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【UFC313】組んでTD、バックが取れない日がやってきた。鶴屋怜、ヴァンにフルマークの判定負け

<フライ級/5分3R>
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
鶴屋怜(日本)

UFC初の2000年以降生まれ同士の対戦。掛け率はヴァンが―165でリードしている。サウスポーの鶴屋のテイクダウン狙いをヴァンが切る。すぐにシングルからボディロックに取った鶴屋はヒザの応酬から左を差し返され、打撃の間合いに戻される。ヴァンはインローからワンツー、そして左を当てる。鶴屋も左を強振して組み付くと、クリンチの攻防でベガスのファンがブーイングが起こる。回りながらジャブを当てた鶴屋は、ヴァンのパンチに組んでいくがテイクダウンを奪う動きまで至らない。

離れて、鶴屋のテイクダウン狙いに右を合わせたヴァンだが、鶴屋は奥足に組んで外無双を決める。背中をつけたヴァンは、それでもすぐに立ち上がりワンツーからスリー、フックをかわすがまっすぐを受けた鶴屋はハイキックをもらいそうになりながら、シングルレッグを決める。が、初回はヴァンのラウンドとなった。

2R、圧をかけるヴァンにシングルからボディロック、反り投げも上を取り切れない鶴屋だが、組みが回転してきたか。このまま組み続けたい展開のなかで、ヴァンのパンチに距離を取りつつダブルレッグからクリンチ、一本背負いを決める。袈裟で抑え左のパンチを落とす鶴屋はスクランブルで背中を取れない。胸を合わせ離れたヴァンの右を蹴りをキャッチしてシングルの鶴屋に対し、がぶったヴァンが立ち上がる。前に出るが、パンチの切れは落ちてきたヴァン。鶴屋は右を見せて組むが、それほどテイクダウンにこだわらない。

組みで削る鶴屋をジャッジはどう判断するか。逆にジャッジ受けのする右を当てたヴァンは、組まれてケージを背負う。エルボーのヴァン、鶴屋はスピニングバックフィストを空振りする。打撃の攻防で頭が下がった鶴屋に、ヴァンがヒザを入れる。鶴屋もスピニングバックエルボーを入れ、間合いを取る。ラウンドの最後に欲しいのは一発。そこはなかったが、最後に組みという印象点が悪くなる動きを鶴屋は見せなかった。

最終回、初回を失い。2Rは取っていたい鶴屋。とにかく最後の5分はフィニッシュへの動きが欲しい。すぐに組んだ鶴屋を切って、押し返すヴァン。鶴屋は徹底して組むのみ。シングルにパンチを落とされ、クリンチからテイクダウンも取れない。それでも鶴屋はダブルを仕掛け、スプロールされる。ヴァンは右ボディを入れ、鶴屋は左テンカオ。ヴァンの蹴りが急所に入り、試合が中断。つま先が腹に当たっていたため、ファンはここでもブーイングだ。鶴屋のしかめっ面にもブーイングの場内。残り3分で試合は再開され、鶴屋がシングルレッグでドライブする。ワキ腹に左を連打するヴァンのウィザーにバックを取れない鶴屋、離れて左インローを蹴る。

ヴァンがジャブを当て、鶴屋が左を伸ばす。左に回りつつ、左を届かせた鶴屋はサークルアウトが中途半端で、ヴァンが追ってワンツーを振るう。これだけで評価されそうな動きのなかで、試合は最後の60秒に。ヴァンの左オーバーハンドをかわし、ワンツーを入れた鶴屋はまた急所蹴りを受けてブレイクが入る。リプレイはここもボディへの蹴りに見え、完全にファンを敵に回した鶴屋は、最後に左でバランスを崩し時間を迎えた。

結果はフルマークで、当然のようにヴァンに。組んで倒せない日が来る。その日がUFC2試合目でやってきた。鶴屋怜の本当の意味でもUFCファイター人生、そしてMMAファイター人生第二章は、ここからだ。


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