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【TTF Challenge07】1年振りの復帰戦で、格上・小蒼に勝利した上久保周哉─01─「今が1番楽しい」

Shuya Kamikubo【写真】試合までの追い込みの日々も凄く楽しかったと話した上久保周哉の表情は喜びに溢れていた(C)KAORI SUGAWARA

9日(月)、東京都練馬区ココネリ・ホールでTribe Tokyo Fight Challenge07が開催され、上久保周哉が小蒼卓也から判定勝ちを収めた。

上久保は2014年にFithing Nexusでプロデビューをし、同年DEEPフューチャーキングトーナメント2014フェザー級で優勝。

01その後、Pancrase、DEEP、TTFと様々な団体に出場し6勝1敗1分と好成績を残してきたが、負傷により今回の小蒼卓也との一戦が1年振りのMMAとなった。

1R、上久保が小蒼からテイクダウンを奪うも、直後にヒザ十字を狙う。ここを凌いだ上久保はトップキープ&細かいパンチを落とすなど、攻勢のまま初回を戦い終えた。

022Rには小蒼のパンチをモロに受けるシーンもあったものの、徹底したテイクダウン狙いを続ける。小蒼も下になっても蹴り上げからスクランブル、背中をつけないよう粘るが上久保は立たれてもテイクダウンを狙い続け、2015年プロ修斗インフィニティ・リーグ優勝者から判定勝ちを手にした。

やるべきことをやり抜き、復帰戦を勝利で飾った上久保に怪我から復帰までへの想いを訊いた。


──試合を終えた感想を教えてください。

「凄く楽しかったですね。この試合まで怪我をして期間が空いてしまいました。以前は格闘技が好きで楽しくやっていたはずなのに、相手は自分よりきついことをしているに違いないから、試合に勝つために自分はそれよりもきついことをやろうと思い、しんどくなるまでやっていました。

怪我で休養している時に、自分の行っている頂柔術の石神(保貴)さんに『格闘技を楽しまなければダメだよ』と言われた時にハッとしました。MMAは期間が空いても、柔術やグラップリングが出来るし、とにかく格闘技を楽しもうと思いました。そしたら怪我から復帰してMMAを再開した時に格闘技を凄く好きだし楽しいと思うようになっていました」

──怪我はどのような状態だったのですか。

「去年の12月にパンクラスで試合が決まった時にずっとあった首の痛みを悪化させてしまい、全然動けなくなってしまったんです。元々我慢しながらやっていたので、溜まっていたものが一気にきてしまいました。とにかくキツかったですね。手が握れないし、力も入らない。首が痛くてどの体勢でも寝られず、腰にも痛みが来ました。ずっと治療に専念していたあの期間は格闘技ができないもどかしさや首の痛みで凄く気持ちが沈んでいました」

──いつ頃から練習に復帰できたのでしょうか。

「怪我をした半年後くらいからですかね。柔術の打ち込みとかグラップリング、寝技の動きから慎重に練習し始めました。復帰後、1番最初のテイクダウンは怖かったです。『次、またいつ首に痛みが来るだろう』と不安に思っていました。

怪我をする前は週7日、1日2〜3回練習していたんです。今思うとよく出来ていたなあと思います。今も頻度は近いんですけど、キツくて動けないなという時に練習の強度を落としたり、ちゃんと週1回とか休むようにしています。怪我をしてから考えるようになりましたね」

──今回は実績で上回る相手との試合で、どのような準備を?

「相手は強くて実績もあり、格闘技をちゃんとやっている選手です。楽しむことを忘れずに、相手に応えられる自分を作ろうと思いました。今思うと凄く前向きで毎日楽しかったです。動画を見て面白そうな技術や、出来そうな技を見つけて『今日はこんなことをやってみよう』と考えながら練習に入り、考えていた通りに出来れば嬉しかったですし、出来なかったら打ち込みして研究しました。

練習を一緒にしてくれる人も凄く強くて、格闘技をやるたびに得るものがあり、今が1番楽しいですね。教わることも凄く楽しかったです。試合中はキツイ部分もありましたけど、怖さを上回ってワクワクしていました」

<この項、続く>

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