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【UFN277】オクタゴン3戦目=バンタム級再転向、朝倉海「不安よりも、はるかに自信があるんです」

【写真】「金原さんは強いです。でも、すぐにスタミナが切れます」と笑った朝倉。そんな会話が成り立つ空気感が両者のなかにあった(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、マカオはコタイのギャラクシー・アリーナで開催されるUFN277「Song vs Figueiredo」。同大会で朝倉海がオクタゴン3戦目、そしてUFCでは初めてバンタム級で戦う。
Text by Manabu Takashima

格闘技の枠を超えた知名度を誇る朝倉が、UFCで連敗を喫すると世間の期待の大きさは、厳しい意見に一変した。「それは期待の裏返し」と言う朝倉にバンタム級転向、金原正徳が陣営入りしてから変化、そしてキャメロン・スマーザーマン戦について尋ねた。


生きるってことが脅かされているような感覚だったんですよね

――去年の7月、ティム・エリオット戦の前に別取材でTRIBE TOKYO MMAを訪れた際に、朝倉選手から「インタビューは勝ってからでお願いします。次は勝つんで」と言われたことがありました。

「アッ、でしたね。練習のあとですよね。いやぁ僕自身、負けるとは1ミリも思っていなかったです(苦笑)」

――今日はマカオという開催地でもあり、大会のプロモーションのためにインタビューの機会を得られました。とても有難いのですが、その一方で朝倉選手はインタビューで受け答えすることが不本意かもしれないと考えていました。

「まぁ、理想は勝って表紙を飾りたかったですけど。でも今回は自信があるし、勝てると思うので。本当に1人でも多くの人に試合を見てもらいたいですし、取材はありがたいことです」

――MMAPLANETはRIZIN時代の朝倉選手をずっとカバーさせていただいていた媒体ではないです。そんな我々から見て、朝倉選手のように一般のファンを全国レベルで巻き込んでいると、敗北に関してあれだけ掌返しのような反応があるのかと。ゾッとしたことを覚えています。

「格闘技って結果が全てだし。掌返しをしている人達の多くは、それこそ期待の裏返しと言うか……それだけ、僕に期待してくれていたんだと思っています。期待をしてくれていたのに2回も負けたら、それはそういう気持ちになるんだろうなって。だからこそ、そういう人達は僕が勝てば、また応援してくれる。そう信じています」

――野球やJリーグと同じで、贔屓チームの勝敗にして愛憎のように一喜一憂する。そのような感じなのかと。

「そうですね、そうだと思います。勝負の世界って、そういうものだし。そういう賛否の声が挙がるというのも、良いことだと思います」

――ティム・エリオットに敗れて階級変更を決めました。とはいえ白星こそ逃していますが、オクタゴンでのパフォーマンスが悪かったかといえば、そのようなことはなかったと思っています。

「そうですか」

――まずパントージャ戦では大きな間違いを犯したわけでもないなかで、あの初めて見るようなグリップのチョークに敗れた。そして組み技、寝技のスパーを出稽古先でするようになった。でも思うように守れない。2戦目では組み技に苦手意識ができ、打撃も力が入って本来の動きができなかったのではないかと。それでもカーフでティム・エリオットを骨折に追い込んでいます。

「あぁ、面白い意見ですね。それは……。正解は分からないですし、それも一理あるのかもしれない。そのうえで僕の中では、本当に減量がきつかったんですよね。魂をすり減らし過ぎていて。試合の3週間ぐらい前から立ち眩みはするし、眩暈がする。格闘技とか、試合とか以前に、生きるってことが脅かされているような感覚だったんですよね。

そのあとも体調を崩したりだとか。ケガも増えました。そういうこともあったので、2回目のフライ級の時に選手生命が続かないって思っていました。だから『フライ級は今回で最後にしよう』と。意識的なところもあるのかもしれないですけど、判断力とかも鈍ってしまって……」

――それはリカバリーしても、戻らない状態だったのですか。

「戻らないですね。そういう感覚がありました。でも、それってやらないと分からなかったことで。やってみて、もう創れないなと思いました」

――体重を落とすことが主になって、強くなる・勝つ練習ができていないと思うことはありましたか。

「いや、もうその通りですね。練習の時から頭が回らないし、眩暈がする。力も入っているようで、入っていなとか。やっぱり適正じゃないんだろうなって……」

――その状態の練習を見て、私は勝手に組みに苦手意識があると思ってしまったのですね。

「ただただ技術が足りていなかったです。そこは正直なところ、ありますね。それまで試合でグラウンドになる時間が、全然なかったから経験値が少なかったが故に、焦ってしまっていました」

――今回の試合は生命を脅かすほどでない、いわゆる普通の減量で挑むことができている?

「そうですね。全然フレッシュです」

金原さんがストップをかけて、正しい方向に修正してくれます

――逆をいえば、それだけきつくてあの動きが出来ていたという風に見ることができます。であれば、バンタム級での朝倉海に期待したくなりますよね。

「期待してほしいです!!」

――先ほど「ただただ技術が足りない」と言われていましたが、金原正徳さんがコーチとして陣営入りしてから、技術の部分で得られるものは大きかったですか。

「もちろんです。自分のなかで正しいと思っていたことが、意外と違っていたり。組み技の部分が多いのですが、言葉で説明し辛いんですよ。ポジションが少し前だとか、ここはヒザを着かない方が良いとか。ここに手を置いた方が良いとか。そういう細かいチョットしたことで、グラウンドとか組みって変わるじゃないですか。

その辺をやっているなかで、金原さんがストップをかけて、正しい方向に修正してくれます。そういう風に修正してくれることによって、元々自分が持っているモノと組み合わせて、次の展開への繋ぎがスムーズになりました。結果、トータルの技術力がどんどん上がっています。自分のなかで曇っていた部分が、晴れた感じです」

――RIZIN時代は実戦でも、持って生まれたモノで立ち上がることができていたのかと。

「そうです。そうですっ!!」

今までは怖さとか、そういう感情になったことはなかった。でも2戦負けたことによって……それが、少しある

――当時のRIZINバンタム級では、そこまでグラウンドコントロールに長けた選手がいなかった。その技術力が最もあると思われる扇久保選手も、フライ級から上げてきたバンタム級で。やはりUFCファイターのサイズ感とは違うのかと。

「シンプルにレベルが高いと思いました。RIZINの時だと許されたミスが、もう許されない。同じ動きをしていても、RIZINの時には極められることがなかったので。その一瞬が命取りになるのが、UFCなんだと感じましたね」

――この2敗で、我々が知らないところで朝倉選手が自分を疑ったり、ビビったりしたことがあったかもしれない。そしてバンタム級で戦う、金原選手をはじめチームで創ってきたモノがある。怖さとワクワク、今、どちらが大きいですか。

「それはワクワクが大きいですよ。でも、正直に言うと入り混じっています。今までは怖さとか、そういう感情になったことはなかったんですよね。でも、やっぱり2戦負けたことによって……それが、少しある。

だけど不安よりも、はるかに自信があるんです」

――白星というピースが入ることで、その自信は完全になるかと思います。

「ハイ、なると思います。ここで勝てば、これまでとは違った姿をUFCで見せていけることになると思います」

――「この相手には負けない」。「これは朝倉を勝たせに来た」という意見も聞かれます。ただし、相手はUFCファイターで、フィーダーショーだとチャンピオンクラスです。

「ハッキリ言うと、今回の試合に関して周りの声とか正直、どうでも良いなと思って。本当に自分にとって大事な試合だし、自分目線で向こうの強さと自分の強さを考えて挑むだけで。そのなかで自信があります」

――ファンに伝わり辛いかもしれない部分も含めて、今回のスマーザーマン戦はどのような戦いにしたいと思っていますか。

「本当にこの負けてからの期間、自分でも成長を凄く感じています。その部分を出すことができれば、絶対に負けないと思うんで。僕はただ、そこを出すだけです。なので色々な意見があると思うけど、ファンの人には勝ったら喜んでもらえると思うし。負けろと思って見ているアンチも全然、いて良いと思うので。とにかく、どういう感情でも良いので――俺の試合を見てほしいなって感じです」

■視聴方法(予定)
5月30日(土・日本時間)
午後5時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時30分~U-NEXT


■UFN277対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ソン・ヤードン(中国)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
アロンゾ・メニフィールド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
朝倉海(日本)
キャメロン・スマーザーマン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
カールストン・ハリス(ギアナ)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
スムダーチー(中国)

<ミドル級/5分3R>
ルイス・フィリッピ・ジアス(ブラジル)
イ・イサク(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ティン・ワン(中国)
ジョゼ・エンヒッキ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アオリーチーラン(中国)
コディ・ハッドン(豪州)

<135ポンド契約/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ルイス・グーロォ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・ヒル(米国)
シィォン・ヂィンナン(中国)

<フェザー級/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
ロドリゴ・ヴェラ(ペルー)

<女子ストロー級/5分3R>
ローマ・ルックンブンミー(タイ)
ジャケリニ・アモリン(ブラジル)

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