この星の格闘技を追いかける

【UAEW64】暫定王者アブバカルが、正規王者ヒベイロに削り勝ち。UAEWフライ級王座を統一

【写真】フライ級王座を統一したのはアブバカル。藤田大和のターゲットが決まった(C)UAEW

<UAEWフライ級王座統一戦/5分5R>
ムヒディン・アブバカル(ソマリア)
Def.3-0:50-45.49-45.49-46
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

正規王者ヒベイロと暫定王者アブバカルのフライ級の頂上を決める一戦。UAEW公式ではソマリア国籍と紹介された英国在住のアブバカル。ルタリーブリがベースのヒベイロが左に回る。中央を取ったアブバカルと、踏み込んだヒベイロの右の相打ちに。直後に右フックを見せたアブバカルがスイッチする。ヒベイロは右を伸ばし、右インローから右を振るって前に出る。アブバカルがヒザを狙うが、組みついたヒベイロがシングルで押し込む。ウィザーのアブバカルが、右エルボーを側頭部に入れる。

ヒベイロはボディロックに移行するが、右腕を差し返したアブバカルが差し上げテイクダウンを決める。サイドからエルボーを落とされたヒベイロが足を戻してクローズドガードに。エルボーで左の額をカットしているヒベイロは、グラウンドでもヒジを落とされる。腰を上げたアブバカルが、2発、3発と左エルボーを打ちつける。ハーフからシングルのヒベイロが潰されて、潜りにいくが今度は右のエルボーを纏められる。残り10秒で立ち上がったアブバカルは、ローを蹴りラウンド終了前にヒベイロから離れた。

2R、右ローを蹴ったアブバカルがスイッチ。直後にヒベイロが右を当てる。ヒベイロは右ハイを続け、アブバカルの左ヒザにダブルレッグを合わせる。

スプロールしたアブバカルがダースチョークから、バックに転じてボディトライアングルへ。アブバカルは後方からパンチを入れ、絞めの機会を伺う。強力なボディトライアングルに暴れることができなくなってきたヒベイロはパームトゥパームに捉えられるが、体の向きを変えて防御。

残り2分、アブバカルのバックグラブが続く。胸を合わせに行くヒベイロに対し、半身で足のフックを続けたアブバカルだが、最終的には背中をつけてガードを取らされたところで時間となった。

3R、すぐに右を振って前に出たヒベイロに対し、アブバカルがバックステップで反応する。左前蹴りのアブバカルは、右ハイをガード。ヒベイロは右ストレートから、スピニングバックエルボーも空を切る。アブバカルは右ジャブを伸ばし、パンチが粗くなったヒベイロに組みを狙う。

ケージを背負ったヒベイロが、ヒザ蹴りへ。ここにダブルレッグを合わせたアブバカルは、スクランブルから組みの攻防も自ら離れ右を当てる。

ヒベイロはスピニングバックキックも当たらず、ボディにヒザを受ける。息が粗くなってきた両者、アブバカルがスピニングバックエルボーを連発するが、逆にバックを取られる。スイッチ狙いから離れたアブバカルに対し、左右のフックを振るうヒベイロだったがダブルレッグでテイクダウンを許す。右腕を差してレッスルアップ狙いも、潰されたヒベイロは序盤の3Rを全て失ったか。

4R、右カーフを蹴りあった両者。疲れがより見えるのはヒベイロか。ドタバタしたスタンドの展開でヒベイロは指が目に入ったとレフェリーにアピールするも、流されケージを背負う。ヒザ蹴り、右エルボー、さらに右ヒザを顔面に入れてダウンを奪ったアブバカルがエルボーを纏める。一度息を整えるためかペースを落としたアブバカルは、潜りを潰して右エルボーを連打する。

ヒベイロはヒザ十字狙いも、素早く反転して足を抜いたアブバカルが立ち上がることができず亀の正規王者を殴りにいく。引き込んだヒベイロは、枕でプレッシャーを掛けられパス&マウントを取られる。ハーフに戻されても、パンチを落とすアブバカルのドミネイトが続く。必死にクローズドガードで守るヒベイロは腕十字から足関狙いも、アブバカルは簡単に足を抜き、初回に続きタイムアップ前にコーナーに戻る仕草を見せた。

5R開始前にドクターチェックを受けたヒベイロ。カットは問題なく、最後の5分に。勝利にはフィニッシュしかないヒベイロが、左右のパンチを振るう。アブバカルの左ミドルにも右を合わせ、左右のフックを放つ。KO狙いで振りが大きくなったヒベイロに対し、間合いを取ったアブバカルが冷静にダブルレッグでテイクダウンを奪う。

ヒベイロはバタフライガードも、アブバカルが右足を抜いてハーフへ。フルガードに戻されても逆側に足を抜くアブバカルは、左のパンチを的確に入れるとバックに回る。胸を合わせようとするヒベイロの手首を取ってバックをキープしたアブバカルがボディトライアングルに。それでもヒベイロが胸を合わせてトップを取る。

シングル&レッスルアップ狙いのアブバカルに対し、ヒールを仕掛けたヒベイロ。これを抜かれると、亀から前転して引き込む。パンチを落とし、ヒベイロのシングルも頭を抱えて後方にリバーサル。マウントを許さず、足を入れたヒベイロは最後まで勝負を諦めなかったが、終盤はほぼ一方的に試合を支配された。

結果は3-0でアブバカルが、UAEWフライ級王座を統一。このアブバカル、そしてバンタム級王者となったアサフ・チョプロフにしてもアブダビ王族の庇護の下、コンテンダーシリーズやLFAと対局にあるファイトを繰り広げ自力をつけている。仮に彼らがコンテンダーシリーズからUFCを目指した場合、フィニッシュ絶対ファイトに切り替えることができるのか。今後も注視したい若き砂漠のチャンピオン達だ。

と同時にショートノーティス以外はUFCとの契約は少なくなった現状、即UFCがなければアブバカルもUAEWに暫くは留まることになる。この間に藤田大和の王座挑戦が実現する可能性も十分にあるUAEWフライ級戦線だ。


PR
PR

関連記事

Movie