【PFL MENA09】中東MMAのパイオニアが、PFL MENA初陣。ハムザ・コヘジ「米国進出を果たすため」
【写真】兄弟と2人でMMAの練習をしていたコヘジからすると、ここまでMMAが根付いたことはもう別世界のようだろう (C)MMAPLANET
24日(日・現地時間)、UAEはドバイのコカコーラ・アリーナでPFL MENA09が開催され、2026年PFL MENAフェザー級トーナメント初戦でハマザ・コヘジが、タハ・ベンダウドと対戦する。
Text by Manabu Takashima
本来は8日に行われる予定だった同大会だが、米イラン戦争の影響で延期されていた。そんなPFL MENA09でPFLデビュー戦を迎えるコヘジは9年に渡りバーレーンを拠点とするBRAVE CFで戦ってきた。
新天地を求めた中東MMAのパイオニアに、PFLデビューとミドルイーストのMMAの発展について尋ねた。
戦争によるものなのか、プロモーションの都合なのか、あるいは対戦相手の都合か。原因は違っても、試合がキャンセルされたり、延期されることはいくらでもある
――ハマザ、PFL MENAデビューが5月8日から24日に2週間ほど延びました(※取材は4月30日に行われた)。延期の原因が米イラン戦争の影響というのは、尋常ではないです。ハマザの住むバーレーンのマナマも空襲がありました。ファイト以前に、バーレーンの人々の生活が心配されます。
「バーレーン国民の生活は、普段通りだよ。確かにミサイルやドローンで攻撃を受け、米海軍の司令部がある地域や、市街地に被害も出た。そのなかで我が国は多くのミサイルやドローンを迎撃し、攻撃を阻止しているからね。攻撃も生活圏でないケースがほとんどだった。犠牲者が出たことは痛ましい事態ではあるけど、多くの被害が出ているわけではない。
攻撃から2カ月が過ぎ、皆の生活も落ち着いているよ。もちろん、これからどうなるかは誰にも分からない。でも、今は正常な状態にある」
――このまま、事態が落ち着くことを願うばかりです。
「僕も日本が無事であることを願っているよ」
――ありがとうございます。
「まあ試合が2週間延びたという点だけに目をやると、MMAで延期はいくらでもあることだ。それが戦争によるものなのか、プロモーションの都合なのか、あるいは対戦相手の都合か。原因は違っても、試合がキャンセルされたり、延期されることはいくらでもある。僕がコントロールできることじゃないから、気にしすぎてもしょうがない。準備期間が増えたと捉え、練習に集中するだけだよ」
――ところで今回の試合は、9年に渡り主戦場としてきたBRAVE CFを離れて新天地で戦うことになります。
「BRAVE CFが始まり、KHK MMAという練習拠点ができたことで僕の人生は変わった。凄く感謝しているよ。2度タイトルに挑戦して、2度とも負けてベルトを巻けなかった。9年間戦った結果、2度目のタイトル挑戦に失敗し『新しいことに挑戦する時がやってきた』と思った。
BRAVE CFで人生を賭けて全力で戦い、今はPFL MENAでバンタム級からフェザー級に階級を変え、新たな気持ちでBRAVE CF時代と同じように全力で戦っていく」
――階級を変えたのは、減量が厳しくなったからでしょうか。
「その通りだよ。特に最後の2試合は厳しかった。1度は計量に失敗し、タイトル挑戦の時は体重を落とすことがメインとなり、戦う状態を創ることができていなかった。もう61キロでは戦えないと思った。そうしたらPFLから66キロで戦う話が来た。前回の試合では、自分の力を発揮することができなかったから、とても良い機会が巡ってきたと思ったよ。66キロなら、僕の力を見せることができる」
――所属ジムもバーレーン・ファイターに変わりました。
「KHK MMAの多くの選手が、バーレーン・ファイターで練習しているよ。いわば、新しいジムができて、場所を移して変わらず一緒に練習しているという感じだ。所属もKHKのままだし、コーチも変わっていないよ」
中東のMMAは、これからますます発展していく
――なるほどです。MMAファイターとして、次のチャプターに向かうハムザですが、PFL MENAの存在をどのように捉えていますか。
「PFLは中東で素晴らしい仕事をしてきた。ビッグショーを開き、多くのファンを集めている。BRAVE CFは中東以外の国での活動に重きを置いているけど、PFLは中東においてMMAの普及に多大な努力をしている。MENAという大会が開かれているようにね。中東のMMAにおいて、とても素晴らしいことだ。ワールドクラスのファイトをしてきた自負があるし、自分の試合を中東のファンに見てもらいたいと思うようになった」
――MENAは中東において人材発掘、そして育成をする大会でもあります。過去18戦のキャリアを誇るハムザですが、今回の対戦相手タハ・ベンダウドはキャリア5勝1敗です。いわばハムザを食ってやろうという相手のなかに身を置くことになります。
「ファイトはファイトだ。何が起こるか分からない。だから絶対に相手を見下すことはないよ。特にアラブ人と戦う時は注意が必要だ。Desert Forceで試合をしていた時もそうだったけど、アラブ人ファイターはとにかくアグレッシブだ。技術的には十分でなくても、強い気持ちを全面に打ち出して戦うから、しっかりと覚悟してケージに上がる必要がある。レベルが下だと思って、彼らの気持ちの強さを軽視して痛い目に遭っている選手を見てきたからね。
それに今回のMENAフェザー級トーナメントにはUFCベテランで、UAEW(※ライト級)チャンピオンだったモハメド・ヤーヤもいる。欧州生まれのアラビックも多い。トーナメントのレベルは高い。ただヤーヤはそうではないけど、僕と同じでバンタム級から階級を上げてきた選手も多い。それほど大きなファイターがいないことは、僕にとってはポジティブな要素だ」
――自信のほどは?
「でも優勝するのは僕だ。PFLで戦うために契約したわけじゃない。トーナメントで優勝し、米国進出を果たすためだ。中東やアラブのチャンピオンで終わるつもりはない。ただ、今は将来のことを考えるよりも、しっかりと次の試合で勝つこと。自分の力を見せつけたうえで、トーナメント初戦を突破する。
これはトーナメント戦だ。優勝を目指すのは当然だけど、最初の試合で勝った後に戦争がどうなるか分からないしね(笑)。とにかく目の前の試合で勝つことに集中しているよ。今に集中しないと、これからのことなんて分からないから。
ただ中東のMMAが成長しているのは嬉しい限りだ。以前は兄弟と2人で練習していたのに、今では本当に多くの若い選手が汗を流している。そして多くの人々がMMAを理解するようになった。見るだけでなく練習をして、試合に出る者も多い。その試合機会も以前と比べものにならないほど増えてきた。MMA、キックボクシング、柔術といくらでも強くなるために戦うステージがある。PFL MENAだけでなく、UAEとカタールでUFCが行われ、UAEWやBRAVE CFも活動している。中東のMMAは、これからますます発展していく」
■視聴方法(予定)
5月24日(日・日本時間)
午後9時45分~ U-NEXT
















