【PFL WT2025#09】想定外の3階級のトーナメント決勝。リナット・カヴァロフ&サブリナ・ソウザも要注目
【写真】7500万円を手にするのは、どの3人だ!!(C)PFL
15日(金・現地時間)、ノースカロライナ州シャーロッテのボージャングルズ・コロシアムでPFL World Tournament2025#09=決勝ラウンド2戦目が行われる。
Text by Manabu Takashima
2週間前のアトランティックシティ大会でウェルター級のサッド・ジーン、フェザー級のモヴィッド・ハイブラエフという2人のワールドトーナメント・ウィナーが誕生し、今大会では3階級でファイナルが実施される。
ライト級はガジ・ラバダノフとアルフィー・デイヴィス、女子フライ級はリズ・カモーシェとジェナ・ビショップ、バンタム級はマルシルリー・アウベスとジャスティン・ウェッツェルの間で、50万ドルが懸けられたトーナメントの優勝者が決まる。
ライト級のラバダノフは優勝候補の一角だった。対してBellator英国大会要員といっても過言でないデイヴィスがPFL2023準優勝クレイ・コラードに勝利し、昨年準優勝で元Bellator世界ライト級王者のブレント・プリマスから判定勝ちを収めるとは、誰が予想できただろうか。
女子フライ級のカモーシェも順当といえる。他方タイラ・サントスの欠場があったことで、1回戦でぶつかった渡辺崋奈とビショップの勝者の勝ち上がりも、サントスの代役エカテリーナ・シャカロワがジュリアナ・ヴェラスケスを初戦で下したことに比べると驚きはない(※準決勝でビショップがシャカロワから一本勝ち)。
まるで予想がつかなかったのが、バンタム級だ。そもそもアウベスは補欠戦出場だったが、マゴメド・マゴメドフの代役ジョシュ・レッティンハウスの代役でトーナメント戦に滑り込んだ。そして1回戦で同胞レアンドロ・イーゴに競り勝ち、準決勝はUFCフライ級から転じたジェイク・ハードリーを撃破し決勝へ。
対するウェッツェルもまた、キアラン・クラークに代わってのトーナメント出場の権利を得ると、キャリア16勝1敗のカスム・カスモフから判定勝ちというアップセットを起こし、セミファイナルでマンド・グティエレスを下してファイナルに歩を進めてきた。
ずばりライト級はラバダノフ、女子フライ級はカモーシェが優勢という見方は容易に成り立つ。一方で、勝敗の行方を占うことが難しいのがバンタム級ファイナルだ。
そんな3つのファイナル以外もプレリミの注目株は、バンタム級のリナット・カヴァロフ、女子フライ級のサブリナ・ソウザだ。
Gorilla FCで獲得したバンタム級のベルトをEagle FCに名称が変わってから4度防衛に成功したカヴァロフは、2023年にUAEWで吉野光を相手にテイクダウン&コントロールで優り、2RでTKO勝ちを収めている。今回はヌルマゴ軍団の構成員らしくPFL Champions Series出場を経て、満を持して米国大会進出となる。ATTで中村倫也とトレーニングし、その強さは中村も認めるところのカヴァロフは、如何にインパクトのあるファイトをやってのけるか。
サブリナはIMMAF世界選手権を3連覇、アマ15連勝の実績を引っ提げて2023年12月にBRAVE CFでプロデビューを飾る。翌2024年12月にプロ2戦目でマリアニ・マリアーノに腕十字を極めて2連勝。今年5月にはShooto Brazilの女子フライ級王座を獲得している。
GTFで柔術を始め、10歳でムエタイの練習もスタートさせるとMMAに興味を持ち、16歳でノヴァウニオンに移籍したサブリナ。KHKジムからバーレーン国籍を取得してIMMAFにはバーレーン代表として出場を条件に、ファイナンシャルのサポートを受けるようになると、上記にあるようにIMMAFで3連覇を果たした。
リオとバーレーンを行き来しつつ、KHKのヘッドコーチ=エルダル・エルダノフのネットワークを駆使しダゲスタンでレスリング・トレを行うなど、絶対的なMMAグラップリングの強さを身に着けている。
UFCが目標で条件の悪いブラジルのローカルショー出場を否定していたサブリナだが、Shooto Brazilのベルトを巻いての北米進出となる。PFLは女子フライ級Tを開くだけでなく、タコタ・ディチェバという15勝0敗のプリンセスが頂点に君臨しているだけに、アマMMA界の女帝の参戦が同級をより活性化させることができるか非常に興味深い。
■視聴方法(予定)
8月16日(土)
午前7時15分~U-NEXT
■PFL WT225#09対戦カード
<PFL WT2025ライト級決勝/5分5R>
ガジ・ラバダノフ(ロシア)
アルフィー・デイヴィス(英国)
<PFL WT女子フライ級決勝/5分5R>
リズ・カモーシェ(米国)
ジェナ・ビショップ(米国)
<PFL WTバンタム級決勝/5分3R>
マルシルリー・アウベス(ブラジル)
ジャスティン・ウェッツェル(米国)
<ライト級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ロバート・ワトリー(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)
エカテリーナ・シャカロワ(ウクライナ)
<ライト級/5分3R>
バッジオ・アリ・ウォルシュ(米国)
エイドリアン・グランディ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
サブリナ・ソウザ(バーレーン)
サライ・オロスコ(メキシコ)
<バンタム級/5分3R>
リナット・カヴァロフ(ロシア)
ヴィルソン・ンデジョーニ(アルバニア)
<ウェルター級/5分3R>
ケンドリー・セントルイス(米国)
クリス・ミクサン(米国)
<フェザー級/5分3R>
デイモン・ネルソン(米国)
アイザイア・ディッグス(米国)