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【ONE FN38】殴られても前に出たエンフォルギルが、削り合い&スクランブルを制しRNCを極めて新王者に

【写真】師匠トンガーに続き、ONEのベルトを手に下エンフォルギル(C)ONE

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
Def.4R1分33秒by RNC
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

ワンツーのアンドラジに対し、ショートのコンビからエンフオルギルが組みついてコーナーへ。エンフオルギルは右腕を差し、崩しながら右エルボーを入れたアンドラジがダウンを奪う。パンチを纏められ、ダブルレッグを切られたエンフオルギルだがボディロックでコーナーに押し込み返しテイクダウンを狙う。小外を切ったアンドラジは、逆に上を取りかけてヒザを頭部に放つ。

距離を取りなおすと、組みに来るエンフオルギルにエルボーを狙うチャンピオンが首相撲からヒザを突き上げる。エンフオルギルは右ミドルを蹴り、クリンチアッパー。アンドラジがヒジを打っていく。スイッチを見せるエンフオルギルは前足を蹴られて構えを変えると、左オーバーハンド。そのまま左足を軸足として、オーソから右後ろ回し蹴りを狙う。

アンドラジは首相撲からヒザとヒジを見せ、アッパーを返したエンフオルギルがボディロックでロープに押し込み時間となった。

2R、インローを蹴ったエンフオルギルが右ハイ。アンドラジはスウェイでかわして、前進にヒザを合わせていく。さらに左を伸ばしたアンドラジのテンカオに、エンフオルギルはアッパーを伸ばし前に出る。前足を蹴られた直後にダブルレッグを決めたエンフオルギル。すぐに立ち上がったアンドラジが離れても、距離を詰めていく。

足を使うが、重心が高くなってきた王者は攻勢ながら疲れてきたか。ローに左を合わせたエンフオルギルは、スイッチして前手を伸ばす。右インローから右ジャブを当てたエンフオルギルが、組みからバックへ。アンドラジはすぐに離れたものの、圧を受けて息が粗くなっている。

ここでエンフオルギルは左オーバーハンドを伸ばし、構えを変えて前に出るとボディロックテイクダウンを決める。残り1分、ハーフで鉄槌を落としたエンフオルギルがワキを差してきたアンドラジにダースをセットしつつ、ヒザを顔面に蹴り込みラウンド終了。形勢逆転のラウンドとした。

3R、すぐに距離を詰めるエンフオルギル。アンドラジは離れてジャブを伸ばす。続いて左を当てたアンドラジは、ダブルレッグを切る。ボディ、ジャブのチャンピオン。エンフオルギルの接近に右エルボーを当てる。エンフオルギルはスピニングバックフィストも空を切り、ジャブを受けて前進を止めない。

ステップインし左エルボーを当てたアンドラジは、エンフオルギルのシングルレッグをウィザーで耐えた直後にボディロックテイクダウンを許す。エンフオルギルはバックに回るが、乗りすぎて前方に落とされる。アンドラジが逆にバックを取り、ボディトライアングルへ。

エンフオルギルはからくもフックされる前にヒザ立ちとなると、アンドラジの両手首を掴んで引き抜き、投げるようにリバーサルを決める。アンドラジはマウントを取らさず、ハーフで粘り、反転ブリッジでリバーサルを狙う。バランスをキープしたエンフオルギルがマウントからバック、半身のアンドラジの腕を取って上四方へ。アームロックは取り切れなかったがヒザを顔面に入れたエンフオルギルが、バックに回ってラウンド終了となった。

4R、ワンツーで前に出るエンフオルギル。ヒザをボディに突き刺したアンドラジが足を使う。エンフオルギルは組むとケージに押し込み、レベルチェンジ。ダース狙いのアンドラジに対し、アンクルピックでテイクダウンを奪いバックへ。腰を上げ、上を向いてRNCを防いだアンドラジだったが、ヒジを打たれて再び背中を見せる。左のパンチを連打したエンフオルギルがRNCをセットすると、アンドラジは観念したかのように即タップした。

四方の手をついて頭を下げたエンフオルギルは、師ジャダンバ・ナラントガラグを抱き合う。「この素晴らしい感情を言葉にすることはできない。凄く疲れた。ファブリシオは本当に強かった。11年前、師匠のジャダンバ・ナラントンガラグがONE世界王者になった。そして、今日、自分がチャンピオンになれた。この機会を与えてくれたONEに感謝している」と話した新チャンピオンは、5万ドルのボーナスを手にし「ファブシリオは本当に速かった。だから、こんな顔になった。MMAを戦ってきて、こんなにダメージを受けたことはなかった」と言葉を続けた。

日本、中国のJCKで吹き荒れるシャンダスMMA=チーム・トンガ旋風がついにONEも巻き込んだ。


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