【DEEP Osaka Impact】大阪昼夜興行で青井人の復帰戦&角野晃平×嶋田伊吹のウェルター級タイトルマッチ
【写真】韓国のストライカー、チェ・ソンヒョクを相手に青井人が復帰戦(C)MMAPLANET/SHOJIRO KAMEIKE
5日(月)、9月21日(日)に大阪市天王寺区の大阪国際交流センター大ホールで昼夜興行として開催されるDEEP Osaka Impact2025#03とDEEP Osaka Impact2025#04の対戦カードが発表された。
Text by Shojiro Kameike
大阪国際交流センター大ホールは、2019年11月にDEEP&PANCRASE大阪大会が開催されている会場。今回の昼興行= DEEP Osaka Impact2025#03では青井人がRoad to UFCで敗れて以来の復帰戦に臨む。また、夜興行= DEEP Osaka Impact2025#04で今年5月にDEEPウェルター級王座を獲得した角野晃平が、嶋田伊吹を相手に初防衛戦を行う。
青井人が韓国のチェ・ソンヒョクを相手に復帰戦。河名マストとの比較も――
DEEPフェザー級王者の青井人は、今年5月にRTUフェザー級1回戦で韓国のユン・チャンミンに判定負け。4カ月振りの試合となる今回の復帰戦では、同じく韓国のチェ・ソンヒョクを迎え撃つこととなった。チェ・ソンヒョクのプロMMAレコードは6勝7敗と負け越しているが、戦績だけで強さを推し量ることができないのが韓国MMAファイターだ。
MMAと並行してキックボクシングの試合にも出場していたチェ・ソンヒョク(※日本では奥山貴大とシュートボクシングで対戦している)。サウスポースタンスからの強烈な左ハイ、左ストレート、右フックを叩きつけてくるストライカーだ。2024年にコリアンゾンビ主催のZFNを主戦場とし、2連続KO勝ちを収めるも、今年6月には河名マストと対戦してジャパニーズネクタイを極められている。
河名戦では相手のレスリング力で封じ込まれてしまったが、一度自身のリズムに乗るとフィジカルの強さも相まって、手が止まらず強烈な打撃を出し続けているタイプだ。RTUのユン・チャンミン戦では動きの固さが見られた青井。躊躇する場面があるとチェ・ソンヒョクが一気に出て来ることも考えられる。とはいえ比較対象が明確なだけに、青井にとってはしっかりと仕留めたいところ。その点で青井の復調具合が分かるマッチメイクといえるだろう。
この他、昼の部は大阪大会らしい女子戦——バンタム級=栗山葵×樹季、51キロ契約=サダエ☆マヌーフ×横瀬友愛を含む計4試合が組まれている。DEEPジュエルスのベルト再挑戦を目前にしながら、今年5月の奥富夕夏戦で判定負けを喫した栗山。対戦する樹季は柔道ベースで、2024年から大阪大会で2勝1NCの戦績を収めているファイターだ。栗山にとってはグラップラーを相手に同じ轍を踏むわけにはいかないが、果たして!?
打つか、組むか。角野×嶋田のウェルター級王座戦とバンタム級戦=小崎×前薗
今年5月、ベルト初挑戦となった角野は突きと蹴りを上中下に散らしながら、左ハイで王者の佐藤洋一郎を一撃KO。まさにベースである日本拳法の距離感と一撃の強さを発揮した王座奪取劇だ。佐藤戦前のインタビューで「寝技の壁の攻防、打撃と組みの繋ぎ」を鍛えてきたという新王者。その成長が、相手に優位な形で組ませずに打つスタイルを確立させている。
挑戦者の嶋田は阿部大治と鈴木慎吾に連続一本勝ちで王座挑戦に辿り着いた。それだけのグラップリング力を発揮できるのも、打撃の圧からテイクダウンに繋げることができるからこそ。所属する石川県のジムFight Holicでは「グラップラーはつくらない」との方針があると、チームメイトの寺崎昇龍と齋藤璃貴は語っている。その方針どおり嶋田も組むだけではない、打ち合いながら組んで仕留めることができるFight Holicファイターだ。
角野が組ませずに打つか、嶋田が打ちながら組むか。スタイルの違いが、試合にどのような影響を及ぼすか楽しみなタイトルマッチとなった。
このスタイルの違いは夜の部もう一つの注目試合、小崎連と前薗渓のバンタム級戦にも同じことが言える。無敗で挑んだ今年のRTUこそ、初戦で中国のダールミス・チャウパスゥイに敗れたものの、テイクダウンディフェンスから右でダウンを奪いまくる姿は大きなインパクトを与えた。
対する前薗は柔道&レスリングをベースとした組みの強さでプロデビューから7連勝を飾ったものの、現在は3連敗中。ここで小崎を相手にテイクダウンから得意の形に持ち込むことができれば、連敗もひっくり返すほどの勝利を得ることができる。そのためには小崎の間合いを封じる打撃力が必須だ。
さらに各エリアの対抗戦が行われるDEEPにおいて、今大会では大阪×名古屋の対抗戦が3試合組まれている。各エリア活性化のためにも、この路線は続いてほしいDEEP大阪大会だ。