【RIZIN51】Fight&Life#111より。GP準決勝敗退。トップとギロチン、神龍誠「今の判定基準は難しいです」
【写真】敗北をしっかりと受け止め、次に繋げようという意思が強く伝わってきた(C)MMAPLANET
本日23日(木)から発売中のFight&Life#111に神龍誠のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima
自らの時代を切り開く。そんんあ強い意志の下、RIZIN World GPフライ級トーナメントに挑んだ神龍だが、準決勝で元谷友貴の軍門に下った。
「打撃で行くつもりだった」と当初のプランとは裏腹に、試合ではすぐに組んでテイクダウンを狙う展開になった。「思いのほか、テイクダウンが取れてしまって。ただ取れたあとにカウンターを取られたことも、敗因……誤算ではあります」という神龍。
現状、世界のMMAの判定基準は明確にダメージ重視でテイクダウン&コントロールを続けても、インパクトのある打撃一発で判定を持っていかれることは十分にある。ましてやラウンドマストでなく、3Rを通してのRIZINルールでは極端な話――15分間中14分間コントロールしても、1度腰を落としたら試合も落とす可能性すらある。
それでも元谷を相手にテイクダウンからトップを取る戦いをした神龍は、極まらないギロチンとトップキープに対するジャッジの評価に明確な答えを持つことなく戦っていたことを吐露した。トップとギロチン。ここでは神龍誠インタビューから、この部分の神龍の言葉を抜粋して紹介したい。
――倒すのではなくて、ワキを潜ってスタンドバックという選択肢はなかったですか。
「それもあるし、入れます。でも元谷さんがもうギロチンで準備をしていたように思います。やはり準備をしている動きは僕の突発的な動きより瞬間、速いです」
――確かにスクランブルで神龍選手がアンダーフックに入った時には、ギロチンで抱えていました。その一連のギロチンも判定に響いたかもしれないです。
「そこが……今の判定基準は難しいです。以前はテイクダウンを許して、下は不利だからフロントチョークを外して動けということだった」
――ハイ。極まらないサブミッションは評価外ですし。
「それが今はキャッチが入ってしまったら、抱えておけば良いわけで。極端な話、5分間フロントチョークで抱えていればリードできる」
――サブミッションの仕掛けを優位とすると、掛け逃げを誘発します。特に優位なポジションからの仕掛けでない場合は。バックチョークなら極まらなくても、有利なポジションの優位性は残りますが。
「掛け逃げ……言い方は悪いけど、そうなりますよね。だからこそ、今の裁定基準って勉強しないといけないなって思います。ずっとフロントで抱えられることは想定していなかったです。逆にそこから動きが創れるので、抱えられるとラッキーぐらいに思っていました。それが固められてしまった。僕はフロントは極まらない人じゃないですか」
――そう伺っています。摩訶不思議ですが。
「極まらないから、上にいるほうが有利なのかという考えもあったし。難しかったです」
――元谷選手は、神龍選手が動くとリバーサルという手があったかと。
「ハイ。下手に動くとひっくり返される。凄く上手かったです。『じゃあ、どうすれば良いの』という感じになっちゃって。あのまま動けなかったです。抱えている間、元谷さんは凄く深呼吸をしていたんです。それでも優位にした。ベテランの巧さですよね。そういう意味で、僕は未熟だったと思います」
――入っていないと指を振るとか、そういうアピールをするファイターもいます。
「それで判定に優位になるなら、やりますけどね」
――逆に苦しいから、していると取られてしまうかもしれないですし。
「難しいです。タップすることはない攻撃なのに。これも相手が元谷さんでなければ、抱えられたことを有利にできます。でも元谷さんはフロントのバリエーションが多くて」
――最後はマルセロチンでしたね。あれも苦しくないのですか。
「苦しいは、苦しい。でもタップするような苦しさじゃない。それに、どんな下手な絞めでも絞められると苦しさはあります。だからこそ、元谷さんと戦う時はもう少し考えないとダメですね」
元谷戦の敗因、ATT行きの理由。そして、大晦日にアリベク・ガジャマトフをコールアウトした真意問等を話した神龍誠インタビューが掲載されたFight&Life#111は本日23日(木)より発売中です。