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【UFC328】鶴屋怜が占う、ジョシュア・ヴァン×平良達郎「達郎君が勝つなら、4R以降に――」

【写真】今回は純粋に技術的に世界戦を占ってもらった。その裏にある鶴屋怜の偽らざる心境――「2番で良いなら、格闘技なんてやる必要はない」という言葉に表れている想いは、アギラー戦に向けてのプレビューインタビューで(C)MMAPLANET

いよいよ平良達郎が、UFC世界フライ級王者ジョシュア・ヴァンに挑む日が近づいてきた。9日(土・現地時間)、ニュージャージー州ニューアークのプルデンシャル・センターで開催されるUFC328、コメイン。J-MMA界にとって歴史的な一戦になることが期待される一戦を、同じUFCフライ級で頂点を目指す鶴屋怜で勝負の行方を占う。
Text by Manabu Takashima

「日本で初めてUFC世界チャンピオンになる」ことを目標に、幼少期から格闘技と向き合ってきた鶴屋。そして平良達郎選手とはTHE BLACKBELT JAPANの同門。さらに昨年3月にジョシュア・ヴァンと対戦し、プロ初黒星を喫している。自らの次戦も決まっているなかで、複雑な心境でこの一戦を眺めることになるであろう鶴屋怜だが、ヴァン×平良戦について経験に基づいた両者の強さを話してくれた。


――ジョシュア・ヴァン✖平良達郎のUFC世界フライ級選手権試合。勝利者予想もしづらい面があるかと思うのですが、プロとしてここはひとつ宜しくお願いします。

「予想が難しいだけで、僕が予想をしづらいというのは周りが気を使ってくれているんだと思います。でも、本当に予想は簡単じゃないです(笑)。どっちが勝ってもおかしくない試合なので。

ジョシュア・ヴァンは実際に戦って、負けた。どれだけ強いか分かっているし。達郎君とも練習したことがあるし――。ジョシュア・ヴァンのやることがハマれば、ジョシュア・ヴァンが勝つ。達郎君は試合の時に強いから、達郎君が普通に極めることもある。KOもあり得ると思います。でも、本当に分からないです。5R戦ですし」

――実際に戦ったから感触で分かる、ヴァンの強さとはどういうところになりますか。ボディロックの防御が、本当に強かったように見えましたが。

「無双で倒せて、テイクダウンはできるとは感じました。それ以上に寝技に付き合わない逃げが強かったです。それとボディロックの防御は、バックを取れそうになっても逃げられたり、倒してから立ったりするのも上手かったです。僕はしがみついてでも寝技にもっていけるのに、それができない。

凄く戦いづらかったです。小さくて、詰まっている。そんな体で。下半身もごつくて。上半身は組める。だから行けると思っても、なんか下が強くて。それと意外とリーチがありました。ただ足は別に長くない。短くてごつい感じで、テイクダウンがしづらかったですね。テイクダウンを切られて、パンチを打たれる。自分が一番やられたくないことをされました」

――打撃の圧のなかで、組むまでは行けたとは思いました。

「組めるけど、両手で顔を押してきたり。ああいうMMA風の防御が上手かったですね。レスリングでは、あれはほぼやらないので。アゴを押して、ディフェンスをしてきましたね。戦っていて何が嫌だったかというと、想像以上に近い位置で戦い続けることでした。

ある程度、打撃を見て組みに行きたいのに、近すぎてとにかく組まなきゃいけないって。バンバン打ってきて、左ボディとかパワーもあるし。自分もパンチを見せて、相手が打ったところで組むとかできていたのが、どんどん前に出てくるから、そういう間合いを創ることが難しかったです」

――パンチは相当に迫力があります。ただ削られたという感じで、一発KOではない。

「僕は打ち合わないで、下がっていたからパンチで倒されるというのは感じなかったです。ジャブも素早いというより、押し込んでくるというか。KOはされない、でも圧が凄い。打っても、どうせ打ってくる。なら、打つんじゃなくてテイクダウンを狙う。そういう風になっていました。

準備期間は2週間だったから、何をどうっていうより自分がこれまで戦ってきたスタイルでぶつかる。ウォームアップをしている時も、グラップリングになったら絶対に負けるわけがないと思っていました。それに父さんも『好きなグラップリングをやれば、絶対に勝てる』と言っていて。

じゃあ、しっかりと準備をしていればテイクダウンをして、自分の試合ができるのかと言われても、それは分からないです。それだけテイクダウンからコントロールさせない上手さがありました。相手の土俵で戦わない。自分の戦いをする。それがジョシュア・ヴァンの上手さでした」

――では平良選手の強さは、鶴屋選手はどのように感じていますか。

「皆、達郎君は極めが強いと言いますけど……、もちろん極めも強いです。ただ、それ以前に一つ一つ駒を進めていける。テイクダウンをしてからもサイドを取る、バックを取るという動作が正確なんです。僕は相手の動きに合わせて、ポジションやサブミッションを取りに行くタイプですけど、達郎君は自分の形に拘っている。それが強みで。そこに極めがついてくる。

あの戦い方こそが、松根さんに教えられてきたということだと思います。松根さんも上を取ると、相当に強いです。倒されて抑えられると、動けない。沖縄でスパーをして、そういうことがありました。あの固定される感じが嫌でしたね。そのしっかりした強さが、達郎君にもあると思います。

それと達郎君は5Rを戦ったのは1試合でも、5Rの準備を4度しているじゃないですか。達郎君は5Rの戦いが分かっている。ジョシュア・ヴァンは1回だけなんですよね、5回戦が。それも1Rで終わっている。

ブランドン・ロイヴァルとあの打ち合いができたのも、3回戦だからかなって思うところもあります。実際チャールズ・ジョンソンに負けた試合も、3RにKOされている。だから4R、5Rになると集中力がどこまで持つのか。そこで差が出るかもしれない。でも、5分5R戦う準備はしてくるのは絶対ですしね」

――チャンピオンの方に不確定要素があるのも、予想を難しくしているようですね。

「それでもヴァンが勝つなら、判定勝ち。5R、テイクダウンを切って打撃を当て続けることができるなら。達郎君が勝つなら、4R以降にバックとかがハマって極める。それと距離感を掴むのが達郎君は上手いから、右ストレートを当ててそのまま寝技で勝つことも全然ありそうです」

■視聴方法(予定)
5月10日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時30分~U-NEXT


■UFC328対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]カムザット・チマエフ(UAE)
[挑戦者]ショーン・ストリックランド(米国)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・ヴァン(米国)
[挑戦者]平良達郎(日本)

<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
マイケル・ジョンソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレディ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
キング・グリーン(米国)
ジャレミー・スティーブンス(米国)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
オジー・ディアス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
ヤーソラフ・アモソフ(ウクライナ)

<ライト級/5分3R>
グラント・ドーソン(米国)
マテウス・レンベツキ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
ジャレッド・ゴードン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ローマン・コピロフ(ロシア)
マルコ・トゥーリオ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティーニ(米国)
ウィリアム・ゴミス(フランス)

<ミドル級/5分3R>
ベイサングル・ススルカエフ(ロシア)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・カーペンター(米国)
ホセ・オチョア(ペルー)

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