【DEEP Osaka Impact#02】「グラップラーはつくらない」石川県Fight Holicから参戦、寺崎昇龍&斎藤璃貴
【写真】28歳の寺崎と、21歳の斎藤。お揃いの黒Tシャツはジムのグッズやスタッフ用シャツではなく、たまたま一緒だったという息の合うコンビだ(C)SHOJIRO KAMEIKE/em>
明日29日(日)に大阪市の錦秀会 住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP Osaka Impact2025#02では斎藤璃貴が松場貴志と、そして寺崎昇龍が谷岡祐樹と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
ともにプロデビュー以来3連勝中の寺崎と斎藤が所属するのは、石川県野々市市にある格闘技ジム「Fight Holic」だ。石川県の県庁所在地である金沢市のお隣、野々市市は寺崎によれば「理由は分からないけど、住みたい街ランキング(※北陸版あるいは石川県版)で上位に来ています」という。
Fight Holicといえば、DEEPのウェルター級を主戦場としている嶋田伊吹も所属するジム。ここで勝てばナンバーシリーズのレギュラー参戦も期待できる、そんな2人にジムと自身のキャリアについて訊いた。
――2人はプロではデビュー時期も試合数も同じですが、MMAを始めたのも同時期なのでしょうか。
寺崎 確か僕が入ったのは璃貴君の1カ月後ぐらいなので、だいたい同じですね。
――まずは1カ月早くMMAを始めた斎藤選手から、そのキッカケを教えてください。
斎藤 高校卒業後の進路を考えた時に、何か刺激のあることをやりたいと思ったんです。ちょうどその頃、RIZINを視ていて「俺もコレをやりたい。俺なら行けるだろう」という安直な考えで格闘技を始めました。
――「俺もコレをやりたい。俺なら行けるだろう」と思った根拠は……。
斎藤 全くないです(苦笑)。
寺崎 ハハハハ。
斎藤 RIZINに出ている選手を見て「この人たちで行けるなら、自分も行けるやろ」って簡単に考えちゃって……。根拠なんてないのに「俺なら絶対に有名になれる」とか言っていました。
――若さゆえの勢いですね(笑)。MMAを始める前は、何かスポーツを経験していたのでしょうか。
斎藤 小学校から高3まで、ずっと野球をやっていました。高校は大学の付属校だったので、上の大学に進む話もあったのですが、もう高3の夏には格闘技をやりたいと思っていて。高校の野球部でコンディショニングを見てくれていたトレーナーさんに、「将来は格闘技で生計を立てていきたい」と相談したら、このFight Holicを紹介してくれたんです。
――なるほど。寺崎選手はもともとフルコンタクト空手の選手でした。格闘技未経験者の斎藤選手にとって、バリバリの経験者である寺崎選手に対してはどのような印象を抱きましたか。
斎藤 初めてスパーリングした時は、メチャクチャ手加減してくれていたと思います。僕は龍さんの顔に触れられんぐらい、差がありました。龍さんにとっては僕とのスパーなんて「お遊び」ですよね。
寺崎 まぁ、その当時はね(笑)。
齊藤 アハハハ、だいぶ手加減してくれていましたよ。組技も初めて代表の鈴見圭司さんとスパーさせていただいた時、本当に――何をしても極められるんです。5分の間に10回、多い時は20回ぐらい極められて。でも、そのおかげで「格闘技ってこんなに面白いんや」と思いました。
寺崎 璃貴君は成長スピードが速くて、組みと寝技に関しては僕が入った時、すでに上手かったです。初めて組みのスパーをした時も、もう1年ぐらい練習しているのかなと思って「いつジムに入ったんですか?」と訊いたら「1カ月前です」と。驚きましたね(笑)。
――アハハハ。寺崎選手はフルコン空手からMMAに転向しています。なぜMMAを始めようと思ったのでしょうか。
寺崎 自分は4歳から空手を始めて、3~4年前までJFKOの全日本大会とかフルコン空手の大会にも出ていました(※2018年、全日本大会の男子軽量級で準優勝。決勝の対戦相手は秋元皓貴だった。翌年の全日本大会でも3位に入り、世界大会への出場権を獲得している)。ただ、ずっとMMAをやってみたいという気持ちはあったんですよ。ただ純粋に「自分がMMAをやったら、どこまで行けるんだろうか」「自分はどこまで強くなれるんだろう?」という気持ちでした。
そんななかで2020年に開催される予定やった世界大会(WFKO)が、コロナ禍もあって延期、延期、そして中止になりました。もともと空手は世界大会で区切りをつけようと考えていたし、その世界大会が中止になったのでMMAを始めるタイミングやろうと思って。
――Fight Holicの鈴見代表は柔術の黒帯です。お二人がMMAを始めて以降、練習や技術面も柔術がベースにあるのでしょうか。
寺崎 う~ん、どうでしょうね?
齊藤 「グラップラーはつくらない」と言っていましたよ(笑)。
寺崎 そうそう。鈴見さんの方針としては「グラップラーはつくらない」ということらしいです。MMAは打撃から始まるので。
――そう聞いて2人のファイトスタイルが理解できます。まず齊藤選手は前回の試合で、いくら対戦相手が復帰戦とはいえ、あの神酒龍一選手にジャブで勝負を挑んだのは驚きでした。
齊藤 ハハハハ。僕の中では試合が決まった時から「打撃で行く」というイメージがありました。自分はもともと打撃に苦手意識があって。でも最近は試合を重ねるにつれて、その苦手意識も克服できているので「打撃で勝負してみたい」という気持ちが強かったんです。特に相手は修斗とパンクラスでチャンピオンになった選手ですし、どこまで自分の打撃が通用するのかを試してみたいと思いました。
――一方、寺崎選手は前戦でRNCを極めています。デビュー戦では、脇田選手がハーフから足を取りに来た時、即対処しています。
寺崎 MMAを始めるうえで、メチャクチャ寝技に興味がありました。ジムで皆にボロボロにされながら練習している甲斐がありましたね(笑)。
――ここまで3連勝を収めている要因は何だと思いますか。
齊藤 僕の中では練習量もそうですけど、練習の質も大事だと思っています。ジムで全体練習が終わったあと、いつも龍さんと二人で打ち込みをしたり、「ココはこうしたほうが良い」とか意見を出し合っていて。何を考えて練習するのか。どれだけ意味のある練習をするか。それが試合内容にも繋がっていますね。
寺崎 何ですかね……。「都会へ行けば強くなる」と簡単に思っている選手には、負けたくないですよね。その気持ちは強いです。
――素晴らしい意識です。MMAを戦ううえでの目標は何でしょうか。
寺崎 シンプルに、最強になりたいです。簡単な話でいうと、体もバンタムでは小さいぐらいで。それでも同じ階級のデカイ人に勝てるようになる。そんなイメージですね。
齊藤 MMAで一番大きな団体はUFCなので、UFCを目指しています。
――寺崎選手は今大会で、元DEEPキック王者で剛腕ファイターの谷岡祐樹選手と対戦します。
寺崎 谷岡選手はパワーもある、まさにストライカー」という感じで、次の試合は打撃戦になりますね。自分としては相手に変な当て方をさせたくないです。自分は、基本的に打撃は来たものに合わせます。だから良い勝負というか、噛み合う試合になると思います。
――齊藤選手の相手は、元Grachanフライ級王者の松場貴志選手です。
齊藤 抑え込んだら強い選手なので、僕が負けるとしたら泥試合だと思います。自分から打撃でつくっていって、寝技に来てもしっかり対処する。「ストライキングの塩漬け」という試合をしたいですね。
地方から大阪に行くので、塩試合はしません。お客さんが見て誰もが良かったと思う試合――常に歓声が起きている試合をしたいです。
■視聴方法(予定)
6月29日(日)
午後12時30分~ツイキャスPPV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■計量結果
<バンタム級/5分2R>
田中壱季:61.30キロ
木下竜馬:61.45キロ
<ストロー級/5分2R>
武蔵:52.6キロ
久保田洸平:52.5キロ
<フライ級/5分2R>
砂田華杜:57.05キロ
佐藤利空:56.7キロ
<フェザー級/5分2R>
藤田宇宙:66.0キロ
龍輝:65.45キロ
<バンタム級/5分2R>
高村友晴:61.5キロ
大空斗:61.1キロ
<メガトン級/5分3R>
土井淳:117.95キロ
チャートゥ・バンビロール:95.2キロ
<73キロ契約/5分2R>
ベンジャミン:72.9キロ
トミー渡部:72.9キロ
<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大:61.6キロ
ウルシマン:61.5キロ
<フライ級/5分3R>
神酒龍一:56.95キロ
濱口奏琉:57.2キロ
<メガトン級/5分3R>
稲田将:108.05キロ
ステファン・スマッシュ:96.8キロ
<フライ級/5分2R>
安谷屋智弘:57.05キロ
飴山聖也:56.85キロ
<バンタム級/5分2R>
日比野“エビ中”純也:61.65キロ
MG眞介:61.5キロ
<フライ級/5分2R>
松場貴志:57.15キロ
斎藤璃貴:57.15キロ
<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.65キロ
寺崎昇龍:61.55キロ
<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.25キロ
三井俊希:66.1キロ
<フェザー級/5分2R>
Tack:66.5キロ
古根川充:66.0キロ
<女子バンタム級/5分2R>
MANA:61.7キロ
樹季:61.15キロ