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【Shooto2022#07】引退試合で山内渉と対戦、清水清隆─01─「想い出づくりじゃない。絶対に勝つ」

【写真】清水のプロMMAキャリアは14年――愛犬と一緒に取材を受ける姿もベテランの風格か(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto 2022#07で、清水清隆が山内渉を相手に引退試合を行う。
Text by Shojiro Kameike

今年に入りMMA引退を発表した清水は、7月にパンクラスラストマッチを戦い、佐々木亮太をRNCで下した。そして迎える引退試合、対戦相手は現在の修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人、山内渉に決定している。引退試合でも、リアルなマッチメイクだ。そこに、清水にとっての戦いが現れている。


――引退試合を6日後に控えてのインタビューとなります(※取材は11月21日に行われた)。

「はい、よろしくお願いしますっ!」

――前回のインタビューでは「いつまでもオッサンが上にいるよりも……」と語っていましたが、引退試合では修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人と対戦することになりました。

「アハハハ、そのほうが面白いじゃないですか。同じぐらいの年齢やキャリアの選手と試合をするよりも――スリリングで。それで相手は4連勝で、ランキングも上がってきていて、しかも僕が手こずった内藤君(内藤頌貴、清水は2018年7月に対戦して判定勝ち)に、一方的な試合をしていますからね」

――今回の試合は清水選手から山内選手の個人名を挙げて、プロモーターサイドに希望を出したのでしょうか。

「いえ、勢いのある若手の試合がしたいと伝えて。そうしたら山内選手に決まりました。山内選手……山内君って、もともとTRIBEの会員さんだったんですよ」

――えっ、そうだったのですか。

「細かい時期は覚えていないんですけど、もう4~5年前になるのかなぁ。自分も何度かミットを受けたり、指導していたことがありました。すごく真面目で、真っ直ぐで、良い印象しかないです。遠いところからTRIBEに通っていて、熱意もありましたね。確か学業が忙しくなってTRIBEまで来るのが難しくなったという経緯だったと思います。プロデビューした時に、あぁ山内君だと思いましたよ」

――師弟というわけではありませんが、昔から知っているファイターと引退試合を行うことになったわけですね。

「本当に不思議な縁ですね。特に彼のような勢いのある若手が、僕と試合してくれるだけ、ありがたいです。自分は今、修斗では2連敗していて。そんな自分と試合をして、彼にメリットがあるのかどうか」

――それでも修斗フライ級の世界ランキングでは清水選手が3位、山内選手が5位と清水選手のほうが上です。修斗でよく組まれるベテランと若手の下剋上マッチ、という意味ではリアルタイムな試合なのだな、と思います。

「そうですね。確かに修斗では自分のほうがランキングも上だから、彼にメリットがないわけではないと思うので。それは良かったなと思います」

――その引退試合を前に、今年7月にはパンクラスのラストマッチで佐々木亮太選手をRNCで下しました。

「出来は悪くなかったです。MMAの試合が1年ぶりなので、もっと感覚が鈍っているかなと思っていました。そういう面での不具合はなかったですね」

――試合後に笑顔で涙を浮かべていました。笑顔だけでも、涙だけでもない。笑顔で涙を浮かべるのは、それだけ自分のやりたいことはできたのではないか、とも思いました。

「結果が出たので何よりでした。試合内容は、ちょっとテイクダウンのディフェンスに手こずったところはありましたね。そこの反応や反射は、100パーセント取り戻せてはいなかったかもしれないです。ギロチンに行くパターンもなくはないんですけど、自分がセコンドだったら、立てと言っていたと思います。ただ、そこで自分が劣勢になることはないと感じました」

――試合は清水選手が2Rで勝利。ただ、こちらは清水選手の言葉どおり、「清水清隆が1RでKO勝ち」と書く準備をしていたのですが……。

「……スミマセン(苦笑)」

――それは冗談ですが、そもそも1Rで仕留めようという試合の進め方ではなかったと思います。

「自分としても、そこまで攻め急ぎするつもりはなかったです。このラウンドは取ったな、と思ってから下になって、とにかくラウンドが終わるまで下から削っていって。あとはビッグヒットだけ受けないように――と考えていました」

――パンクラスのラストマッチだからといって、勝っても負けてもいいから派手な試合をしよう、とは考えていなかったわけですね。

「もちろんです。試合は想い出づくりじゃないから。絶対に勝つ、それだけですよ」

――確かに、そのとおりですね。

「今回の試合も同じです。想い出づくりの試合なんて、相手に失礼じゃないですか。長南(亮TRIBE代表)さん、コーチやチームメイト、そして応援してくれている人にも失礼で。

『負けちゃったけど良い試合だった』なんて言葉は、慰めにしかならないんですよね。勝って、みんなと喜びを共有する。僕が引退試合で、みんなに対してできる恩返しは、それだけです」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■SHOOTO2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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