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【UFN286】オクタゴン二連勝へ、朝倉海「試合で出していないだけで、本当に今、総合力が上がっている」

【写真】自信がある。しかし、決して楽観視はしていない(C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、中国は上海の浦東発展銀行上海東方体育中心(プートン・ファジャン・インハン・シャンハイ・ドンファン・タイユィ・ジョンシン)で開催されるUFN286「Nurmagomedov vs Song」で、朝倉海がアオリーチーランと戦う。
Text by Manabu Takashima

5月のマカオ大会のおけるUFC初勝利をまさに朝倉海らしい試合内容で手にしてから3カ月、希望通りの上海大会でバンタム級転向2戦目を戦う。

今回の相手は中国のアオリーチーランとあって、アウェイの地に乗り込む朝倉海は前回の初回KO勝ちで自信を取り戻したものの「まだ崖っぷち」と勝って兜の緒を締め続けている。と同時に、その自信を取り戻したことによって「過去のデータにない動きを見せる可能性も匂わせている。

鮮やかなKO勝ちで、期待値も再上昇した朝倉海の今回の試合に向けた心境をとは?


相手によって影響される、波のある選手だと思います

――1カ月後にアオリーチーラン戦が迫ってきました(※取材は7月30日に行われた)。5月のマカオ大会直後から、次戦は8月29日の上海で戦いたいという発言が海選手から聞かれていました。そのまま上海に決まったことは、良い流れになっているという感覚はありましたか。

「そうですね。マカオ大会の前から、マカオと上海は連続で出たいと思っていたので、それが実現したので良い流れでは来ているなと思います」

――UFCで一つ勝てた。この1勝が、その後練習等に良い影響を与えるようなことは?

「やっぱり自信を取り戻しましたよね。あの試合までは練習では良い動きができていても、どこか不安がありました。2連敗しているというのがあって、やっぱり自分を疑ってしまうところが少しあったので。だけど改めてああいう勝ち方ができて、『勝負できるな』っていう自信にもなったし。

それにUFCではバンタム級で戦うのは初めてということもあり、そこも不安要素では多少はありました。今はそういうことがなくなって、凄く自信が戻ったというか。自信がついたというか。そういうことは、確かにあります」

――バンタムの減量だからこそ、この3カ月間の過ごし方が違うということもあったのではないでしょうか。

「フライ級だったら、この間隔で試合はできないです。正直、1カ月のスパンでもバンタム級だったら創ることができます。バンタム級だとコンディションを創っていくことに向けて、気持ちが違いますね」

――今回の試合、決まったのはいつ頃だったのですか。

「発表(7月14日)の5日前とかかと思います」

――ということはマカオ大会が終わってから、1カ月ほどは上海で試合をしたいというなかでの練習になっていたわけですね。

「そうです。自分のなかで伸ばさないといけない部分があって……伸ばさないといけないというか、伸ばす部分と直さないといけない部分ですね。そこを以前から変わらずやってきました。直さないといけない部分っていうのは、組み技で。打撃も伸ばさないといけない」

――そのようななかで、今回の相手でオファーが来た時に対戦相手の顔と名前は一致していましたか。

「いや、全然知らなかったです。それから試合をチェックして、打撃の選手ですよね。インローに右を合わせて倒した試合とか、ボディで倒した試合もあって。でも、あっさり負けることもある。『良い動きするじゃん』と思う試合があれば、『えっ、めっちゃ弱い』という試合もあります。相手によって影響される、波のある選手だと思いますね。

打撃の相手には、打撃で行ける。でも組みを意識すると打撃を貰う。全部ができるタイプじゃないです。打撃は上手いし、強い。ただレーダーチャートにすると、全てができて大きいということはない。正直、怖さはないですね」

――打撃で勝っている選手だからこそ、海選手はこの相手には打撃で勝ってもらわないと困る。正直、それぐらいに思っています。

「打撃で勝っている試合も、そこまで打撃が上手い選手とはやっていないじゃないですか。だから打撃で良いパフォーマンスを出している時もあるけど、僕を相手にそれはできない。そこは正直なところ、思っています」

――試合は勝つために戦うので、そういうことをする必要はないのは前提で、組みと打撃の連動というモノを試すことができる相手ではないかとも感じています。

「これまで試合で出していないだけで、本当に今、総合力が上がっているので。その部分も、今回の試合で見せることになるかもしれないなと思っています。でも、本当に勝つことが一番大切なので。そのなかで新しいスタイルを見せられる可能性がある、そんな相手でもあります」

――海選手が自信を取り戻した。その裏で見ている側もフライ級で連敗して「この先、朝倉海はどうなるのか」と不安だったところから、あの勝利で要求がまた爆上がりします。とにかく勝利を、というところから強さを見せて倒してほしいという風に。それだけ今回の試合に向けて、周囲の見方も変わってきたかと。

「その点で言うと、今回の試合に向けて僕やチームが想定していたのは、もう少し上の相手でした。だから、この選手で来た時は『普通に戦いやすい相手。良い相手』というのがチームで持った印象でした。

そもそも段階を踏んでいきたいという話はしていました。でも、相手を選ぶことはできない。トップ15が来ても勝負するけど、その下の選手が来る方がラッキーだよね――というなかで、今回の相手が用意されたので。段階を踏むという点において、良い感じの相手です」

『あっ、こんなことができるんだ』、『おっ?』と思うような試合をしたいですね

――バンタム級のトップ戦線にある相手と戦うまでに、実戦で試すことができる相手がきた。そういうことで、良い感じの相手と捉えて良いでしょうか。

「その通りです。やりたいことがたくさんあって、試したいこともあります。UFCという場に慣れることも必要なので。チャンピオンまで遠回りに見えるかもしれないけど、経験を積んだ方が逆に近道になると考えていて。だから段階を踏める、そういう相手です」

――MMAは相性もあるので、現時点でトップ10でも十分に勝機がある相手もいる。その一方でランク外でも、まだ当たりたくないタイプのファイターもいる。そういうなかでスタイル的にも、嫌な相手ではないかと。

「まぁ、得意なところで戦えますしね。だから打撃のバリエーションもそうだし、それこそ組みの展開もそうだし。過去の情報にはない部分が、今の僕はたくさん伸びているので。試合を見てくれる人が、『あっ、こんなことができるんだ』、『おっ?』と思うような試合をしたいですね。

前回の試合で見せた打撃のコンビネーションとか、『おっ!!』となったと思いますし」

――まさに遠い位置から右ロングアッパー→左。ここに反応していたスモザーマンに右を決めたコンビネーションは『おっ!!』となりました。あの最初のダウンを奪った3発のコンビは、あまり見たことがない動きでした。

「そういうのが、たくさんあるので(笑)」

――それは期待です。同時にここまで金原(正徳)さんたちと1年近くやってきたことで、試合を見ているファンが気付いて「おっ!!」とならないとしても、ディティール面の進化も多いかと。どういう進化が見られるのか、楽しみです。

「そうは言っても、とにかく……さっきも言いましたけど、まずは勝たないといけないです。崖っぷちなのは変わっていないと思っています。ここで負けたら、全然終わってしまう可能性もある。自信とか余裕は少しできたけど、大切な落とせない試合です。負けたら、UFCからリリースされる可能性もある。とにかく負けられないです」

――UFCは良い条件で契約をしたファイターには、厳しいマッチメイクをするイメージが強いです。ですから、2試合連続でオクタゴンで黒星先行の相手との試合が組まれたことには、少し驚きました。

「そこは……大事にしてもらっているなというのは感じるし、同時に信用されていないと思っています」

――その発言ができるのは、素直に凄いと思います。

「信用されていたら、トップ10との試合が組まれていただろうし。だからUFC側にアピールをしないといけない。『こんなの俺の相手じゃないよ』って思わせる試合をしないといけないですよね」

――信用を得るファイトとなると、どのような形で見せようと思っていますか。

「フィニッシュです。フィニッシュが求められている。そこにいくまで、これまで練習してきたことを出せればと思っています」

(この項、続く)

■視聴方法(予定)
8月29日(土・日本時間)
午後4時~UFC Fight Pass
午後3時30分~ U-NEXT

■UFN286対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ソン・ヤードン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
デニージ・ゴミス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アオリーチーラン(中国)
朝倉海(日本)

<ライト級/5分3R>
マルケル・メデロス(米国)
メイソン・ジョーンズ(英国)

<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
スムダーチー(中国)

<ライトヘビー級/5分3R>
レヴィ・ホドリゲスJr(ブラジル)
リウ・ツォ(中国)

<フライ級/5分3R>
ビラル・ハサン(バーレーン)
ニルソン・ロハス(ペルー)

<フライ級/5分3R>
アンドレ・リマ(ブラジル)
ナムスライ・バットバヤル(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ケヴィン・ボルハス(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
フランチェスコ・ヌッツィ(イタリア)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェイキンス(豪州)
ショーン・ウッドソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ローレンス・ルイ(ニュージーランド)
エクトル・サンチアゴ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
シィォン・ヂィンナン(中国)
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ティン・モン(中国)
キャム・ネルソン(カナダ)

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