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【DEEP Tokyo Impact2025#06】キャリア3戦目で越智に挑戦。杉山空「このタイミングで挑戦するのは妥当」

【写真】試合前に、目に掛かっている前髪はカットするそうだ (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都港区のニューピアホールでDEEP TOKYO IMPACT2025#06が開催される。今年最高のカードが並んだ夜のDEEP129に負けじと、昼の同大会でも興味深い組み合わせがが見られる。
Text by Manabu Takashima

そんななかメインではストロー級チャンピオン越智晴雄に、杉山空が挑戦する。杉山は2005年1月19日生まれの20歳。幼少期から父にキックの手解きを受け、高校3年の時にNKBフライ級のベルトを巻いている。同王座防衛後、MMA転向を決意した杉山は昨年10月にザ・ブラックベルト・ジャパンの門を叩いた。

プロMMAデビューは今年の4月、キャリア3戦目でDEEPストロー級王者に挑む杉山に初インタビューを試みた。


自分でいうのもアレなんですけど打撃はある程度はできるので、あとは寝技

――MMAPLANET初インタビューとなる杉山空選手です。まずキックを始めた理由から説明してもらえますか。

「父がもともとプロボクサーで、キックボクシングのジムをやっていました」

――ボクサーだったけど、キックのジムを?

「ハイ、蹴りを学んで。そこで5歳の時に父の指導でキックボクシングを始めました。自分は3人兄弟で、最初に兄が始めて、僕が続いた形でした。ずっとキックをやると思っていて、そのままキックを続けていました。

プロデビューは高校の時で、高校生の間に9試合戦って6勝1敗2分。高3の時にNKBのチャンピオンになりました」

――MMAを戦おうと思ったのは?

「もともと小学2年生から、中2までレスリングをやっていて……」

――5歳からキック、7歳からレスリングを!! なぜレスリングも練習しようと思ったのですか。

「えぇ、なんでだろう……。兄と一緒に体験に行って……、それで楽しかったから始めたんですけど、なぜ行こうと思ったのかは覚えていないです」

――押忍(笑)。キックと同様にレスリングでも結果を残せた?

「ハイ、キッズの小5か6の時に全国で3位、中学は最高でベスト8とかそれぐらいでした。6年間レスリングとキックを両立していて、高校になってからどちらをやるのかと考えていた時に、小さな時からやってきたキックをやろうと思いました」

――繰り返しになりますが、なぜMMAを戦おうと?

「高校を卒業して就職をしたのですが、仕事をしながらキックをやっていて。試合に出ると会社の人達も凄く応援してくれていると感じ、もっと恩返しをしたい。そして新しいことに挑戦したいと思うようになったんです。MMAの方が、みんなに頑張っている姿を見てもらえるんじゃないかと。それで去年の6月に王座を防衛し、10月からザ・ブラックベルト・ジャパンでMMAを始めました」

――ザ・ブラックベルト・ジャパンに入会した決め手は何だったのですか。

「色々なジムを調べて、いくつかのジムで入門体験をして回ろうと思っていました。でも2番目にザ・ブラックベルト・ジャパンに来て、すぐに決めました。軽量級の選手がたくさんいて、自分でいうのもアレなんですけど打撃はある程度はできるので、あとは寝技だということで」

――レスリングをやっていたことは生きましたか。

「ハイ。生きています。ただ、ザ・ブラックベルト・ジャパンにいると全然ですけど(苦笑)。キックとレスリングを足すからMMAということではなくて、距離が違うので。あと寝技になると、色々な引き出しが必要だと勉強になっています」

――今MMAはキックのチャンピオンやトップクラスの選手が転向してきていますが、レスリングの基礎が最初からある選手は杉山選手以外にいないかと。そのなかで打撃とレスリングをMMAで使いこなすことはできたのでしょうか。

「今はまだ攻めのレスリングをしていなくて。打撃で攻めると相手が組んでくるので。それを切るということを中心にやっているので、今のところは特に苦労したことはないです」

――前提として、打撃は負けないという気持ちで。

「ハイ、自分のなかではそう思っています。ちょっと、おこがましいんですけど。さっきも言いましたが組みは負けることもありますが、自信がなくはないです」

――では練習をしていて、この人は強いと思うこともない?

「いえ、逆に強いと思う選手ばかりです。いっぱいいます。本当に。濱田(巧)さん、(鶴屋)怜さんとか。杉山廣平さん、それこそ同じ階級の黒澤(亮平)さんだったり。もちろん、扇久保(博正)さんもいますし。皆、強いです」

――いや、改めてキャリア1年で凄まじいメンバーと練習をしています。にしても入門直後の2024年10月にアマチュアパンクラス全日本選手権に出て、圧勝して優勝したそうですね。

「そうですね。2試合でしたけど、2試合とも1Rでフィニッシュできました」

――それでもプロデビューはDEEPだったのは?

「もともとDEEPに出たくて。格好良いですし。最初からRIZINとかは無理なので、DEEPで活躍すれば皆に知られますし。RIZINともつながりがあると思うので」

――プロで2試合、何かMMAの難しさを感じることはありましたか。

「試合で苦戦したり、難しい局面っていうのはまだないんですけど、少し油断するともらってしまう危険性がいつもあると感じています。キックってある程度距離が決まっているんですけど、MMAは相手が代わると全然距離が変わりますし」

3Rを戦うつもりもないし、ド派手に戦って勝ちます

――ではデビューから8カ月、3戦目で王座に挑戦という事実をどのように捉えているのでしょうか。

「嬉しいですけど、ここで取らないといけないという気持ちの方が強いです。このタイミングで挑戦するのは、妥当というか……。チャンピオン以外にもう相手はいないと思います。ここまで倒した選手は2人とも実績のある選手なので、越智選手しかいないと」

――これまでと同じように、越智選手も組んでくると踏んでいますか。

「打撃でやりあうことはない。絶対に組んでくると思います。ただ、過去2試合はすっぽ抜けるような形で、テイクダウンを許してしまったので、今回はしっかり切れるところを見せたいと思います。越智選手はパンチを振ってきて、テイクダウンを狙ってくるので絶対に切ります。四つの展開になっても、自分はヒジがあるので」

――ヒジ打ちができる。杉山選手が身に付けてきたキックは、ムエタイだったのですか。

「ムエタイ寄りのキックです。だからヒジ打ち、ヒザ、首相撲もできます。ただ越智選手は絶対にクリンチ&ヒジを警戒してくると思います。まぁ、そこで実際に戦ってみてどう感じるのか。一発でも良いヒジが入れば、絶対に切れると思います」

――では逆に越智選手の攻撃で警戒するのは?

「やっぱりギロチンチョークです。自分から下手なテイクダウンを仕掛けることはできないです」

――ではストロー級という階級を踏まえて、どのようなキャリアアップを考えていますか。

「ストロー級は今はRIZINにないので、ストロー級を定着させたいです。ストロー級ならではの魅力が日本中に伝わって欲しいですし。RIZINストロー級で戦っている間に、減量がきつくなってくるとフライ級に上げてUFCに行けたら良いですね(笑)。やっぱり世界に行きたいです」

――ではRIZIN関係者に、ストロー級の魅力を伝えるような試合になること期待しています。

「ありがとうございます。もう本当にKOを狙って、インパクトのある試合をしたいです。メインですし、自分は3Rを戦うつもりもないし、ド派手に戦って勝ちます」

■DEEP Tokyo Impact2025#06視聴方法(予定)
12月14日(日)
午前11時35分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネルメンバーシップ

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