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【POUNDOUT03】「Lemino修斗の方が奨司にとって良い」。髙谷裕之にとってのPOUNDOUTとは?

【写真】笑わば笑え。この生き方だからこそ、ついて行く人間がいる (C)MMAPLANET

17日(土)、千葉市中央区はTKPガーデンシティホール千葉でPOUNDOUT03が開催される。第2回大会ではメインで三上ヘンリー大智と対戦予定だったイ・イサクが急病で来日できず、今回も山内渉と戦う予定だったビシャル・サフからダニエル・アグレイに変更された。
Text by Manabu Takashima

LDH格闘技グループのキャプテンとして格闘DREMERSやPOUNDSTORMを引っ張ってきた髙谷裕之は、なぜ自主興行にこだわるのか。同時にそのリーダーシップで引っ張ってきたファイターたちに、自らのイベントに出場を強いることもない。

興行主としては「?」。しかし、それこそが髙谷裕之の生き方だ。そんな選手ファーストの髙谷にとってのPOUNDOUTとは何かを、改めて尋ねた。


――山内選手の対戦相手がビシャル・サフからダニエル・アグレイに変更。興行は生もの、色々なことが起こりますね。

「いやぁ、しんどいスね(笑)。毎回、何か起こります。第1回大会は初めてだったから大変だったけど、今からするとすんなりでしたね。前回大会はヘンリー(三上ヘンリー大智)と対戦予定だったイ・イサクが胃腸炎で来られなくなって。今回も交通事故に遭ったとか連絡がきて……。診断書を取り寄せると、発熱とか書いてあるんですよ」

――えっ!?

「事故じゃねぇな、コイツって感じです(苦笑)」

――それは心労が絶えないですね。

「まぁ僕一人で大体のところをやって、Grachanの岩﨑(ヒロユキ)さんがグラチャンに出ている選手をつないだりしてくれている感じで。とにかくマンパワーが足らないのを感じています」

――正直、髙谷さんは皆を鼓舞して物事を成り立たせるような雰囲気で。事務という部分に対しては、向いていないだろうと(苦笑)。

「アハハハハ。それで苦労をしています。でも、やるしかないので」

――とはいえFight Farm所属の齋藤奨司選手など、ボスの指示で今大会に出場させることもできたかと思います。でも2月18日のLemino修斗に出るようで。

「僕も現役の時に戦う場所を強要されたことがあって。そういうことはしたくないです。奨司はもともと今大会に出ると言っていたのですが、Lemino修斗から良い試合のオファーがあったので『この試合の方が良いだろう』と、僕も思って」

――自分の大会の駒が少なくなっても?

「もし、俺だったら――というところが一番にあるんだと思います。大会の主催者でなく、『もし、俺が選手だったら』とか、今後のキャリアを考えても。奨司はケガもあって2年で2試合しか戦えていない状態で。僕もそういう時期があったのですが、そこでトーナメントなら勝って年に3試合は戦えます。相手も強かったですし。

まぁ僕の大会だったら、いつでも出られるので(笑)。今回はLemino修斗の方が奨司のキャリアにとっても良いと思いました。これは挑戦すべきだろうと。そりゃあ僕の大会にずっと出てくれると嬉しいけど、力をつけてUFCに出てくれた方が嬉しいので」

――興行主としては「?」ですが、髙谷裕之らしいです。選手の意志を尊重という点でいえば、昨年11月に山内選手がRIZIN LANDMARKに出場しました。格闘DREAMERSやPOUNDSTORMの頃、髙谷さんはRIZINのエンタメ志向には賛同できないというスタンスを持たれていました。RIZIN出場は山内選手の意志を尊重してのことだったのでしょうか。

「まず山内にオファーが来て、相手はトニー・ララミーという良い選手でした。あそこで国際戦を戦えることは良いことだし、本人も戦いたいということだったので。RIZIN自体、コロナの頃と比べて強い外国人選手が増えています。柏木(信吾)さんが凄く良い選手を連れてきているのもあって。エンタメ的な部分は残っていますが、『それって考えるとPRIDEの時からあったことで』と言っている人がいて。確かにそうだと思ったんですよ。

強い外国人選手を呼んで、良いカードを組んでいる。それを盛り上げるためのエンタメも有りかと。とにかく強い選手がいることが重要で。そこに多少のエンタメがついてくるのは、もう構わないかという考えでいます。強い外国人選手がいて、目を背けることはできないので。

何より選手の意志を尊重したいですしね。UFCの世界チャンピオンになりたい、RIZINのチャンピオンになりたいというのは、それぞれ選手の意志なので。格闘技でないモノに出たいなら、他のジムを勧めますけど。格闘技で強さを求めるなら、選手が戦いたいところで戦うべきで。僕がどうこう言うことではないという考えです」

――DREAMERSは、UFCが絶対という選手がたまたま集まっていたと。

「ハイ。格闘技の団体で、そこのチャンピオンになりたいというのなら、それが選手の気持ちなので任せます」

――押忍。そして山内選手が、今回のメインを務めます。

「もう1度、Road to UFCを狙いたいと山内も言っているので、国際戦の経験をさせたかったです」

――と同時に石橋佳大選手のカムバックも注目です。

「石橋はFight Farmで練習をして、柔術の指導もしてくれています。第1回大会の頃から、石橋が『僕も出たい』と言っていたんです。そこで失礼になるかもしれないですが、グラップリングの試合に出て実戦の勘を取り戻して、満を持して今大会でMMAに復帰するという流れですね。

千葉で大会があることも関係していると思います。もうチャンピオンを目指すとか、そういうことではなくて。ただMMAがまた戦いたくなったんだと思います。なら一番身近な大会がPOUNDOUTだったのかと(笑)。アイツの試合は面白いので見てみたいですし、まだ燃え尽きていない部分が残っているなら綺麗に燃え尽きてほしいというのもあります。

僕は復帰したいとか思うことないだけ、燃え尽きることができたので。そういう気持ちにアイツもなれると良いですよね」

――なるほど、です。現役時代に激闘を繰り広げた日沖発選手が主宰するstArtから、徳弘琢馬選手が出場するのも刺さります。

「相手は長南(亮)さんのTRIBE TOKYO MMA所属の榎本明選手で。選手同士も熱いですけど、現役時代が重なっていた指導者のジムの選手が戦うのも熱い。そこも興味深いです。僕ら世代は面白いと思える試合です」

――イベント主催は本当に楽ではないと思います。ジムで選手育成に専念しているのと比較すると。そのなかでPOUNDOUTの今後というのは? もう勘弁してくれというのが本音ですか(笑)。

「ハハハハ、もうキツいとは毎回思います。でも続けていきます。現状は半年に1回のペースで、ですね。やっぱり格闘DREMERSから始まって、そういう気持ちでこの道にやってきた選手がいるので」

――そういうなかで、EXFIGHTでの指導というのは髙谷さんの現状ではどういう位置づけなのでしょうか。

「これは多分、公にするのは初めてですけど……今月いっぱいで指導は離れます。格闘DREAMERSが2度あって、2回目に出ていた(中村)京一郎のRoad to UFC決勝が2月1日にあります。僕なりに責任は果たしたかなと、そこが一区切りになるという気持ちです。ただ選手達には『ハイ。さよなら』というわけにはいかないので、都内で練習できる場所を探しています」

――そしてPOUNDOUTを続けると。

「ハイ。第1回大会では、2人の選手をROAD TO UFCに送り出すことができました。これからも世界を目指す選手を応援する大会にする。同時に石橋みたいな格闘技が好きで続けている選手、まっすぐ格闘技が好きな選手のことも応援できる大会にしていきたいと思っています」


■POUNDOUT03対戦カード

<フライ級/5分3R>
山内渉(日本)
ダニエル・アグレイ(米国)

<バンタム級/5分3R>
榎本明(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
斎藤翼(日本)
大搗汰晟(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
石橋佳大(日本)
岡田達磨(日本)

<キックボクシング60キロ契約/3分3R>
笠原淳矢(日本)
白谷フィッシュ征也(日本)

<ストロー級/5分2R+ExR>
樋口幹太(日本)
佐野光輝(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
椎名渉(日本)
河合亮(日本)

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