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【UFC323】良い試合がしたいデヴァリシビリからピョートル・ヤンが判定勝ち=王座返り咲き

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
Def.3-0:49-46.49-46.48-47
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)

右に回るデヴァリシビリ、ヤンがスイッチする。オーソに戻したヤンに右を伸ばしたデヴァリシビリが、ジャブから右オーバーハンドを届かせ右ローを蹴る。続いて右オーバーハンドを当てたデヴァリシビリは、ジャブの相打ちにもワンツーで前に出る。ヤンはジャブを続け、スイッチ。デヴァリシビリは距離が詰まっても組まず、打撃戦を続ける。ワンツー、ロングアッパーで前に出るデヴァリシビリが手数で完全に挑戦者を上回っている。

と、ヤンが右ストレートをクリーンヒット。途端にシングルレッグで出たデヴァリシビリが、バックに回る。クラッチをはがしにかかるヤンは、崩されそうになってもスタンドをキープしヒジを太腿に入れる。離れたヤンにジャブを見せ、組んでバックを取り返したデヴァリシビリが後方からパンチを見せる。ヤンが正対するとデヴァリシビリは離れて、サークリングし時間を迎えた。

2R、すぐに組んだデヴァリシビリがハイクロッチからテイクダウンを狙う。頭を押して耐えるヤンは、倒されない。自ら離れたデヴァリシビリはすぐに組みつかず拳の攻撃で前に出る。と、残り2分半にヤンがダブルレッグでテイクダウンを奪う。グランビーロールからバックに回ったデヴァリシビリだが、なんとヤンもグランビーロールでバックを取り返す。正対したデヴァリシビリが、ヤンをがぶる。離れるとシングルレッグに出たデヴァリシビリがケージに押し込み、バックに回る。

ヤンが正対した後、間合いを取り直した両者。ここでヤンが右オーバーハンドをヒットさせる。最後は近い距離でパンチを見せたデヴァリシビリだが、ヤンがラウンドを取ってもおかしくない5分だった。

3R、パンチで圧を掛け組んだデヴァリシビリに対し、ヤンがリフトからテイクダウンを決める。すぐに立ち上がったデヴァリシビリは、ダブルレッグでヤンを肩に担ぐと豪快にテイクダウンを決めてバックに回る。正対してギロチンのヤンは、シングルレッグをリリースしたデヴァリシビリの執拗なシングルレッグを反転&前転で逃れる。

左ミドルを入れたヤンは、ダブルレッグをスプロールしがぶってヒザを入れる。続くテイクダウン狙いをすかされ、前方にバランスを崩したヤンだったが、姿勢を整えて左ジャブを伸ばす。デヴァリシビリはダブルを切られても、打撃の数が減らずテイクダウン一本鎗よりも、さらに厳しい試合を課し攻めていく。しかし残り15秒、左ミドルを効かされ両手で腹らを庇い、痛みが顔に出たデヴァリシビリが下がる。組みついたヤンが、ケージに押し込んで3Rが終わった。

4R、ジャブの差し合い、右ストレートからダブルレッグ――バックに回ろうとしたデヴァリシビリに対し、ヤンがスイッチから逆に組みつく。デヴァリシビリはギロチンから引き込み、左足を掛けていく。腰を上げ、頭を抜いたヤンがバックにつく。間合いを取り直したヤンは、サイドの関節蹴りから左ミドルハイ。右を振るって前に出たデヴァリシビリがシングルレッグも、リリースし右を振って飛び込む。組まれても正対して離れたヤンは、左ストレート。右を当てたと思われたデヴァリシビリが、足を気にするように離れる。

インロー、左ミドルから左フックのヤンがダブルレッグへ。切られると、離れて左を互いに打っていく。ダブルレッグをスプロールし、左ボディを決めたヤンに対し、デヴァリシビリが右ミドルを入れて前に出る。スピニングバックフィストから左フックを繰り出したヤンはエルボーからフック、デヴァリシビリもジャブを続けた。

5R、右サイドキックで関節を狙うヤンに対し、デヴァリシビリはジャブの相打ちからカーフを蹴られる。それでも手数が減らないデヴァリシビリは、左を被弾しボディを抉られる。近い距離でヒジを入れたデヴァリシビリだったが、ヤンが右をヒット。続くテイクダウン狙いも切る。テイクダウンを阻止されても、その流れでヒザやパンチを繰り出すデヴァリシビリだが、間がヤンなのか左ハイを受けそうになる。

ジャブを突かれたデヴァリシビリはダブルレッグからバックも、コントロールを続けることができない。ヤンもダブルレッグでドライブし、ケージに押し込みながら、自ら離れる。そんなレスリングの攻防が厳しくなったのか。デヴァリシビリはギロチンをセットし引き込む。頭を抜いたヤンは、スタンドに戻り続いたデヴァリシビリに左ミドルを決める。

残り1分、ダブルを切ってヒザを突き上げたヤン。デヴァリシビリは顔面を真っ赤に染めて前に出るが、逆に残り15秒でテイクダウンを奪われる。そのままバックコントロールでタイムアウトを迎えたピョートル・ヤンが、史上最高のタフファイトを制しバンタム級王座に返り咲いた。

「ここにベルト巻いて立つことができて、本当に嬉しい。ハードな練習をして、試合に臨んだ。これが僕の人生だ。ステーリングとデヴァリシビリがいるチームは本当に強い。UFCが僕の人生を変えてくれた。ありがとう」と話したヤンは、前王者とハグをした。

一方で王座陥落したデヴァリシビリは「エンターテイメントファイトにするため、全力で戦った。でも今日は彼がより良い戦いをした。おめでとう。リマッチを組んでほしい。135ポンドに落とすのは、いつだってハードだよ。でも言い訳はしない。皆に良い試合を見て欲しかった。ダナも嬉しそうで良かった。レスリング、退屈な試合はしたくなかった。今日は彼の方が優れたファイターだったんだ。皆のために戦った。UFCはベスト、MMAはベスト。良い試合をしたくて、ファイターは必死に練習しているんだ。ここで立ち止まることはない。レッツゴー、皆、愛している」とインタビューに応えた。


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