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【LFA227】LFA三戦目、ムリシャ・ド・ナシメント戦へ、上久保周哉「僕は打撃もやる気満々です」

【写真】昨年8月のLFA再戦時は、LA郊外ロミータのマチダ空手を調整場所として使わてもらっていた上久保。しかし、今回の対戦相手が週に1度マチダ空手で打撃の練習をしているということで、BLACK HOUSE本部のケージを借り最終調整を行った(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、カリフォルニア州ベンチュラのベンチュラ・カントリー・イベンツセンターで開催されるLFA227「Do Nascimento vs Kamikubo」のメインで、上久保周哉が、ハファエル・ド・ナシメントと対戦する。

去年の2月にマテウス・サントスをオタツイスター(※上久保は「タツミツイスター」とも呼んでいる)で下し、8月には元UFCファイターのエリック・シェルトンにRNCを極めキャリア初の一本負けを経験させた。

ナンバーワン・フィーダーショーで2試合連続一本勝ちを収めた上久保の下には、当時のバンタム級王者ヴィニシウス・ピレスへの挑戦というオファーもあったが、股関節の手術後で断念。思った以上のスピード感で回復した上久保が、ヘッドライナーとして半年振りにベンチュラで戦う。

22日(日・同)にLAに入り、月曜日にメディカル。火曜日はLAで調整し、水曜日にベンチュラ入りしたばかりの上久保をインタビュー。淡々と目の前の現状を見究める――いつも通りの彼がいた。


実力査定試合。3戦目にして、LFAもそういう相手を当ててきた

――昨年8月にエリック・シェルトンをRNCで下したことでタイトル挑戦のオファーもありましたが、9月に股関節の内視鏡手術をし、11月には間に合わないということで固辞しました。

「タイトル戦のオファーがあった時は、もちろん『やりたい』と思いました。でも回りに尋ねると、各所で『無理だろ』と言われました(笑)。また試合間隔が半年ぐらい空くかなと思っていたら、そういうことはなくて……こういう時だけ早かったです(苦笑)。

前チャンピオンのヴィニシウス・ピレスもコンテンダーシリーズ出場がなくて、ブランクが長くなっていたので防衛戦で勝った、勝ち星を稼ぐというようなことを考えていたと思います」

――股関節の手術をし、現状で8月の時点より動きは良くなったのでしょうか。

「動きは変わらないです。ただし、痛みが圧倒的にない。以前は練習でもアドレナリンが出る前はかなりきつかったのが、最初から動けます。練習後の痛みも全く違いますし。そういう意味ではストレスがなくなったので、手術をしたことは凄くポジティブに捉えることができます。手術前は、どうやっても痛くて。普段の生活でも、痛かったので」

――上久保選手がタイトル挑戦に応じることができず、チャレンジャーとなったアルテム・ビュラクがピレスを破り新王者に。そして、上久保選手は今回ムリシャと対戦することになりました。上久保選手としてはシェルトン戦後の勝利から、どのような試合を戦いたいと考えていましたか。

「一番はUFCのショートノーティスで戦うことでした。LFAで戦うのであれば、タイトル戦を戦ってUFCに対してアピールポイントを増やすべきだと考えていました。今回はタイトル戦でなかったですけど、またそういうタイミングになればタイトルを狙いたいです。

ムリシャに関しては、どこかで当たるだろうと思っていた相手なので順当な相手が来たなとは思っています。それこそ10勝0敗のミッチ・マッキー、9勝1敗でコンテンダーシリーズしか負けていないケイシー・タナーとか、前王者のピレスあたりと戦うことができれば良いなというのはありましたけど、あの辺は軒並み様子見で試合をしない感じでだったので」

――そのマッキーはUFCでなく、PFLを選んだことは驚かされましたね。

「意外ではありました。でも相手がセルジオ・ペティスで、勝てば一気に評価が上がる。チャンスに飛びつくのは間違いではないと思います。彼はまだ若い(※28歳)から、その先にUFCを考えているだろうし。巡ってきたチャンスは飛びついた方が良いと自分は考えているので、良いんじゃないかと。僕はもう時間がないからPFLとは思えないですけど、若い選手はPFLでさえもステップアップの場として考えているのではないでしょうか」

――対戦相手がムリシャになって、モチベーションに影響がでることはなかったでしょうか。

「理想は元UFCの選手とまた戦いたいというのはありましたけど、ナシメントもタイトル戦を2度戦っているし、ステップアップというよりも実力査定試合。3戦目にして、LFAもそういう相手を当ててきたんじゃないかと思います」

――余裕なのか、凄く淡々としているように感じますが。

「まぁ淡々とはしています。前回はエリック・シェルトンを超えないといけないという気持ちがありましたけど、本来は感情的にならないようにしているので。それに今回の相手だってタイトルコンテンダーで、普通に考えたら立場は向うの方が上だから。それを超えないといけないと思っているし、僕が超えないといけない立場の試合です」

相手のホームに乗り込んで戦うことを楽しんでいるから。

――LFAでの2勝はインパクトが大きかったです。対して、ムリシャが日本では無名だということで、どうしても第3者は楽観視しがちです。

「基本的に自分が、いつも相手を超えないといけない側だと思っています。相手の挑戦を受けるような立場に自分があるとは思わないから。ムリシャはカリフォルニアで練習していて、チームメイトも多く、たくさんのサポートがあるなかで戦う。向こうの方がカリフォルニアで試合をする環境は圧倒的に整っています。

彼のホームですし、良い環境で試合ができることは間違いない。僕はそれを……相手のホームに乗り込んで戦うことを楽しんでいるから。余裕があると思ったことは、一度もない。本当にキャリアを通して1度もないです。

いずれにしても頑張るのは、当日の僕なんで。今日の僕は特に……気持ちがあがることはないし、淡々と過ごしているだけです」

――そのホームで格上のムリシャ、MMAファイターとしての印象?。

「マチダ空手で打撃をやっているということで、構えにはほのかに空手を感じるかな……。蹴り技がベタ足で前蹴り、ミドルを使い分けてくるのは、空手のエッセンスが入っていて、それっぽいなとは思います。ただ、ナシメントの場合は組まれて構わない選手だから。本当の武器はサブミッションなので、彼なりの長・中距離戦での武器としての空手があるんじゃないでしょうか」

――組みが強い相手が、中長距離の打撃を持つ。今のMMAの裁定基準を考えると、嫌な相手なようにも感じます。

「相手が何を……相手が空手だからとかは、あまり気にしないです。自分が自分と戦うと考えると、距離を取って殴って蹴るという戦い方をするだろうし。当然、それをしてくるなずですで。ロングレンジの攻撃はもちろん警戒しています。前半は僕の組みに打撃を合わせてくるでしょうね。ヒザ、アッパー、蹴りを狙いながら組まれても応戦する。そういう試合をしてくると思います。

まぁ、でも僕はちゃんと打撃をやりますよ(笑)。皆、勘違いしているけど、別に僕に打撃がないわけじゃない。毎試合、打撃をやらな過ぎると言われていますけど、僕は打撃もやる気満々です」

アタックし続ける。小さなことでも、たくさんアタックをする

――ではムリシャのグラップリングには、どのような印象を持っていますか。

「そもそもパワフルですよね。多少形が粗くても、サブミッションの形を創って持っていく。取れる自信があるからこそのサブミッションの決定率の高さだと思います。浅い掛かりだなと思って、放置しちゃうと危ないです。早め、早めの対処、そもそも形を創らせないことですね。

何より一発持っている相手と戦う時は、ミスをしないこと。相手の挙動に関して、敏感になるようにしています」

――あの極め極め系のファイト、3R持続できるでしょうか。

「5Rを2度経験しているので、スタミナがないとは特に思っていないです。さすがに3Rハイペースでずっと動ける人はいないですし。ただ、彼の場合は初回は飛ばしてくると思います」

――対して上久保選手のやるべきこととは?

「アタックし続ける。小さなことでも、たくさんアタックをする。攻めたら隙が出るという見方もあるかもしれないけど、隙のない攻めをたくさん繰り返す。攻め続けるというか、そういう意識で戦います」

――その結果が一本につながる?

「相手がミスをすれば、一本の機会も巡ってくるようになります」

――丁寧にミスなく攻め続ける。それが上久保選手のMMAかと思います。

「エリック・シェルトンも攻め続けると、妥協したというか対応が遅れてきましたし。逆に良い組み手がいきなり創れると、これ、何かあるのかな』と思ってしまって……(笑)。だから飛びついてバックを取るとか、そういうことは自分はできない。一つ一つ、進めていかないと『何かある』と思ってしまうので」

――ムリシャの組みの対処力は、過去の試合からどのように評価していますか。

「対処は速いです。体の反応も良いから、判断ミスが少ない。ちょっとポジションを失ったところからも、持ち直すことができるので高い技術力を持っていると思います」

――タフファイトになることが目に浮かんできそうです。

「自分はいつでもタフファイトをするつもりなので。今回もタフファイトをやります」

■視聴方法(予定)
2月28日(土・日本時間)
メインカード午前11時00分~LFA Fight Network

■ LFA223メイン対戦カード

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・ド・ナシメント(ブラジル)
上久保周哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
アーノルド・ヒメネス(米国)
アラン・ベゴッソ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
テオ・ヘイグ(米国)
ランス・ライト(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
シーラー・ラッド(米国)
アイザイア・ピンソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
マリアナ・ピッシオ(ブラジル)
ゾーイ・ノウィッキ(米国)

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