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【VT : R ZERO】メネギンと寝技勝負!? 松本大輔—02—「初期UFCにも当てはまらないところが出て来る」

【写真】ROMANで過去3試合行われたバーリトゥード戦は、いずれもスタンドのパンチによるフィニッシュ。寝技での展開は果たして――(C)MMAPLANET/SATOSHI NARITA

13日(土)、無観客配信大会として開催されるROMAN VT:R ZEROで、エリック・メネギンと対戦する松本大輔インタビューの後編。
Text by Shojiro Kameike

自身が戦ってきたMMAと柔術のルーツを辿る旅——それが松本にとってバーリトゥードに挑む理由だ。その根底には「柔術家というのはMMAやバーリトゥードの中で強さを発揮し、証明してほしい」との想いがある。

しかし初期UFCとルールが同じとはいえ、全く異なる面が存在する。それは技術の発達と変化だ。これまでROMANで行われたバーリトゥードマッチは、いずれもスタンドの打撃戦で決着している。

一方で、我々がUFCで衝撃を受けたものの一つが、マウントポジションからの素手によるパンチであったことは間違いない。さらに進化した現代のグラウンド技術が、素手による打撃、頭突き、金的が許されたルールのなかで、どのように展開されるのか。そのために松本は、どのような練習に取り組んでいるのかを訊いた。

<松本大輔インタビューPart.01はコチラから>


――松本選手が出場を直訴した時、渡辺CEOはどのような反応でしたか。

「その時は好意的に受け取ってくれていました。でもROMAN01では道着MMAの部のメインで清水俊一さんと戦わせていただくことになって。ROMANのコンセプトとしては、『素手VTは本当に限られた、選ばれた選手のみが戦う』という感じだったんです。だから自分は道着MMAに出続けるんだろうな、と思いました。僕は道着MMAも好きでしたし」

――……。

「それがROMAN03の1週間か2週間前に、バーリトゥードだけの大会を開催すると聞いたんですよ。僕はROMAN03で竹本選手と戦うことが決まっていて――本当に無礼を承知のうえで、バーリトゥードだけの大会に出してくださいとお願いしたんです。竹本選手を相手に、試合で負傷しない保証もないのに」

――それだけ素手バーリトゥードへの想いが強かったのですね。

「はい。だから竹本選手との試合が終わったあとにも、改めてお願いしました」

――試合が決定後、素手バーリトゥード用の練習はしていますか。グローブと素手では、どうしても距離や位置が違うし、動きも変わってくるかと思います。

「やっています。僕はMMAの中で鍛えられてきたわけで、動きの土台となるのはMMAとグラップリングの練習であることは言うまでもないです。

そんななかでバーリトゥード用としては、まず練習の中で実際に頭突きと金的、素手のパンチを当てるわけにはいかない。だから対人練習では、素手で当てないという前提で、シャドーよりはもう少し踏み込むという感じで練習しています。金的に関しては自分もファールカップをつけて、どの角度からであればダメージがあるのか、あるいは効果が薄いのかを検証していますね」

――絶対に素手では相手に当てないと考えていても、当たってしまうことはないですか。

「そこは本当にギリギリですよね。普段の受け返しの練習より、少しだけ強度を増すというか。それぐらいの感じでやっています」

――いつも自分がやっていることの延長線上であれば、イメージもしやすいはずです。たとえば松本選手の場合、素手の喧嘩の経験はあるじゃないですか。って、決めつけてしまいますけども(笑)。

「アハハハ、はい」

――しかし、それが格闘技の試合となれば全く話が違う。実際に自分がバーリトゥードを戦うことをイメージし切れていますか。

「その点でいうと、ポイントになるのが30分という試合時間ですよね」

――UFCは当初、全ての試合が時間無制限で行われていました。しかし1995年4月のUFC5から時間制が導入され、トーナメント決勝とスーパーファイトは30分一本勝負に。ラウンド制が導入されたのはその4年後ですから、時間無制限だけでなく30分一本勝負というのもまた初期UFCの香りが漂ってきます。

「そうなると寝技になっても、おそらくブレイクはそんなに行われないでしょう。となると時間が経てば経つ、頭突きで鼻が曲がった、拳が折れたとか自分の体もどこかしら欠損する。どんどん壊れていくと思っています。ラウンド制ではないですからね」

――30分フルに戦うとすれば、まさにUFC5でシャムロックがホイスを相手に展開したような……テイクダウンか引き込みかでボトムになった相手をパンチと頭突きで削り続けるような内容になるかもしれません。

「あの試合も検証しました。でもエリック選手のクローズドガードに対し、僕はあの展開はできないですね。それだけエリック選手の技術は高いものです」

ROMAN01で清水俊一と「これぞ道着MMA」という試合を展開した松本。今回「これこそバーリトゥード」という試合を展開できるか(C)MMAPLANET

――確かに。

「自分としては30分も行かないと思うんです。どちらかが完全にノサれるか、一本か、レフェリーストップか。あるいは金的でアッサリ終わってしまうとか。そういう可能性もありますし、予想つかないところもありますよね」

――特にバーリトゥードのルールの中に、現代のグラウンド技術を持ち込んだら、どんな展開になるのか。

「エリック選手も僕も、わりと寝技には自信があるほうで。ROMAN01と02のバーリトゥードは寝技の展開がなかったじゃないですか。どちらも打撃による短期決戦で。あと初期UFCからは寝技の技術も変わっているので、初期UFCにも当てはまらないところが絶対に出て来る。僕とエリック選手なら寝技勝負になるので寝技の一発勝負——技術的な展開の中で頭突きが入ってくるとか」

――なるほど。何が起こるか分からない現代バーリトゥードで、松本選手はどのような試合を見せたいですか。

「全部やります。頭突きも、金的も。格闘家じゃない知人とかは『金玉を蹴っ飛ばしていいんでしょ?』『頭突き食らわして――』とか、チープな喧嘩のノリで言ってくるんです」

――距離がある戦いの中で、なかなか金的を狙って当てられるものではないですよね。

「そうなんですよ。あんなに小さい場所にジャストミートさせるなんて難しいです(苦笑)。

エリック選手もそうだと思いますけど、本当に素手の戦いのなかでコンビネーションを狙ったりとか、そのなかで頭突きを出したりする。短期間ではありますが、真剣にこのルールの戦いと向き合ってきました。それは全てバーリトゥードの技術だと思って、全部出します」

■ROMAN VT:R ZERO 視聴方法(予定)
12月13日(土)
午後2時45分~ U-NEXT

■ROMAN VT:R ZERO 対戦カード

<82キロ契約/30分一本勝負>
カイ・チー(マレーシア)
山田崇太郎(日本)

<65.8キロ契約/30分一本勝負>
エリック・メネギン(ブラジル)
松本大輔(日本)

<56.7キロ契約/30分一本勝負>
柴田宏太(日本)
杉本寛樹(日本)

<無差別契約/30分一本勝負>
藪英平(日本)
石川健太郎(日本)

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