この星の格闘技を追いかける

【UFC323】新世代ヴァンと防衛戦。アレッシャンドリ・パントージャ―01―「打撃でも僕はトップレベル」

【写真】試合まで2週間を切っても、いつも通り母国語でないインタビューにしっかりと受け答えをしてくれたパントージャ。多謝 (C)MMAPLANET

12月6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガス近郊エンタープライズにあるTモバイル・アリーナで、UFC323「Dvalishvili vs Yan 2」が開催され、コメインでUFCフライ級王者アレッシャンドリ・パントージャがジョシュア・ヴァンを相手に5度目の王座防衛戦に挑む。
Text by Manabu Takashima

2023年7月にブランドン・モレノを破り、33歳で世界の頂点に立ったパントージャ。TUFシーズン24メンバーというフライ級のパイオニア達との競り合いだけでなく、ブランドン・ロイヴァルという次の世代、スティーブ・アーセグ&朝倉海ら抜擢組との防衛戦を経て、フライ級の戦いそのものの価値を高めてきた。

今回パントージャが迎えるジョシュア・ヴァンは、接近戦でパンチを交換させるMMAを実践してきた24歳――新しい世代の代表格だ。組みを切って殴る。パントージャのスタイルを切り崩すMMAで挑戦権を一気に手にした。

そんなジョシュア・ヴァンとの防衛戦を前にして、パントージャは挑戦者の強さを認めたうえで揺るぎない自信を持っていた。


近しい人物、皆が僕にとってはメンタル・コーチのようなもの

――ジョシュア・ヴァンとの王座防衛戦を10日後に控えたパントージャです(※取材は26日に行われた)。心身ともに今の状態はいかがでしょうか。

「最高の状態だよ。再び、僕が世界王者と示すことができる機会を得ることができたという気持ちでいるんだ。このベルトを初めて手にした2年5カ月前から、ずっと色々なことを学んできた。特に体に関してね。僕は35歳になった。これまでの時間を振り返り、今、何が必要かを考えるようになったんだ。減量、睡眠時間、もちろんトレーニングに関してもね。結果、僕の戦いは大いに進化を遂げることができた」

――ボディやフィジカルに対して、精神面はどうでしょうか。メンタル・コーチング等を受けることは?

「近しい人物、皆が僕にとってはメンタル・コーチのようなものだよ。妻もそうだし、コーチもそう。僕のことをそれほど知っていない人物の助けは必要ない。身近にいる人間の言葉に耳を傾けている。本当に必要な人の言葉が、欠かせない。そういう皆は、僕がどういう状況が分かってくれているからね。常に本音で話すことができる。

それに子供たちと接していても、精神的に助けてもらうことも多いよ。それが僕のメンタル・ケアだよ。今回の試合は、王座防衛ということは頭に置いていない」

――挑戦者という気持ちで、王座防衛戦に挑むということでしょうか。

「その通りだ。ずっとジムにいて、ノンストップでハードトレーニングを課している。UFCにはイスラム・マカチェフ、マラブ・デヴァリシビリ、カムザット・チマエフ、アレックス・ポアタンという偉大なチャンピオンがいる。皆が進化している。僕も自分の戦いをより高めようと心がけている。

このメンバーのなかでパウンド・フォーパ・パウンドを目指すということは、本当にハードなことだよ。ファンにとっては最高だろうけど。本物のファイター、本物のウォリアーは誰もが世界のナンバーワンになろうとしている。僕はフライ級で一番だけど、全世界でナンバーワンになりたいんだ。そんな風に考えることが、最近は増えてきた」

全てをジョシュア・ヴァンが防御できるようなら、それはもう驚異以外の何ものでもない

――MMAは日進月歩で発展しています。そのなかで最近は近距離で打撃を交換し、打ち合いの最中でもテイクダウンを切れる。そんなファイターが増え、その代表格こそジョシュア・ヴァンかと。

「ジョシュア・ヴァンはとても若くて、タフな対戦相手だ。彼が優れたファイターだから、よりトレーニングをしようという気持ちになれる。僕とジョシュア・ヴァンのスタイルは、それほど違いはない。

ただ、現時点は僕の方が上だ。戦い方に関しても、僕はテクニカルでクリーンな試合を心がけている。僕のファイトが進化していることは、過去2試合でも理解できるだろう。フライ級はUFCにあっても特にテクニカルだし、どの選手も穴がない。見方によっては、他のファイターの打撃が優れて見えるかもしないけど、グラップリングだけでなく打撃に関しても僕はトップレベルにあるはずだ。

そういうことでいえばジョシュア・ヴァンも打撃が強いだけではない。レイ・ツルヤとの試合で、レイのレスリングに対して素晴らしい防御ができていた。それも僕をハードな練習に向かわせる要因になっている。

25分間、テイクダウンを切って打撃の展開にしたい人間と戦うわけだからね。ただし、僕は打撃でもやりあえるよ」

――テイクダウンの攻防については、この試合の鍵を握っているかと思います。いえばテイクダウンばかりでなく、パントージャが組んで如何にバックに回ることができるのかも。そういう意味で、ジョシュア・ヴァンのディフェンス能力をどのように考えていますか。

「自分ではバック奪取に関して、他の選手とは違うレベルだと思っている。僕にとってバック奪取は一番のムーブメントだ。そこからフィニッシュを狙い、全てをジョシュア・ヴァンが防御できるようなら、それはもう驚異以外の何ものでもない。

テイクダウンに関しては、それ以前の攻撃も重要になってくる。僕には打撃がある。強い拳を持っているから、打撃とテイクダウンを融合させて攻めることができる。レイは、この二つを組み合わせて戦うことがなかった。ダブルレッグやシングルレッグだけを狙っていると、ジョシュア・ヴァンも防御はしやすくなる。ただ、あの局面で見せていたジョシュア・ヴァンの動きは、彼が優れたファイターであること示していたのも事実だよ」

――鶴屋選手はパントージャと比較して、組んでから離れたくない気持ちが大きかったのではないかと思います。

「それは、その通りだ。ただレイの年齢を考えると、致し方ないことでもある。それまでは、あの戦い方で勝ってきた。レイと比べると、僕のキャリアは長い。色々な戦いを経験してきたからね。本当にあらゆるタイプのファイターと試合をしてきた。

加えてトレーニングパートナーに関しても、世界と組み合ってきたようなものだから。ATTだけじゃない。それ以前もノヴァウニオンの面々、ヘンリー・セフードのような素晴らしいトレーニングパートナーに恵まれてきた。この経験があったからこそ、危険な状態になっても僕にはエスケープ方法がいくつも頭にある。

だから今の僕は、誰と戦っても勝てる自信があるんだ。次の試合でも、自分がどういう戦いができるのか、それを確かめたくてワクワクしている」

――ジョシュア・ヴァン戦に向けて、何か特別な対策練習をしていますか。

「キョージとは、いくつかのパターンの練習をしてきた。ただ彼も自分の試合があったから、アドリアーノ・モライシュとやることが多かった。それと、とても仲の良いパウロ……凄く大きくて、72キロほどあるかな」

――パウロ?

「ファミリーネームは忘れてしまった(笑)。パウロはアドリアーノ・モライシュと共に、今回の試合に向けて凄く助けてくれたよ。特にボクシングの防御面でね。何よりATTは素晴らしいチームメイトだけでなく、最高のコーチ陣がいてくれるから凄く自信を持って試合に臨むことができる。マルコス・パフンパ(パフンピーニャ=マルコス・ダ・マッタ)、打撃コーチのアンデウソン・フランサ、マカハォン(ルシアーノ・ドス・サントス)もそうだ。

素晴らしい指導者が僕を支えてくれている。12月6日にはベストバージョンのアレッシャンドリ・パントージャを披露できるだろう」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
12月7日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前7時30分~U-NEXT



PR
PR

関連記事

Movie