【LFA222】バンタム級選手権試合=王者ピレス×挑戦者ビュラク。上久保と戦うのは、どっちだ?!
【写真】かなり戻しそうなビュラク。ピレスとしても、決して侮れない相手だ (C)LFA
14日(金・現地時間)、コネチカット州マシャンタケットのフォックスウッズ・リゾートカジノで開催されるLFA222「Pires vs Belakh」。そのメインでLFAバンタム級選手権試合=王者ヴィニシウス・ピレス×アルテム・ビュラクが行われる。
Text by Isamu Horiuichi
LFAバンタム級王座といえば上久保周哉が、UFCへのチケットとして狙うベルトだ。8月のLFA215で元UFCファイターのエリック・シェルトンをRNCで下した上久保は、この勝利の直後にマッチメイカーのマーク・ビエリから「王者ピレス次第だが、シュウヤがタイトルコンテンダーのトップにあることは間違いない」という評価を受けていた。
ピレス次第というのは、UFCからのコールをピレスが待っていたからに他ならない。しかし、UFCへのスクランブル出場はおろかコンテンダーシリーズから声が掛からなかったピレスは、実績創りのために王座防衛戦に舵を切る。
既報の通り、上久保の下に10月初旬に上2025年最終大会=LFA223でピレスとのタイトル戦のオファーが届いた。しかし、上久保は9月に股関節の内視鏡手術を行ったばかりで、まだスパーリングもフルで行えていない現状を顧みて、2カ月弱で5分5R戦える状態に戻ることは無理だと判断。この申し入れを断っている。
結果LFAでは上久保へのオファーより1週間繰り上がった今大会でピレス×ビュラクのタイトル戦を組むことを決めた。10勝2敗のビュラクは、LFA初陣がタイトル戦に。つまり、上久保が相手であろうが、ビュラクが挑戦者になろうが、この一戦はピレス軸――ピレスをUFCに押し上げるためのタイトル戦といっても過言でない。
挑戦者のビュラクはタイガームエタイで練習をしていた時期に、ONE契約し2勝1敗だった。クォン・ウォンイルにボディを効かされ右ストレートの前に敗れているビュラクだが、次期ONE世界バンタム級タイトルチャレンジャーのエンフォルギル・バートルフーにヒザ蹴りからエルボーを連打して勝利している。
このエンフォルギル戦から1年10カ月ぶりの試合が、今回のタイトル戦となる。マッチング期間があったことは想像に難くないが、この間にビュラクはラスベガスのシンジケートMMAに拠点を移している。ONE時代はKO勝ちできるが、KO負けもする。テイクダウンを決めるが、テイクダウンを奪われる。そんな攻撃主体で、防御に穴があるファイターだったビュラク。
対してキャリア11勝1敗のチャンピオンは、柔術ベースで5つの一本勝ちと5つの判定勝ち、そして1度KO勝利を経験している。今年の3月にアルゼンチン人ファイターのリオエル・アボイエルをRNCで下しベルトを巻いたピレスのベースは、黒帯を巻く柔術だ。
ピレスは6年間負けなし、前述したように一本勝ちと同じ数だけ判定勝ちがあある。つまりテイクダウンからポジションをキープした先のフィニッシュ勝利、それがピレスのMMAだ。テイクダウンはケージレスリングからのボディロックが主流で、ビュラクはボディロックテイクダウンでレアンドロ・イッサに何度も倒された過去がある。
攻撃力>防御力、そして被ボディロックテイクダウン率が高い。そんなビュラクの1年10カ月前の時点までのデータから、チャンピオン有利といえるバンタム級選手権試合だ。それでもピレスに絶対的な注意が必要なビュラクの攻撃手段は、跳びヒザ……いや走りヒザだ。
やや遠い距離から走り込んで距離を詰めると、そのままヒザを突き上げる。この攻撃が腹だけでなく、顔面を襲うことがありパンチやヒジの集中砲火の突破口となっている。
と同時に、やはり1年10カ月のブランクは長い。ベガスでビュラクのレスリング力と打撃の防御力が上がっていることをピレスは想定し、決してONE時代のイメージを持たない方が賢明だろう。
ともあれ、この試合の勝者が上久保のターゲットとなるのか。あるいはUFCにステップアップを果たし、頭に入れる必要があるのは敗者の戦いぶりか。上久保の今後を占ううえでもピレス×ビュラクは、ケイシー・タナー、ミッチェル・マッキーらと同様にマスト・チェックが必要だ。
■視聴方法(予定)
11月15 日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS
■ LFA222メイン対戦カード
<LFAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヴィニシウス・ピレス(米国)
[挑戦者]アルテム・ビュラク(カザフスタン)
<ライト級/5分3R>
ジョー・ジネッティ(米国)
ホセ・フェレイラ(チリ)
<フェザー級/5分3R>
ヘジヴァウド・カルヴァーリョ(ブラジル)
グスタヴォ・ピントス(ウルグアイ)
<ライト級/5分3R>
ネイサン・ガリーブ(米国)
ジョシュ・ハーヴィー(米国)
<女子フライ級/5分3R>
アリニ・ペレイラ(ブラジル)
ネイラ・レップ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)



















