【RIZIN52】元LFA王者スウィーニーを迎え撃つ佐藤将光「しっかりと北米の扉を開いて、ブッ壊しますよ」
【写真】リモート画面が繋がって傷が見えた瞬間、「えぇっ!?」と声を挙げてしまいました(C)SHOJIRO KAMEIKE
7日(土)、東京都江東区の有明アリーナで開催されるRIZIN52で、佐藤将光がジョン・スウィーニーと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
佐藤が昨年9月ダニー・サバテロに敗れて以来、約半年ぶりの試合で元LFA王者スウィーニーを迎え撃つ。佐藤が主催するジム「FIGHT BASE都立大」からは1月30日に駒杵嵩大が韓国ブラックコンバットでフライ級王座を防衛。2月18日には堀江耐志がLemino修斗でTOMAに判定勝ちを収めており、遂に自身が復帰戦を迎えることに。
復帰戦を行う今大会はRIZINにとって、大きなターニングポイントとなるだろう。「バーサス世界」を掲げて多くの国際戦が組まれたことに加え、判定に関して「デュアル・マストシステム」が新たに導入される。この「バーサス世界」と「デュアル・マストシステム」に、いかに立ち向かうのか――佐藤は「僕がどういう試合を見せたいかが一番大事」と言い切った。
これから柔道の技術はMMAで来ますよ。それも世界的に
――左目を負傷しているのですか!? 昨日、Lemino修斗で堀江耐志選手のセコンドについていた時は、何もないように見えましたが……(※取材は2月19日に行われた)。
「はい、今日の練習で負傷しました(苦笑)。でも傷は浅いし、減量もできるし、何よりもう試合へのイメージは固まっているので問題ないです」
――良かったです。まず昨日は堀江選手の勝利おめでとうございます。
「ありがとうございます。何だか辛い試合になりましたけど……。2Rが終わってコーナーに戻ってきた時、耐志が『もうアウトボクシングで良いですか?』と聞いてきて――たぶんその時にはもう両手を骨折していたのでしょうね。今日これから手術です」
――そうだったのですか! 最終回に下がりながらカウンターを狙ったのは、骨折が要因だったのですね。試合内容は1RがTOMA選手で、2Rが堀江選手。最終回はあの展開をどう採点されるのかが注目でした(※3Rはジャッジ1人がTOMA、ジャッジ2人が堀江につけた)。
「やっぱりダメージが一番優先ですよね」
――ダメージという面では、堀江選手のカウンターがしっかりとTOMA選手の顔面を捉えていました。下がりながらでもテイクダウンの強さがあるからこそ、しっかり打撃も当たったかと思います。パンチの振り方もコンパクトで。
「耐志もしっかりボクシングをやっていますからね。相手が出て来たところに合わせることができたのは、良かったところだと思います。ただ、もう少しテイクダウンを匂わせて顔面に当てたり、相手の打撃に合わせてテイクダウンを取るとか。もっと自分からの仕掛けが欲しかったかな、というのは正直な気持ちで。でもちゃんと相手のことを見ながら戦えたのは良かったです。
今まで耐志はバーンッとぶつかって、テイクダウンが取れちゃった。あるいはパンチが当たって倒せちゃった、みたいな感じで。今回はちゃんと攻防をしようとしていたところが見えました。特に2Rは良かったですよね。テイクダウンからコントロールしつつ、パウンドやヒジを打てたのは大きいかな。3Rもあのまま行ってほしかったけど、骨折していたから仕方ないです」
――なるほど。1月30日には韓国ブラックコンバットで駒杵嵩大が3度目のベルト防衛を果たしました。
「駒杵はスタイルが確立してきましたね」
――柔道出身の選手がレスリングを練習したうえで、自分のベースである柔道で切り返すというスタイルでベルトを守り続けています。
「今、あれだけ柔道をMMAで生かしているファイターも少ないと思います。絶対にこれから柔道の技術はMMAで来ますよ。それも世界的に。
ピョートル・ヤンとかヴォルカノとかも大外刈りを使っているし、ヘンリー・セフードも大内刈りを使っていましたよね。これはDJも言っていましたけど、レスリングはすごく体力の消耗が激しくて、テイクダウンを取るのにすごく疲れる。昨日のシンバートルも『よく3Rやれたな』って思うぐらい疲労していて。
柔道の場合は振ってから足をかける、ということが多い。だからレスリングに比べると労力をかけないでテイクダウンできるというのは効率的で。首相撲とも混ぜやすいし、これから柔道技は来ると思いますね。ちゃんと技が広まってくると思う」
バーサス世界を打ち出したかぎりは、日本人選手が勝たなきゃいけない
――そして遂にご自身の試合を迎えます。パッチー・ミックス参戦発表の際、佐藤選手は「ビックリした」という旨をSNSで投稿していました。自身の相手も元LFA王者が来るとは驚かなかったですか。それだけでなくRIZINが「バーサス世界」を標ぼうし、国際戦を組んできました。
「驚いたけど、僕としては嬉しいです。でも、そっちばっかりに寄っちゃうと大丈夫かな、と思っちゃいますね」
――大丈夫かな、というのは興行的に?
「はい。もう少し混ぜても良いような気はするんですよ。全カードじゃなくて良いけど――本格的なカードばかりじゃないですか。今回もそうだし、次の福岡大会も。もっとバラエティに富んだカードも観たいな、というのはありますね。僕自身もRIZINを観ていて、いろんな種類の試合があるから面白いというか。そういう試合もやりつつ、バーサス世界を展開していくとは思いますけど」
――バーサス世界の第一弾と第二弾だからこそ、印象付けるため国際戦に振り切ったという面はあるでしょう。
「そうなんでしょうね。浜崎朱加さんの相手も元LFAの選手で。今後はきっとPFLも絡んでくるだろうし、そうなるとBellatorで戦っていた選手も来る。一方でミックスみたいに、UFCで結果が出せずにリリースされた選手が来るのも、僕自身は楽しみで。
やっぱり僕は海外志向が強かったから、ONEを離れてフリーになる時は少し考えました。その時はBellatorと契約できるかどうかは分からなかったけど、もちろん視野には入っていて。それが急きょのオファーでRIZINに出たら面白かったので、そのまま出させてもらっている。すると強い選手——アーチュレッタやキム・スーチョル、井上直樹君とか面白い相手がいっぱいいるから、良いなと思いました。僕の中では想像していなかった、良い流れが今来ていますよ」
――佐藤選手の場合、ONEに出ていたこともあって北米ファイターとの対戦経験が少ない。だからこそダニー・サバテロと戦うことは、とても興味深かったです。そのサバテロ戦については、試合後のインタビューや動画でも語っています。今改めて、サバテロ戦の内容についてはどう考えているか教えてください。
「試合前は『普通に戦える』と思っていたし、実際にそれなりには戦えたと思います。まぁ彼を北米の代表とするには、特殊なスタイルだから難しいところなんですよね。う~ん……、……世界のトップに近い選手とやり合えることは分かった試合でした。でもレスリングが思ったより強かったです。逆に極めの怖さは全くなかったですね」
――サバテロ戦は競った内容で、結果はスプリットで敗れました。佐藤選手の言うとおりサバテロが典型的な北米MMAファイターではないにせよ、北米MMAとの戦いの扉を開けることはできたのではと思います。
「うん、これから本格的に世界の選手と戦うことになるのは楽しみです。ただ、そうなると――バーサス世界を打ち出したかぎりは、日本人選手が勝たなきゃいけないと思うんですよ。そこが楽しみであり、日本人選手が全滅したところの怖さもあって」
ちゃんとキャラクターのある外国人選手を連れてくる。RIZINのマッチメイカーさん、流石だなぁって(笑)
――国際戦が主軸の興行で、どれだけ集客できるかは今回と次回の福岡大会で改めて検証できるでしょう。するとまさに次の怖さで、日本人選手が勝たなければ客足は遠のいていくかもしれない。
「そうですね。昔のPRIDEみたいに外国人選手がバンバン人気者になることができるなら、それでも良いんですよ。でも今の状況では、どうだろうなと考えていて」
――さすがに今すぐ、外国人選手同士の試合がメインで集客するのは難しいと思われます。
「だからここで日本人選手が頑張らないといけない、とは感じますよね。それは、すごく。でも通用するとは思っています。
もちろん、それは選手に寄りますよ。篩にかけられて残る人、落ちる人は出て来る。その中から、より飛び出していく選手も出て来ると思うし。選手として、そういう新しい展開は楽しみではありますね。
ただ、そんななかでもRIZINはちゃんとキャラクターのある外国人選手を連れてくるなぁと思いました。そこはRIZINのマッチメイカーさん、流石だなぁって(笑)」
――確かにスウィーニーもファイトスタイルは特徴的ですね。
「いわゆる伝統派空手の構えで、そこに動物的な要素が入っているというか。すごくアグレッシブだし、良い意味で雑さがある選手だなって感じますよね。打撃だけじゃなく組み、寝技もできるところも垣間見える。ほぼ打撃だけで戦っていますけど、テイクダウンされた後もちゃんと対処できるとは感じました。あとは速筋の塊で、力も凄いんだろうな、って」
――伝統派空手出身のMMAファイターであれば、間合いを保ちながら踏み込んで一発……というファイターが多いなか、スウィーニーは鋭い踏み込みからドカドカドカと連打を繰り出してくる。
「そう。めっちゃプレッシャーは掛けてきますよね」
――そこで組もうと思ったら、ガブってから相撲のように突き放してきます。そういう相手は佐藤選手にとって特別、相性が悪いわけではないというイメージはあります。
「どうでしょうね? 相性で言うと、僕は誰が相手でも合わせることができちゃうので。こういうタイプなら、こうしようって僕が変化できますから。たとえばグーしか出せないファイターなら、パーを出す相手は難しい。でも相手がパーを出してくるなら僕はチョキを出せるから、どんなタイプが来ても難しくはないです」
――確かに! すごくよく分かります。
「僕がスウィーニーに負けるとしたら、相手の勢いに飲み込まれた時じゃないですか」
――勢い、ですか。スウィーニーは組んでもグラウンドになっても殴り続けますからね。
「殴りますね。アグレッシブですよ。とにかく目の前にいる敵をブッ倒すという感じで。フェイントかけながら狙いを定めて、いきなり襲ってくる。スイッチが入っている時は獣のようですよ。
今回は1週違いで上久保周哉君がLFAに乗り込み、僕は日本で元LFA王者を迎え撃つ。そういうのも面白いなって思います」
もっと原始的であり、戦いの原点の面白さを伝えたい
――まさにバーサス世界の波が来ています。そんななか、RIZINは有明大会から新しい判定基準を導入することとなりました。
「あぁ、デュアル・マストシステムですね。まだ全体に目を通していなくて――ただ今ままでもそうですけど、RIZINに出るようになってからも、微妙な試合で判定になったら、どっちに転んでもおかしくない。選手としてはそこに頼らないというか。『このラウンドは取っている』とか思わずに、『これで負けたら仕方ないよな』っていうところまで、やり切るしかないです」
――佐藤選手の場合、判定基準が変わってもファイトスタイルが変わるわけではない、と。
「ないですね。僕の中で一番大事なのは『僕がどういう試合を見せたいか』ということなので。いつも勝利にはこだわっているけど、だから判定基準に左右されることは、あまりないかなぁ。
MMAでヒジが解禁された時は、めっちゃ練習しましたよ。禁止されている技は、すごく危険だから禁止されていたわけじゃないですか。イコール有効な技ということであって。
たとえば押さえ込んでいる時『今の判定基準では、このままだと勝てないよな』って思うかもしれないです。でも僕はもともとコントロール重視じゃなくて、グラウンドでも殴るほうだったじゃないですか。逆に今さらコントロール重視にと言われたら『できねぇし』と思っちゃいますよね(笑)」
――アハハハ。
「それが僕のファイターとして、変えられないキャラクターだと思います。MMAって各々のキャラクターが試合に出るところが、MMAの一番の面白さであって。判定基準が変わっても、自分の性格は変えられないですよ(笑)」
――その意味ではファイターであり、表現者なのですね。
「僕が思う『MMAでこれが強いんだよ』というものを試合で出しているし、『こういう戦い方もあるんだよ』というものも見せている。あと、世に出ていないものを見せることができた時は嬉しいです。でも一番は自分らしく戦いことですね。それを表現者というのであれば、自分は表現者なのかもしれないです」
――スウィーニー戦では、何を表現することができるでしょうか。
「今までの自分は、どちらかといえば技術的なキャラクターになってきていたので、自然と自分もそういう試合をしていたかもしれないです。でも次はもっと原始的であり、原点回帰というか――いわゆる戦いの原点の面白さを伝えたいですね。今回はしっかりと北米の扉を開いたうえで、ブッ壊しますよ」
■視聴方法(予定)
3月7日(土)
午後2時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
パッチー・ミックス(米国)
<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
桜庭大世(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
木村柊也(日本)
<フェザー級/5分3R>
ビクター・コレスニック(ロシア)
相本宗輝(日本)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
ケイト・ロータス(日本)
<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
カルロス・モタ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
所英男(日本)
鹿志村仁之介(日本)
<ライト級/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
矢地祐介(日本)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ジョン・スウィーニー(米国)
<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
トニー・ララミー(カナダ)
<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
NOEL(日本)
イ・ボミ(韓国)
















