どういう癖があるかは見ています」

――ところで、今回は米国に行かずに日本で調整する形ですか。

「そうですね。前回の試合から期間も短いので、日本でしっかり調整しようと思っています。あとは扇久保対策としてホセ・トーレスをトレーニングパートナーとして日本に来てもらうんですよ。トーレスと一緒にしっかり仕上げていこうと思います」

――またこの一戦は神龍選手の地元仙台で行われます。地元で戦うことに特別な想いはありますか。

「僕は震災のあとに上京したんですけど、プロデビューした頃は地元で試合が出来るとは一切思っていなかったです。ただもし地元の大会に出ることになっても、本当は自分がチャンピオンになってメインイベンターとして出たかった。ちょっとそれとは違う形にはなりましたが、メインでしっかりチャンピオンになって大会を締めるというのは最高ですね」

――それでは神龍選手のタイトル戦を楽しみにしているみなさんにメッセージを下さい。

「僕が仙台大会をめちゃくちゃ盛り上げて、チャンピオンになって今度こそ新しいフライ級の時代を作ります」

■視聴方法(予定)
6月6日(土)
午後1時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN LANDMAR14対戦カード

<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 扇久保博正(日本)
[挑戦者] 神龍誠(日本)

<59キロ契約/5分3R>
元谷友貴(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
貴賢神(日本)

<ライト級/5分3R>
ブラックパンサー・ベイノア(米国)
芳賀ビラル海(日本)

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
ISAO(日本)

<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
加藤瑠偉(日本)

<フェザー級/5分3R>
直樹(日本)
黒井海成(日本)

<バンタム級/5分3R>
赤田功輝(日本)
井上聖矢(日本)

<フライ級/5分2R>
颯斗(日本)
湯浅帝蓮(日本)

<キック 67.5キロ契約/3分3R>
齋藤紘也(日本)
TAaaaCHAN(日本)

<キック 56.5キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
内田晶(日本)

<キック 62キロ契約/3分3R>
岩城悠介(日本)
中泉翔(日本)

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