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【UAEW65】藤田大和戦へ、リース・マクラーレン34歳。「UFCと契約したい。心の底から思っている」

【写真】人生初の57キロへ向け減量中。かっこ良すぎるリース・マクラーレン。漢だ!! (C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦はアブダビ首長国のADNECマリーナ・ホールでUAE Warriors65が開催される。UAEWで6勝目を目指す藤田大和と相対するのは、リース・マクラーレンだ。
Text by Manabu Takashima

ONEでの実働9年。バンタム級ではビビアーノ・フェルナンデスに挑み、フライ級転向後は和田竜光や若松佑弥とも激闘を繰り広げている。ダニー・キンガド、カイラット・アクメトフらジャレッド・ブルックスと戦ってきた歴戦の勇者は、試合機会を求め――そして34歳にしてUFCという夢を追ってUAEWにやってきた。

これぞ、豪州のMMAバカ。リース・マクラーレンの藤田大和戦前の意気込みを(可視化したので)目に焼きつけてほしい。


――今週末UAEWでキャリアの新章を迎えます。今の気持ちを教えてください。

「最高の気分だ。若返ったようにも感じる(笑)。もう準備はできているよ」

――9年に渡るONEでの活動を終えました。終盤はリリース希望を公開でするなどしましたが、ONEの日々を振り返ってどのように感じていますか。

「今の僕があるのはONEで戦ってきたからだ。感謝しているよ。最後の数年は自分の力を見せる機会が少なくなってしまったけど、それ以前は存分にできていた。青臭いガキが、ONEで成長できたんだ。世界タイトルに幾度となく近づくこともできた。結果、今アブダビで、UAEWで戦えることを光栄に思っている。この間に身に着けた数々の動きを披露したい」

――MMAを続けていく上で新しい環境、新しい対戦相手、新しい場所が必要になったということでしょうか。

「僕はもっと試合を頻繁に戦いたいと思っていただけだよ。体は何も問題がない状態で、自分を試すことができなかった。急激に発展するMMAで、如何に成長し続けることができるのか。試したかっただけなんだ。そして、ファイトの機会を求め前に進もうと思った」

――ONEというグローバルステージで戦っていたことで、もう国内のEternal MMAやHEX FSという舞台に戻るという選択はなかったという感じですか。

「過去9年間、国際的な試合をしてきた。だから国に戻って国内対決をしようとは思わなかった。自分の力を示すために最高のプラットフォームを選択する必要があった。UFCとの契約を勝ち取るためにね。UAEWはUFCに通じるベストのフィーダーショーだ」

――34歳になったリースは、UFCファイターになりたいと。いや、一瞬にして鳥肌が立ちました!!

「UFCと契約したい。心の底から、そう思っている。UAEWの現状を見渡して、ここで戦うことに意味があると思った。可能な限り世界のベストと戦い。UFCに行くためにね」

――世界で最もコンペティティブなフライ級の戦いが繰り広げられているプロモーションの一つがUAEWです。ロシア、中央アジア、ブラジル、アジアとタフなファイターが集まっています。

「だからUFCに通じる道なんだよ。UFCに辿り着けると信じている。今、僕は超絶にハングリーだ。もちろん、それが家族のためになるとも思っている。夢に向かって突き進むことは本当にハードだけど、絶対にこの手で掴み取る。フジタをぶちのめす。この試合をショーン・シェルビーにチェックしてもらいたい。

ただフジタのことを軽くみているわけじゃない。しっかりと彼の試合を研究してきた。彼に勝つために本当にハードなトレーニングを積んできたんだ。フジタも僕と同じように、最高の状態でケージに上って欲しい」

――ONEでは当初61.2キロのバンタム級で、フライ級転向後はハイドレーション有りの61.2キロで戦ってきました。今回、ドライアウト有りのフライ級で減量方法も違ってくるかと思います。その辺りの調整は順調でしょうか。

「ニューチャレンジだね。ONEの61キロで戦うには、全く問題なかった。57キロで戦うと僕は巨大ではないけど、まぁ大きい方になる。正直なところ筋量が多いから、減量は簡単ではないよ。でも、しっかりと集中して減量に取り組んでいる。人生初57キロでのファイトだし、そこに取り組んでこと自体が、夢が現実になっているんだよ」

――ではONEと違い、グラウンドでのヒザ蹴りがないルールセットに関しては?

「大きな違いがあるとは感じていない。グラウンド状態での頭部へのヒザ蹴りは、凄くエキサイティングだった。ただパウンドがある限り、その比重の方が大きいからね。グラウンドでヒザを入れるスペースがあるなら、鉄槌を落とす。その方が僕にとってより良い選択肢だよ。

仮にサッカーボールキックがあれば、クレイジーなチャレンジになっただろう(笑)。それに比べるとONEルールからユニファイドルールへの変化は、大した問題じゃない」

――リングからケージに戻ることができます。ここは大きな違いではないでしょうか。

「イエスッ!! やっとだよ。過去5試合中、4試合がリングだった。本当にケージで戦いたかった。豪州でのMMAトレーニングは、ディフェンス面でもオフェンス面でも壁レスに多くの時間を費やしている。ケージレスリングは僕にとっても、強い武器になる。ケージで戦えることは大きいよ」

――では改めて藤田選手の印象を教えてください。彼もリースと同じでUFCを目指しUAEWで戦っています。

「同じように夢を追っている。そのためにハードな練習を彼もこなしているはずだ。フジタと戦えて光栄だよ。彼が日本のアマチュア・ボクシングでチャンピオンだったことは知っている。パンチが上手いだけでなく、蹴りが重い。サブミッションでの一発もある。

ただし柔術は僕の域に達していない。過去に僕は柔術で世界のベストといえるファイターと競い合ってきた。自分では柔術に関しては、トップの山にいると思っている。まぁ、どうなるかな。試合になれば分かるよ」

――長らくタイトル戦線が停滞していたUAEWフライ級ですが、10月に暫定王者ムヒディン・アブバカルが正規王者イアゴ・ヒベイロを破り王座を統一。ここから活性化することが期待されています。そんなUAEWで勝ち抜く自信のほどは?

「良いファイターが揃っているね。UAEWフライ級のレベルは素晴らしい。粒揃いの選手が揃っていることは、分かっている。でも、僕はONEで戦ってきたファイターだ。ONEフライ級のレベルはUAEWフライ級よりずっと高い。そして過去2年の間に、さらに力をつけてきたことを証明したい。

僕だけでなくCMBTトレーニングセンターのヘッドコーチ、マイルス(ムーク)もめちゃくちゃハングリーだ。今回の試合に向けて、4週間徹底的に鍛え上げてきた。言葉では言い表せないほどね。

今、UFCで何が求められているのかは分かっている。ただフジタをテイクダウンし、ドミネイトするようなファイトはしない。勝敗の行方はジャッジの手に委ねない。アグレッシブに、そしてバイオレントに戦いフィニッシュする。危険な試合をするよ。ファンが喜ぶ試合をして、僕の日にするよ。

そうそう日曜日にユーヤ・ワカマツが日本で防衛戦を戦うよね。実はONEと契約を更新しなかったのは、ワカマツとの試合が組まれそうになかったからというのも大きいんだ。ワカマツのような強いファイターと戦えないなら、もう自由にしてくれと伝えた。そして僕は今、ここにいる。UAEW、ベイビー!!」

――リース、今日は元気な顔を見ることができて嬉しかったです。では日本のファンに一言お願いします。

「オハヨウゴザイマス!!(笑)。日本で試合ができた日のことは忘れていない。夢が叶った日だったから。また日本で戦いたいね。そして、土曜日の僕とフジタの試合を楽しんでほしい。マーシャルアーツとしての誇り、偉大なマーシャルアーツの本質、武士道をケージに持ち込む。思いきり左右のパンチを打ち込むよ。レッツゴー!!」

■視聴方法(予定)
11月16日(日・日本時間)
午前1時00分~ UFC Fight Pass

■UAEW65対戦カード

<UAEW女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
ラニー・シウバ(ブラジル)
ミシェリ・オリヴェイラ(ブラジル)

<75キロ契約/5分3R>
ブルーノ・マシャード(ブラジル)
ブレンティン・マンフォード(豪州)

<86キロ契約/5分3R>
アブドゥルラクマン・アリマゴメドフ(ロシア)
アンヴァルベク・ダニヤルベコフ(アゼルバイジャン)

<フライ級/5分3R>
藤田大和(日本)
リース・マクラーレン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ミヒミジリ・オスマルニ(アゼルバイジャン)
バクトヴァル・ユニソフ(タジキスタン)

<ウェルター級/5分3R>
シェクバン・アルカソフ(ロシア)
バシル・サラリエフ(トルクメニスタン)

<ウェルター級/5分3R>
シャミドハン・マゴメドフ(ロシア)
マルコス・サンタナ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アフメッド・ファレス(エジプト)
ヴァルテル・コリアンドロ(イタリア)

<73キロ契約/5分3R>
ダブラトベク・コジエフ(ウズベキスタン)
アブドゥラ・アル・ボウシリ(クウェート)

<87キロ契約/5分3R>
シャラプジン・ジヤウジノフ(ロシア)
カレッド・ラーラム(スウェーデン)

<バンタム級/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)
パヴェル・アンドルスカ(モルドバ)

<59キロ契約/5分3R>
フィルカドベク・ヤクボク(ウズベキスタン)
ルエル・パニャレス(フィリピン)

<95キロ契約/5分3R>
ヌツァルハン・マゴメドフ(ロシア)
ショフボス・オルティコフ(ウズベキスタン)

<ウェルター級/5分3R>
マゴメド・ブラドフ(ロシア)
ファリドゥン・ショクナザロフ(タジキスタン)

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