【Grachan82】2年3カ月振りの勝利から、藤村健悟と対戦。丸山数馬「自分に焦点を当てて格闘技に集中」
【写真】黒星ロードを脱した丸山、いざ!!(C)SHOJIRO KAMEIKE
17日(日)、東京都大田区の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan82で、丸山数馬が藤村健悟と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
丸山は今年2月、グラチャン初参戦で松本光史をKOした。それは2023年11月の平信一戦以来2年3カ月振りの勝利であった。3カ月を経て今回2度目のグラチャン出場となる丸山が、松本戦までの2年3カ月の間に起きた大きな変化について語ってくれた。
フィニッシュがあのタイミングになるのは、自分でも予想はしていなかったです
――本日は宜しくお願いします。……今着ているのは丸山選手のオリジナルTシャツですか。
「はい。2023年にRoad to UFCで負けたあと、平信一戦の時ぐらいに濱村(健Tri.Hスタジオ代表)さんが創ってくださったんです。あれが2023年の11月……ちょうど松本光史さんと僕が同じ大会で勝って、そこからお互いに連敗していたんですよね」
――今年2月、その松本選手にKO勝ちしました。2年3カ月振りに勝利した瞬間の気持ちを教えてください。
「ホッとしました。一番は安堵感と、嬉しさです。2023年から2024年にかけてプライベートで落ち着かない時期があって。自分も精神的に弱いところもあったというか、ブレてしまったというか……。でも周りの方の支えもあって勝利することができました。この調子でまた勝ち星を積んでいきたいと思っています」
――丸山選手と松本選手が向かい合った瞬間、緊張感がありました。それは実際に戦っていた丸山選手も感じましたか。
「感じました。すごくプレッシャーを感じましたし、目の前に松本光史がいる』というのは――一瞬たりとも油断できない。勝ち負けって2分の1じゃないですか。僕がワンパンでKOされる未来も当然ありました。そういう意味での緊張感というのは、自分の中にもありましたね。ただ、一番焦ったのは試合順で(苦笑)」
――というと?
「もちろん試合順は聞いていましたけど、自分の中でよく分かっていないまま『準備してください』と言われて、一瞬バタバタしましたね(苦笑)。それでもアップするには十分な時間があったし、その勢いで集中もできたので良かったとは思っています」
――アハハハ、危ないところでしたね。松本選手といえばカーフから自分の間合いをつくってカウンターを浴びせることが多いです。対して丸山選手もカーフを打っていったのは、その間合いを潰すためですか。
「まずは一度、左ハイを見せておこうと思いました。松本さんには右オーバーハンドもあるし、自分としては上下に蹴りを散らして先手を取りたい。それで『カーフが当たる。ジャブも当たる距離だ』と掴むことができて、無意識にダブルレッグで入った感じでしたね」
――そのまま1Rはローやカーフの蹴り合いと、テイクダウンの攻防があって続く2R、唐突にフィニッシュが訪れました。あの展開でヒザが来るとは。
「自分が当ててフィニッシュする、有効なダメージを与えるという展開のイメージは持っていました。でも――それがあのタイミングになるというのは、自分でも予想はしていなかったです」
――すると自然にスッと出たヒザ蹴りだったのですね。
「練習していた流れの中で自然に出ました。ケージレスリングから、離れてワンツーの右が当たって。最初は自分のストレートが当たった感じはしていなかったんです。でも効いているのが見えたし、セコンドも『効いたで!』と言っているので、そのまま首相撲からヒザの流れに持っていこうと」
自分の武器だけを使うことにフォーカスできていました
――結果は2023年11月以来の勝利。この2年3カ月の間と、松本戦に至るまでの期間に何か大きな変化があったのでしょうか。
「最初に言ったプライベートの問題が落ち着いたこともあって、自分自身が格闘技に向き合える時間が増えたんですよね。それが変わったというか、変えることができたのか……。う~ん……、……自分自身ではどうにも変えられないもの、ってあるじゃないですか」
――はい。最終的に変えるのは自分自身であっても、一人ではどうにもならない問題は多々あります。
「それと負けて気持ちが落ちていることも含めて……。環境面、練習面でいえば、ずっとGENスポーツの練習に参加していましたけど、それも12月いっぱいで終わって」
――年明けに岡見勇信選手が自身のジム「TEAM THUNDER」をオープンしました。
「GEN練習から、そのままTEAM THUNDERの練習に移った人もいます。ただ僕はファイトキャンプ中でもありましたし、TEAM THUNDERは少し遠かった。所属ジムであるTri.Hスタジオでも調整できていたので、そのままジムで調整していこう、と。環境も変わり、自分に焦点を当てて格闘技に集中できるようになったことが、自分の成長に繋がったのかなって思います」
――実際のところ試合をしてみないと分からない部分は多い。しかし環境が落ち着いてくるなかで、何か取り戻しているような感覚は得ていたのでしょうか。
「ありました。それは、うまくいかないことも含めて。
うまく行かないことのほうが多かったです。でも練習して感じたことをメモったりしながら――僕自身、そういうところから考えていくのが好きで。良いことだったら、それがなぜ良かったのかを考える。悪かったら、この時はなぜ悪かったのか考える。結果的に、そうやって考える時間が増えたことは良かったです」
――多くの場合、人はうまく行ったことばかりを追いがちで。特に気持ちの面で厳しい時は、どうしてもうまく行くことばかりに逃げたくなる。対して悪いところは、気持ちが落ち着いている時にしか見直すことができない。
「そう思います。以前は自分も見直すことができなかったですね」
――具体的には、どのような点を見直したのでしょうか。
「僕は16オンスグローブのハードスパーなら思いきり行くことができても、MMAグローブだと――アンコが厚いパウンドグローブでも練習仲間を思いきり殴ることができないです。壁際の練習で、ヒザで練習相手を削ることができない。スパーリングパートナーを大事にすることを考えて。
試合になると、相手が効いたら展開が変わるじゃないですか。その試合に向けた練習なのに、自分は意図的に止めてしまっていました。ただ打撃を出すだけになってしまっていたり。でもスパーの相手がグラップラーだと、そこから組んでくるし、自分は削れてしまう」
――練習と試合が乖離してしまっていたわけですか。
「自分のイメージの中では『当たっている』『相手は削られている』と考えていても、現実のスパーリングではMMAグローブだと歯止めを掛けてしまう。僕の中のイメージと現実のギャップをどう埋めていくか、ということを濱村さんに相談していました。
あとは単純に技術的な問題で。自分はこうやってトップコントロールしたいのに、それができていない。何が足りていないのか、礒野元さんにアドバイスを頂いたりとか。実際に道場の現場で動いてみて、そこのトライ&エラーですね」
――そのギャップを松本戦までに埋めることができた、と。
「そうですね。松本戦が近づくにつれて……できないことはもう不要として、そこから足していくことはない。これまでの経験で、ある程度のことはできるようになっています。でもその技術に溺れないよう、自分の武器だけを使うことにフォーカスできていました」
相手は自分の型にはめる能力が強いので、自分はやるべきことを丁寧に一つひとつやっていく
――さらにここまでの3カ月間では?
「この3カ月は新しいことへのチャレンジというよりは相手の対策と、今ある武器の精度を高める作業をやってきました」
――自身の中で、どれぐらい仕上がっていると感じていますか。
「精度を高めていくこと自体が理想で、それでも7~8割は仕上がっていると思います。100パーセントとはいかなくても――そこを追い求めすぎると、良くない方向に行ってしまう気もするので(苦笑)」
――アハハハ、また考え込みすぎてしまうかもしれません。
「もうゼロか100、みたいな形で求めてはいません。もしかしたら気づかないうちに100パーセントに到達しているかもしれないです。でも、その精度をさらに高めていく作業を怠らない。誰と戦っても、その出力を維持できるようにしていきます」
――なるほど。そして今回、グラチャン2戦めで藤村選手と対戦することになりました。
「ランカー(※藤村はライト級4位)と当ててもらえて嬉しいです。勝てば次も見えてくる。勢いのある藤村選手を、しっかり倒さないといけないですね」
――藤村選手の印象は?
「思いきりが良いグラップラー、という感じですよね。テイクダウン、スクランブル、グラウンド――その武器の中で頑張る、という印象です」
――藤村選手に対し自身が上回っているのは、どのような点だと思いますか。
「打撃と総合力は自分が上回っていると思います。フィジカル面は触れてみないと分からないところはありますけど、自分が劣っているとは感じていません。ただ、相手は自分の型にはめる能力が強いので、自分はやるべきことを丁寧に一つひとつやっていく。それで型にハメられることはないだろうと考えています。相手は序盤からつくりが早いので、思うようにいかないシーンもあるとは思います。そこも丁寧に対処していくことが一つのキーワードですね」
■視聴方法(予定)
5月17日(日)
午後1時~ GRACHAN放送局、GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ
■Grachan82 対戦カード
<バンタム級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
野澤海斗(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
佐藤藏ノ介(日本)
土屋諒太(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
倉水大輝(日本)
吉田剛(日本)
<フライ級/5分2R+ExR>
小松原翔太(日本)
奥野真利(日本)
<ライト級/5分2R+ExR>
梅本弘祐(日本)
池田大樹(日本)
<フライ級/5分2R+ExR>
AXEL RYOTA(日本)
金森琢也(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
長光雄平(日本)
佐藤生穏(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
田中智也(日本)
長谷川卓也(日本)
<フェザー級/5分2R+ExR>
高橋孝徳(日本)
石橋佳大(日本)
<ライト級/5分2R+ExR>
藤村健悟(日本)
丸山数馬(日本)
<ストロー級王座決定リーグ戦/5分3R>
三笠貴大(日本)
児玉勇也(日本)
<ストロー級王座決定リーグ戦/5分3R>
丸山大輝(日本)
大城正也(日本)
<ライト級/5分2R+ExR>
村瀬賢心(日本)
菊池元(日本)
<フライ級/5分2R+ExR>
平野紘希(日本)
宮島夢都希(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
田中仁(日本)
柴田修杜(日本)
<バンタム級/5分2R+ExR>
大島暁(日本)
アクタモフ・アジムジョン(ウズベキスタン)
<グラップリング/4分1R>
おはぎ(日本)
二之宮徳昭(日本)



















