【Shooto2026#05】インフィニティ優勝→渡辺彩華に挑戦、高本千代「挑発されたことに気づいてなくて」
【写真】真っ直ぐさ、素直さが感じられるインタビューです(C)TAKAMOTO DOJO
20日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2026#05で、高本千代が修斗世界女子スーパーアトム級王者の渡辺彩華に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura
昨年のインフィニティリーグでは片山智絵と引き分けたものの、嶋屋澪、erika、村上彩に勝利して優勝を果たした高本。この結果を持って渡辺の持つ世界王座への挑戦が決まった。王者・渡辺が約2年ぶりの復帰戦になるのに対し、高本はコンスタントに試合を重ねて着実に実力をつけてきた。「私自身、すごく運動神経が悪くて、タイトルマッチができる選手になるとは思っていなかった」という高本にベルトに挑む心境を訊いた。
村上戦は組み立てを考えるということで学びになったなと思います
――試合前のインタビューありがとうございます(※取材は7月14日に行われた)。最終調整に入っている段階だと思いますが、ここまでの仕上がりはいかがですか。
「ちょっと自分でも苦手だなと思っていたところ、コーチからもっとこうした方がいいよと言われているところを今まで以上に打ち込みなどでより形にできるように練習してきました。自分史上1番いい仕上がりなのではないかと思っています」
――その辺りはMMAのキャリアを積むことで分かってきたことですか。
「私はアマチュアMMAの歴がだいぶ長くて、まだプロでは9戦しかしていないので、アマチュアとプロの乖離というか、少しずつアマチュアからプロに合わせていく中で、試合経験を積んで分かったことを練習しています」
――高本選手はプロデビューから初勝利まで時間がかかりましたが、少しずつプロの戦い方が分かってきた、と。
「アマチュア時代は引き込んで下から極めることも多かったのですが、パウンドがあると全然変わるじゃないですか。そういうところも含めて自分の試合を見直しても、自分のスタイルが変わってきたかなと思っています」
――今年に入ってからは1月にerika選手にKO勝ち、3月に村上彩選手に判定勝ちと連勝中で、インフィニティリーグ2025優勝を果たしました。この2試合でどんなことがプラスになりましたか。
「1月のerika戦は、今まで立ちで四つ組みになったところで倒せるか倒せないかという課題があったのですが、あの試合ではバックに回って投げるという動きに初挑戦して、それが大分上手くいったのでよかったなと思います。
3月の村上戦は相手が柔術黒帯で寝技的にもMMA戦績としても格上の選手だったので、その選手にどう試合を組み立てるかを考えていました。寝技に関しても、完全に勝てたかと言われると微妙なところではあるのですが、MMAとして勝てたことは自信にもなりましたし『こういう試合の組み立て方がいいんだな』ということが分かったり、組み立てを考えるということで学びになったなと思います」
――特に村上戦は蹴りとテイクダウンを混ぜた戦い方が見事にハマった試合だったと思います。ああいった試合運びはゲームプランの一つだったのですか。
「元々私は打撃だったら蹴り主体のスタイルで、そこからどう組みにつなげるかをずっと課題にしていたんですね。そこをコーチが色々と教えてくださって、一つのプランとしてやった感じです」
4人兄妹で、4人とも格闘技をやっていたので、私が練習を休むと『なんで姉ちゃん休んだんだよ!』という下からの圧力がありましたね(笑)
――MMAPLANETとして高本選手のインタビューは初となります。格闘技を始めたきっかけから教えてください。
「ちょっと記憶が定かではないですが11歳か12歳、小学校高学年の頃に自宅で父(高本裕和)に柔道を習っていたのが最初ですね。それからちょっとずつ道場でも練習するようになって今に至ります」
――柔道時代からMMAにも興味もあったのですか。
「そこもちょっと微妙で、柔道そのものはあまり得意ではなくて、そういう意味でMMAをやりたいなとは思っていました。でもそれ以上に格闘技をやる流れというか、家族みんながやっていたから辞められないというか。『自然とみんなで頑張るぞ!』という感じでしたね(笑)」
――格闘技をやることが身近にある環境だったのですね。
「むしろお父さんはそこまで『格闘技をやれ!』や『なんで練習に来ないんだ?』とは言わないんですよ。ただ私は4人兄妹で、4人とも格闘技をやっていたので、私が練習を休むと『なんで姉ちゃん休んだんだよ!』という下からの圧力がありましたね(笑)。で、実際に弟や妹たちもどんどん強くなっていたので、それに負けていられないなという気持ちもあり、練習するしか選択肢はないみたいな感じでした」
――ご兄妹もみなさん格闘技をやっているのですか。
「2つ下の弟はMMAはやっていないですが柔道を頑張っていて、その下の弟(哲至)はMMA甲子園で2度優勝して、アマチュア修斗に挑戦したり、色々とMMAのアマチュアの経験を積んで、将来的にはプロを目指していると思います。妹は将来的にどうかは分からないですが、柔道も柔術もMMAもバランスよく頑張っている感じです」
――高本選手は基本的にすべて高本道場で練習しているのですか。
「そうですね。強いて言えば、コーチが他のところでも指導しているので、そこで教えてもらったりするぐらいです」
相手の土俵でもファイトして、最終的には自分の土俵でファイトして勝とうと思っています
――今回修斗で世界タイトル挑戦が決まった時の心境は?
「決まった時の心境としては信じられないというか『本当に私がタイトルマッチ?』という感じでした。私自身、すごく運動神経が悪くて、タイトルマッチができる選手になるとは思っていなかったので、こういう素晴らしい舞台に立てるようになったことが信じられないし、純粋に嬉しいです」
――対戦相手の渡辺彩華選手にはどんな印象を持っていますか。
「すごく打撃が強いストライカーなので、元々空手などをやってらっしゃったりしたのかなと思っていたんですけど、色々調べてみたら柔道家ということが判明して。あちらは大学まで柔道をやっていて、私も高校まで柔道の練習をやっていたのですが、高校生で試合に出るのはやめちゃって。根本の部分としては変わらないと言ったらおかしいですけど、いいぶつかり合いができるんじゃないかなって思っています」
――試合決定時の挨拶で渡辺選手から「社会も格闘技も知らない良い子ちゃんに現実を教える」と挑発され、「良い子ちゃんと褒めていただき、ありがとうございます」とかわしていましたが、隣で聞いていてどう思いましたか。
「本当は『“いいこちゃん”という挑発に対して、あえて“ありがとうございます”と返しました』とかっこよく言いたいところですけど……最初は挑発されたことに気づいてなくて、本当に褒められたものだと考えて『なんて優しい人なんだろう』とか思っちゃったんですよ。それであとあと周りから『挑発されていたよね』と言われて、挑発されていたんだと気づきました(笑)」
――素で「ありがとうございます」とコメントしていたんですね(笑)。
「挑発されているのが分かっていたら、ちゃんと挑発に乗ればよかったなと思います(笑)」
――とはいえ渡辺選手は約2年ぶりの試合で、高本選手はインフィニティリーグで優勝するなどコンスタントに試合を続けてきました。そういった部分の差を見せたいという気持ちはありますか。
「試合までの期間はあまり意識しないんですけど、試合勘は試合をしていないと段々落ちていくものだと思います。逆に私はこの一年間コンスタントに試合をさせていただいて、試合勘はあると思いますし、一年間通してずっと追い込んできたので、そういう面でちゃんとやれば負けないんじゃないかなと考えています」
――今回どのような試合をしてベルトを巻きたいですか。
「父の言葉を借りることになるのですが、相手の土俵でもファイトして、最終的には自分の土俵でファイトして勝とうと思っています」
――今の話にもあるようにジムの代表であり、父の高本裕和代表の存在は大きいですか。
「ワールドマスターだったり柔術の世界大会を優勝していたり、何かしらで一番になっていることはすごいと思うし、尊敬しています」
――今回のタイトル戦を楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。
「可能な限り渡辺選手と会場を盛り上げて、会場だけではなく中継を見てくださるお客様も、会場で見てくださるお客様も楽しめるような試合をしようと思っていますので、応援よろしくお願いします」
■視聴方法(予定)
7月20日(月・祝)
午後6時00分~ ツイキャスPPV
■Shooto2026#05 対戦カード
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 渡辺彩華(日本)
[挑戦者] 高本千代(日本)
<修斗世界ミドル級王座決定戦/5分5R>
岩﨑大河(日本)
荒井勇ニ(日本)
<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
中池武寛(日本)
<バンタム級/5分3R>
スソン(日本)
ジェイク・ムラタ(日本)
<女子アトム級/5分3R>
中村未来(日本)
嶋屋澪(日本)
<バンタム級インフィニティリーグ/5分2R>
武田勇輝(日本)
上杉隼哉(日本)
<バンタム級/5分2R>
松下祐介(日本)
伊集龍皇(日本)
<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
ライダーHIRO(日本)
<フェザー級/5分2>
澤江優侍(日本)
塩沼諒太(日本)
<トライアウト フェザー級/3分2R>
田中永遠(日本)
加藤岡善(日本)


















