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【ONE FF145】MMA甲子園優勝からプロ3連勝→セドーと初の国際戦へ。足立晃基「僕が持っている瞬発力」

【写真】所属するM3A FITのMIKE代表と。奈良から世界へ――(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FF145で、足立晃基がジェイソン・セドーと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

足立は2024年2月、初めて開催されたMMA甲子園全国大会のフェザー級を制し、同年9月にグラチャンでプロデビュー。1年のブランクを挟み、ここまで3連続フィニッシュ勝利を収めている。その足立がONE FFで初の国際戦、初の海外での試合に臨むこととなった。現在のキャリアを考えると、このままグラチャンでランキング戦からベルト挑戦に至ることも考えられた。なぜここでONE FFに出場するのか――そこにはグラチャンでのベルト獲りと、その先に見据えた「世界」があった。


デビュー戦の1カ月後ぐらいに、練習中に右の後十字靭帯を損傷しました。ジムに来る時は片足でケンケンしながら……

――ONE FFでの試合を控えている足立選手です(※取材は2月27日に行われた)。まずは出場に至った経緯から教えてもらえますか。

「前回の試合(昨年12月、野澤海大にシザースチョークで勝利)で勝った後にすぐ、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ)代表からONE FFの話をいただいて、今回出ることになりました」

――野澤戦の前からあった話ではないのですね。

「何も聞いてはいなかったです。だから突然に(笑)」

――足立選手はMMA甲子園で優勝し、プロデビュー後はグラチャンで3連続一本勝ち。このまま勝ち進めばベルト挑戦も近かったと思います。そんななかでONE FFで戦うというのが意外でした。

「僕の目標は、グラチャンのベルトを獲ってから海外で戦うことです。そのためにも一度海外で試合をしておくこと。しかもONEという大きい舞台で、今までとは違う大きな会場や多くの観客の前で戦うのは、自分にとっても良い経験になると思います」

――なるほど。足立選手にはMMA甲子園で優勝後、プロデビュー前にインタビューしていました。その後ここまで3連勝を収めていることで、手応えもありますか。

「怪我とか色んなことがあって――まだ3試合しかしていないけど、自分にとっては短いようで長かった期間でした」

――2024年9月のプロデビュー戦から、2戦目まで1年空いていました。ブランクの要因は何か大きな怪我があったのですか。

「デビュー戦の1カ月後ぐらいに、練習中に右の後十字靭帯を損傷しました。靭帯が切れてはいなかったけど伸び切っていた状態で、1年間も試合ができなくなってしまったんです」

――MMAを始める前、体操をやっていた時代に、それだけ大きな怪我をしたことはありましたか。

「一度、右の足首の靭帯が伸びたことはあります。かなり前のことで……当時は半年ぐらいで練習に復帰することができたんですよ。1年間もブランクが空くのは、あの時が初めての経験でした。足が曲がらない、階段の上り下りもできないという状態で、半年間ぐらいは日常生活にも影響を及ぼしていましたね」

――その期間の移動は、車椅子や松葉づえを利用して?

「そうですね。最初は車いすを使っていて、ジムに来る時は片足でケンケンしながら……」

――えぇっ!? なぜその状態でジムに行っているのですか。

「怪我してから2カ月後ぐらいかな? ジムに来てシャドーとかやってみたんですよ。やっぱり全然思うようには動かなくて(苦笑)」

――……それは安静にしていないと。

「アハハハ、本当はダメです。でも、どうしても練習したくて。せっかくMMA甲子園で優勝してプロデビュー戦も勝ったのに、ここで練習していなかったら何か置いていかれる気がしました」

――そんな状態で足立選手がジムに来たら、MIKE代表も驚くでしょう。

「ビックリされましたね。来たらダメだよ、って(苦笑)」

MIKE それは驚きますよ。『え、マジか』と。怪我した時、僕も見ていて――誰かに怪我させられたとかじゃなく、自爆というか。

僕が持っている瞬発力は負けないと思っているので、しっかりとフィニッシュしたい

――自爆、というと?

MIKE 無理な体勢からカーフスライサーを狙った時に、ヒザがバキッと。

「自分より階級が上の相手の足を極めようと思ったら、自分の足が極まってしまいました……」

――何を面白く言おうとしているのですか(苦笑)。そこから半年間も休むと、練習を再開した時には体の力も落ちていたでしょう。

「レスリングや寝技をやり始めた時は、焦るぐらい感覚が薄れていました。筋力も低下していて。やっぱりまだ怖さもあるから右足をかばいながら練習していた部分もありましたし、ちゃんと戻るような感じもなく結構キツイ状態で。

復帰戦(2025年9月、セイヤにアナコンダチョークで一本勝ち)もまだ足の怖さも残っていて、100パーセントの状態ではなかったです。ホンマはテーピングとかグルグル巻きにしていないといけないと、病院の先生からも言われていました。それも自分としては抵抗があって、テーピングはしないで試合をしたんです」

――続いて年末の野澤戦はシザースチョークで勝利。その時点では足の状態も良くなっていたと。

「はい。シザースチョークで勝ったのも『自分の足が動くぞ! もう大丈夫やぞ!!』という証明で(笑)」

――アハハハ。

「正直言えば不幸中の幸いというか、まだ手術しないといけない状態ではなかっただけ良かったと思います。他にも負傷があって、まだ怖さはあります。今回も年末からスパンが短くて、試合を受けるかどうか悩みました。特にONEの場合はハイドレーションテストもあるから、早めに体重を落としていかないといけないですし。だけど、このチャンスをモノにしたいと思って」

――もしONE FFの話がなければ、2026年はどのようなキャリアを積みたいと考えていましたか。

「今年はどこかでランキング戦をやって、来年にはベルトに挑みたいと思っていました。このタイミングでONE FFに出るというのは、何かチャンスやなと思っています」

MIKE ここは自分から話させてください。本人も言ったとおり、足立君が目指しているのは世界です。ただ、グラチャンのベルトを獲って次にいきなり海外で試合をするより、ここで一つ海外の試合を挟んでおいたほうが良いだろうという話になりました。

やっぱり日本と海外では環境が違うし、現地で小さいトラブルが起こるというのも聞きます。そいう海外の雰囲気を知らない人たちが、いきなり海外で強敵と戦って負ける。そうならないためにも、ここで一度海外を経験しておくことが良いと思ったんです。

――格闘技界で言うところの「海外」と「世界」は似て非なるものです。「海外」は場所で、「世界」はレベル。足立選手として目指すのは「世界」ということですね。

「はい。最終的には海外で、世界を獲りたいです。MMAを始めるキッカケが世界の試合を視たことで、自分もその舞台に立ちたいと思いました」

――その第一歩となる次の試合、対戦相手であるメドーの印象はいかがですか。

「身長が高いな、と思いますね。でも体格差に関しては、言ってしまえば計量時点では同じ体重で。リカバリーして当日の体重は変わるとは思いますけど、そこまで深くは考えていないです」

――その相手に、カーフスライサーを極めることはできるでしょうか。

「カーフスライサーは自分のほうが極まってしまう可能性がありますから(笑)」

――そこも学んでいる、と(笑)。セドーは昨年10月にONE FFでプロデビュー。ペダラーダでKO勝ちしたものの、対戦したヴィネー・クンドゥは足立選手と同じぐらいの身長(※公式発表は172cm)で、幾度もパンチでセドーをフラつかせていました。

「力は強そうですし、見えないところ、思っていないところから飛んでくる打撃には注意しないといけない。逆に僕が持っている瞬発力は負けないと思っているので、しっかりとフィニッシュしたいですね」

■視聴方法(予定)
3月6日(金)
午後8時15~ U-NEXT

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