【Lemino Shooto06】高校生500円!! 平良達郎、世界戦敗北からのLemino修斗を岡田遼に尋ねる
【写真】自らのジムを2店舗経営し、平良のコーチ業とLemino修斗のプロモート。三足の草鞋を履く岡田遼 (C)RYO OKADA
6月1日(月)、東京都文京区の後楽園ホールでLemino Shooto06が開催される。松根良太氏と共に「第2の平良達郎を育成」を軸に活動を続けている岡田遼氏。昨年9月の旗揚げ戦で引退試合を行った岡田氏は、プロモーター1年生と平良陣営の参謀として多忙な日々を送ってきた。
Text by Manabu Takashima
米国と日本を行き来しながら、今年の2月からはほぼマンスリー・Lemino修斗という状態なのか、日本人強化のために国際戦を組むことで集客面では苦戦を強いられている。そんななか次回大会ではチケット料金設定にメスが入れられ、ダイナミック・プライシングが実施された。平良のジョシュア・ヴァンへの挑戦から、高校生料金500円という驚愕のチケット代の繋がり――Lemino修斗のこれからを岡田氏に尋ねた。
もともと結婚式は4月12日に挙げる予定だったんです
――9日に平良達郎選手のUFC世界フライ級王座挑戦があり、6月1日にLemino修斗06が後楽園ホールで開催される。多忙を極めた3カ月……4月大会前から米国と日本を行き来するなかで、平良選手の敗北から10日が過ぎ、大会主催まで約10日となりました。
「正直、10日過ぎても心の傷が癒えてないです(苦笑)。達郎がUFCのベルトを巻くという将来像を描きまくっていたので。UFCの世界フライ級王者になった平良達郎と防衛戦に向かう日々を具体的に想像していました」
――プロモーターやジム経営者として、平良達郎効果を狙うという気持ちはなかったですか。
「その下心は勿論ありました(笑)。当然、ありますね。僕が経営しているパーソナルジムよりも、Lemino修斗は平良陣営が運営しているのもあるし、修斗の世界チャンピオンからUFCの世界チャンピオンになる……そういう風に道は繋がっているということはブランディングしたかったです。だから、そういう下心はありました。これは本当のことなので、書いてください」
――あれだけ頑張りを見せてくれた平良選手、そして平良陣営の岡田さんには「良い試合だった」というのは慰めにもならないのかもしれないですが、凄いモノを見せていただきました。
「達郎の頑張りは感服せざるを得ないです。ただ、あの達郎の戦いは『劣勢だけど、頑張るんだ』というマインドではなくて、最後の最後まで勝つ気満々でアイツは戦っていました。
試合に負けてめちゃくちゃ泣いていたんですけど、それはUFCのベルトを獲れなくて悔しいとか、これまでやってきたことをジョシュア・ヴァンに跳ね返されて悔しいとか、そういうことじゃなかったんです。
『レフェリーが止めるのが早い』と。それに納得がいかなくて泣いていたんですよ。ここで止められていなかったら、まくって勝てたのにって。勝てたのに止められたと納得がいっていなかった。だから3R、4Rの頑張りも彼からすると頑張っているとかでなく、勝つために普通に戦っていたことで。そこを褒められることにピンと来ていなかったです。
厳しいけど一矢報いてやろうとういうマインドではなく。普通に勝つために粛々と自分がやるべきことを、やろうとしていただけらしいです」
――ヴァンも3R、4Rと落ちていましたしね。
「それは達郎も感じていたようです。最後のインターバルでは勝てると思ってニヤついていたんですよ。『体力も落ちているし、勝てる』って口にして」
――テイクダウンされない、抑えられない面がクローズアップされていたヴァンですが、実は背中をつけてからが巧妙でした。
「たられば、ですけど――そこでポジションを取りまくるよりも、ハーフでコツコツ削る方が打撃の局面を少なくできたかなというのは思いました。
でも、達郎の戦いっぷりに勇気をもらったのは絶対です。それでも帰国して1週間ほど、何をしていてもあの負けのことを考えてしまって……。『これじゃダメだ』と思って、オヤジさん(鶴屋浩)に会いに行きました。
そうしたら道場にLemino修斗に出る子たち、RIZINでタイトル戦がある扇久保(博正)さん、UFCに出る(鶴屋)怜とか、Road to UFCに出る(内田)タケルとか……皆の必死さを見て、俺もやるべきことに全力で取り組まないとダメだ思えて。改めてオヤジさんと話して、気持ちを切り替えることができました。やっぱり心の拠り所、帰る場所があるのは良いですね。それを実感しました」
――押忍。しっかりとLemino修斗も乗り切って……結婚式を迎えてください。
「えっ? なんで、それを……」
――年寄りは色々な話が入ってくるんですよ(笑)。延期した結婚式が、扇久保選手の防衛戦と重なり、オヤジと慕う鶴屋さんが出席できないと。
「そうですよ……。もともと結婚式は4月12日に挙げる予定だったんです」
――それって……。
「ハイ、達郎が当初マイアミで世界王座に挑戦する日です。アハハハ。もう笑うしかなかったです。予約をしたのは、もう全然前ですよ。パントージャは大体6月と12月に防衛戦をしている。12月にパントージャが勝つと、達郎が挑戦するのは6月になると予想して。だから4月に式場を抑えていたんです。
そうしたら、ジョシュア・ヴァンが勝っちゃって。加えて達郎の挑戦が、まさかの4月12日で。逆張りの奇跡です」
――奥様のご両親は?
「もう平謝りです。友達にも延期すると伝えると、『何、しでかしたんだ?』って言う風に、婚約解消かと凄く心配されました(笑)。僕の肉親も『お前、大丈夫なのか』って」
――奥様自身は、どのような反応でしたか。
「彼女は僕のやっていることを理解してくれていて、『しょうがない』と言ってくれました」
――素晴らしいです。
「それで6月にして。もう、これだけ大会があるので誰か式に来てもらえなくなるのは承知で。そうしたらオヤジとアニキになったぁ……と」
修斗のランキングを活性化していきたいですしね。それがLemino修斗の存在意義
――いやぁ、岡田遼の人生は半端なく面白いじゃないですか。人生を面白くしている一つの要因、Lemino修斗。その第6弾には、修斗世界ライト級王者エフェヴィガ雄志選手が出場します。
「Lemino修斗として、初めてチャンピオンが戦うことになりました。修斗のチャンピオンは世界とやり合えるんだというのを見せて欲しくて、オファーを出しました」
――実際、ここはエフェ選手がランカーと防衛戦をするよりも、タイナネスと戦う方がタフで。それだけ楽しみになります。
「こういう試合を組むことで、修斗のランキングを活性化していきたいですしね。それがLemino修斗の存在意義だと思っています。エフェヴィガ雄志選手は、僕がTRIBEに練習に行かせてもらっていたので、以前から彼の意識の高さを知っていました。だから、ぜひともLemino修斗に出て欲しいと思っていた選手なんです。ここからコンテンダーシリーズ、そしてUFCに結び付く試合を経験してほしかったので」
――と同時に昨年9月の旗揚げから、日本人を強くしたいという気持ちで国際戦を組んできましたが、厳しい結果が続いています。
「ハイ。木下憂朔選手、藤田大和選手が揃ってフィニッシュされ、4月の沖縄大会で西條英成がマコア・クーパーに競り負けました。Lemino修斗として国際戦を組んでいますが、勝率は低いです。でも、それが現状で。ここから突き抜けるために、国際戦は続けないといけないと思っています。
それに木下選手に勝ったヴィクトル・ヴァレンズエラがUFCと契約し、藤田選手に勝ったホーキ・コンセイソンも8月にコンテンダーシリーズに再挑戦できるようです。『ヤマトに勝ったから、評価された』と言ってくれました。嬉しいですよね。日本に来てくれた選手が、そうやってステップアップをしていくのも。そこもやり甲斐になっています。つまり、そういう相手なので。勝てば、日本人選手がそういうチャンスを手に入れることができるわけですし」
――その情熱と興行を両立させる。これは本当に今の日本では難しいです。
「外国人選手の招聘は、チケットセールスに結びつかないというのはあります」
――岡田さんの理想が、格闘技ファンとされる人達にすら響くのは難しいです。それが日本のMMA界で。ここで勝ったらUFCに行くんだという期待で、ファンが集まるLFAとはMMA産業の基盤が違います。
「そういう試合を見たいと思ってもらえるようにしていきたいです。そのためには時間は掛かる。お客さんの入りが厳しいのは織り込み済みで、NTTドコモさんも理解をしてくれています。それがゼロからイチを生み出すことだと。でも、その言葉に甘えてばかりではいられないです。特にLeminoのコンテンツとしてMMAをやらせてもらっているのだから、会場に熱があった方が人に伝わりますからね」
――配信用のコンテンツで、観客動員にシビアな要求がないのであれば後楽園ホールでなくても良いのではないかと思うのですが。
「照明など、中継としてLeminoが求めるクオリティがある会場が後楽園ホールなんです」
――確かにLemino修斗ではケージの中だけでなく、その外も照明を落としてくれるのでケージ際の攻防が影で被写体が真っ黒になるということなくて、凄く撮影しやすいです。
「あぁ、そうなのですか。それは制作会社さんが、後楽園ホールでの中継の経験値が高いからだと思います」
世界レベルのMMAの試合を、その目で見てほしい。それを彼らの未来に繋げてもらえれば
――ただ平日開催というのは、やはりハードルが高いように感じます。
「これが旗揚げ戦で引退試合を組んで、あれだけ集まってくれたことで楽観視してしまいました(苦笑)。『平日でも、お客さん来てくれるじゃん』って。本当に浅はかで、それが弥益ドミネーター聡志選手のおかげだったことを忘れてしまって。あの時は、平日でも全然大丈夫だと思っていました」
――しっかりと勉強できましたね。そして6月1日大会ですが、凄く思い切ったチケット設定に変更されました。VIPが12000円台で、RSで8000円台。なによりS~B席まで高校生が500円という破格の料金設定です。
「高校生のチケット代をこういう風にさせてもらったのは、理由があります。平日にMMAの試合を見に来る高校生って、おそらくは練習をしている子たちだろうと。その子たちにライブで、世界に挑もうとする選手たちの試合を見て欲しくて。
世界レベルのMMAの試合を、その目で見てほしい。それを彼らの未来に繋げてもらえればと。これも、今後を見据えても実験といえば実験です。Lemino修斗のコンセプトは、日本のMMA界の未来を担えるような若い選手の発掘と育成です。そして、世界に届ける。
5000円も払えないと思っている高校生たちの中にそういう人材が埋もれているかもしれない。そういうまだ見ぬ第二の平良達郎候補が、実際に試合を見て、何かを持ち帰ってくれる。そして、これまで以上に練習を頑張って、アマチュア修斗に出て、プロ修斗デビューをする。そこに世間が興味を抱いてくれるようになるのがベストです。
でも現実はそんなに簡単じゃないことは、ここ数カ月で十分に学ばせてもらいました。なので、僕自身がもっともっと成長していかないといけない。コンセプトや信念がブレるようなことなく、少しでも人々に届けて熱を生んでいけたらと思います」
――押忍。今日は忙しいなか、ありがとうございました。
「いえ、なんか漠然としたことしか言えなくて。目の前のことをこなすのに、いっぱいいっぱいになっていて。とにかく一つ一つクリアして大会当日を迎えたいと思うので、宜しくお願いします」
■視聴方法(予定)
6月1日(月)
午後6時~ Lemino06
■Lemino shooto06対戦カード
<ライト級/5分3R>
エフェヴィガ雄志(日本)
ローウェン・タイナネス(米国)
<バンタム級/5分3R>
須藤拓真(日本)
ジョー・バード(米国)
<バンタム級/5分3R>
中島陸(日本)
リン・ホーシュン(台湾)
<フェザー級/5分3R>
飯野雄斗(日本)
石原夜叉坊(日本)
<フライ級/5分3R>
杉本静弥(日本)
岡田嵐士(豪州)
<バンタム級/5分2R>
榎本明(日本)
竹見隆史郎(日本)
<女子スーパーアトム級/5分2R>
安田コング詠美(日本)
アル(日本)
<フェザー級/5分2R>
有馬鉄馬(日本)
翔べ!ゆーすけ!(日本)
<キッズ修斗42キロ契約/3分1R>
稲場豪健(日本)
佐久間丈(日本)



















