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【DEEP Tokyo Impact2025#06】中務太陽と対戦、小崎連「ここをクリアできないぐらいだったら――」

【写真】一つひとつ課題を見つけ、クリアして目指すはバンタム級のベルト(C)TAKUMI NAKAMURA

14日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるDEEP Tokyo Impact2025#06で、小崎連中務太陽と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

9月の前園渓戦ではスタンド、グラウンド共に前園を圧倒して大差の判定勝利を収めた小崎。昨年のRoad to UFC(RTU)以降は2戦2勝と着実に勝ち星を積み重ねてきた。

今大会ではプロ無敗の中務を迎え撃つ形となり、小崎自身はこの一戦を「しっかり乗り越えるべき壁」と捉えている。さらに小崎は「今年は土台作りのための時間だと思っていて、来年で花を咲かせる」と2026年の飛躍を誓った。


大前提として毎試合判定まで持っていかないようにすることはテーマにしている

――試合まで約2週間となりましたが、小崎選手はどのくらいまで練習を続けて調整に入るのですか(※取材は11月28日に行われた)。

「試合がある週の水曜~木曜日ぐらいまでは普通にやりますね。怪我だけしないようにしながら、もっと練習を上げていく感じです」

──前回の前園渓戦はスタンド、グラウンド共に前園選手を圧倒しての判定勝利でしたが、あの試合の振り返りからお願いします。

「試合前から前園選手にしっかり勝つことによって、自分の今後のキャリアに繋げたいと思っていたので、そこをクリアできたことが良かったなと思っています」

──小崎選手の中ではターニングポイントとして捉えていたのですね。

「前園選手に勝てなければ次はないぐらい、言い方は悪いですけど落とせない試合というスタンスで臨んでいました」

──前園選手の組みを警戒しつつ、打撃で削ってフィニッシュすることは事前にイメージしていましたか。

「作戦的には打撃で行きながら、要所ではしっかり上を取って、削って……という感じで考えていました」

──スタンドの打撃だけで終わらせず、グラウンドの攻防に入って仕留めることも考えていたのでしょうか。

「イメージはしていたんですけど、ちょっと守りに入っちゃったというか。試合が終わってから、もう少し行けばよかったなと思っています」

──前園選手を全局面で上回ることが出来たという手応えはありましたか。

「自分で映像を見直して、完勝に近い試合だったと思うんですけど、そこでフィニッシュする力がないのは、格闘家として物足りないなと思っています。その部分をもっと上げていかないといけないですよね」

──では前園戦以降はフィニッシュして勝つことをテーマに練習を続けてきたのでしょうか。

「もちろんフィニッシュすることは意識しています。大前提として毎試合判定まで持っていかないようにすることはテーマにしているので、あとはそこでフィニッシュに近づくためにはどうすればいいかと考えながらやってきました」

ここで勝つのと負けるのとでは今後が左右される。前回の前園戦よりもさらに大事な試合

──今大会ではプロ戦績4戦4勝の中務選手と対戦することが決まりました。試合が決まった時の心境を教えてください。

「ここで当たるのかっていう感じでしたね。僕自身は想定していなかった相手です」

──小崎選手は次が12戦目で、戦績的には小崎選手が上回っていますが、同世代だと言える相手ですよね。

「年齢で言ったら僕の2つ下ぐらいです(※小崎は2001年12月生まれ、中務は2023年5月生まれ)。下から上がってきた選手を迎え撃つという捉え方よりもお互いに上に向かって頑張っている同士の潰し合いだと思っていて。しっかり乗り越えるべき壁ですよね」

──小崎選手としてはキャリアが上の相手に挑戦する試合を希望していた部分もあると思いますが、中務選手のような相手との潰し合いに勝つことも自分を強くするために必要な試合だと捉えていますか。

「結局上に行くんだったらこういうところもしっかり乗り越えていかなければいけないですし、しっかり一つずつ段階を踏んでといこうと思っています」

──自分の中でそういったテーマを持って練習に取り組んでいるのですね。

「これは自分に与えられた一つの課題というか、ここをクリアできないぐらいだったら、例えばタイトルマッチとかそういうチャンスはないよというDEEPからのメッセージだと自分では思っています」

──対戦相手としての中務選手の印象はいかがですか。

「結構前から知っているんですけど、極めが強い印象がありつつ、その中でも打撃もしっかり打ててシャープだし、何でもできるウェルラウンダーだと思います」

──極めの強さを警戒しつつ、全局面で勝負して勝つことをイメージしていますか。

「そうですね。どの局面でも勝負して、その上で競り勝つイメージです」

──小崎選手が目指しているものや到達したいものを考えた時、差を見せて勝つことも自分に課していますか。

「ここで勝つのと負けるのとでは今後が左右されると思うし、前回の前園戦よりもさらに大事な試合だとは思っています。そこは相手がまだ4戦しかしていないとか、そういうことではなく、しっかり自分が超えていかないといけない試合だと捉えています」

──その意味でもフィニッシュして勝つことが求められますね。

「はい。アピール材料にするにはフィニッシュが必要だと考えています」

──小崎選手は昨年のRoad to UFCに出場し、1回戦でダールミス・チャウパスゥイに判定負けという結果でしたが、その後は2連勝中です。RTUの敗戦で成長できた実感はありますか。

「RTUが終わってから1年半経っているんですけど、自分の中でやらなくちゃいけないことが明確になっていて。試合ごとに課題が見つかり、それを1個1個潰してきている状況です。だから試合ごとに成長している実感もあるし、今回もしっかり勝って、またさらにもう一段階自分が成長できるようにしていきたいです」

──結果は出せませんでしたが、あの時期にRTUに出場したことは自分を強くするきっかけになったようですね。

「そうですね。あのタイミングでRTUに出ていなかったら、おそらく今のように自分と向き合うことは出来ていなかったのかなと思います」

今年は充電期間というか土台作りのための時間だと思っていて、来年で花を咲かせるプランがあります

──現在はDEEPを主戦場に戦っている小崎選手ですが、今後はどんな目標を持って戦っていきたいと思っていますか。

「現時点での目標はDEEPのタイトルを獲ること、RIZINのバンタム級に参戦することですね。DEEPのタイトルに関しては僕と同じ日に雅(駿介)選手と平松(翔)選手の試合も組まれていて。僕が次の試合に勝ってすぐ挑戦というわけにはいかないと思うので、しっかり中務選手に勝ち、自分の選手としての価値を上げていく中でチャンスに巡り会えればいいなと思っています」

──中務戦に勝利して、来年はRTUが終わって培ってきたものを爆発させる一年にしたいですか。

「そうですね。僕の中で今年は充電期間というか土台作りのための時間だと思っていて、来年で花を咲かせるプランがあります。来年はしっかり自分をアピールしていきたいですね」

──それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「今回の中務戦で自分が今までやってきたことをしっかり出します。僕の得意な打撃は一番見せたいところではあるんですけど、全部を見せたうえで最後に僕が打撃でフィニッシュする姿をお見せできると思うので、打撃、寝技共に期待していてほしいです」

■DEEP Tokyo Impact2025#06 対戦カード

<DEEPストロー級選手権試合/5分3R>
[王者] 越智晴雄(日本)
[挑戦者] 杉山空(日本)

<バンタム級/5分3R>
小崎連(日本)
中務太陽(日本)

<フライ級/5分2R>
安谷屋智弘(日本)
力也(日本)

<フライ級/5分2R>
松岡疾人(日本)
松井優磨(日本)

<フェザー級/5分2R>
鈴木大晟(日本)
藤井連(日本)

<ライト級/5分2R>
井上竜旗(日本)
野尻大輔(日本)

<60キロ契約/5分2R>
今村豊(日本)
カンジ(日本)

<フェザー級/5分2R>
菊川イサム(日本)
権藤大剛(日本)

<バンタム級/5分2R>
柴田修杜(日本)
ハイメ(ペルー)

<女子ストロー級/5分2R>
横瀬友愛(日本)
堀内美沙紀(日本)

<60キロ契約/5分2R>
仁井田右楽(日本)
左京(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
秋元優志(日本)
国分獅斗(日本)

<アマチュア バンタム級/3分2R>
高尾凌生(日本)
菊池佳歩(日本)

<アマチュア バンタム級/3分2R>
佐藤聖優(日本)
佐藤凛(日本)

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