【UAEW64】藤田大和のターゲットが決まる?! フライ級統一戦ヒベイロ×アブバカル。チョプロフ×ペナも
【写真】フライ級王座統一戦を戦うヒベイロ(左)とアブバカル(C)UAEW
22日(水・現地時間)、アラブ首長国連邦はアブダビのADNECマリーナ・ホールでUAE Warriors64が開催される。砂漠メジャー&トップ・フィーダーショーUAEWは今大会もUFC331のPPVウィークに行われ、これまでのようにセレモニアル計量と時間が被る金曜日でなく、水曜日で実施されることになった。
Text by Manabu Takashima
日本から堀江耐志が出場し、クルバン・ザイヌコフと戦う今大会は3階級のタイトルマッチが予定されていた。しかし、計量当日になりメインのUAEWライト級選手権試合=王者アムル・マゴメドフ×挑戦者マルトゥン・メズルミアン戦がドクターストップ(※公式発表では、どちらのファイターかは明記されていない)が掛かり、キャンセルされた。
それでもバンタム級王座決定戦とフライ級王座統一戦が組まれており、日本のファンからすれば後者は見逃せないタイトルショットとなる。
正規王者イアゴ・ヒベイロは去年の5月に藤田大和をパウンドアウトして初代フライ級王座に就くも、その後はMMAから離れていた。この間、日本のファンからすると「なぜだ?」と注文をつけたくなるが、今年の6月13日にUAEWで2勝0敗のムヒディン・アブバカルが、UAEW5勝1敗のヴィクトル・ヌネスと暫定王座決定戦を行いスプリット判定で、ベルトを巻いた。ちなみに7月にメイサラ・ムハメッドをRNCで下した藤田は暫定王座決定戦が行われた6月の時点で、UAEW戦績は4勝1敗だった。
いずれにせよ、ヒベイロとアブバカルの勝者に藤田が挑戦するのが筋と言いたくなるUAEWフライ級タイトル戦線。アブバカルは怒涛の寄りからボディロックテイクダウン、トップコントロールがベースとはいえ、流れの中で下になってギロチンや三角絞めを仕掛けることができる。スピードは暫定王者の方が早そうだが、ヒベイロはケージ際の攻防は攻守ともに粘り強い。
加えてアルバカルはテイクダウンも、寝技も「守」に比べて「攻」に主体が置かれているファイターで、ヒベイロが持久戦のなかで瞬発力を上手く使うと優位に立つという見方もできる。いずれによせ藤田と戦えばどうなるのか――という一点においても興味深い対戦となる。
また現UFCファイターのヴィニシウス・オリヴェイラ、PFLファイターのアリ・タレブが巻いたバンタム級のベルトが掛かった一戦=アサフ・チョプロフ×デマルツ・ペナ戦も見逃せない。
23歳、プロMMA戦績が8勝0敗のチョプロフはIMMAFを制するなどアマで34勝1敗のレコードを持つ。UAEWで挙げた3つの白星はそれぞれ10勝3敗、17勝8敗、15勝6敗という戦績のファイターたちで決して作られた無敗記録ではない。
対するアンゴラのデマルツ・ペナは、プロキャリア15年の36歳のベテランだ。アフリカン・メジャー=EFC Worldwideでフライ級とバンタム級のベルトを巻き、RIZINで活躍するアンカジムーロ・ズールーの挑戦を受けた試合を含めタイトル戦は8勝0敗。圧倒的な存在感を今から10年以上前に示していた。
その後、ペナは2016年と2017年に薬物検査で陽性となり、コロナ期も重なることで4年半ものブランクを経験した。復帰後はフランスのAres FCを舞台に3勝2敗とタフファイトを繰り返しながらバンタム級王座奪取し、1度の防衛戦にも成功している。
UAEWでは2勝1敗、全て判定決着ながら今回のタイトル戦に辿り着いた。土地柄チョプロフ推しの王座決定戦という見方は否定できないが、果たして――。
ともあれMENAとアフリカのリーグを開始したPFLがあるなかで、ペナを登用できるのもUAEWの力といえるだろう。
■視聴方法(予定)
10月24日(木・日本時間)
午前0時00分~ UFC Fight Pass
■UAEW64主な対戦カード
<UAEWライト級選手権試合/5分5R>
[王者] アムル・マゴメドフ(ロシア)
[挑戦者] マルトゥン・メズルミアン(アルメニア)
<UAEWバンタム級王座決定戦/5分5R>
アサフ・チョプロフ(ロシア)
デマルツ・ペナ(アンゴラ)
<UAEWフライ級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)
[暫定王者]ムヒディン・アブバカル(英国)
<63キロ契約/5分3R>
クルバン・ザイヌコフ(ロシア)
堀江耐志(日本)